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ドイツ ボルダリングで鍛える身体とココロ

2月が終わり、3月も半分が終わった。
まだ半分はある。
だが、ここで自分のしたいことがどれだけ達成できているかを見返すと半分もできていないことに気づく。

自分で決めて、自分でメモに書いた”やりたいこと”まで、後回しにしてしまう自分。
ドイツ語の勉強をするぞ、と意気込んだ直後に家の掃除をしている自分。
買い物に行くぞ、と決めた直後にドイツ語学習アプリを開いて、数十分、アプリから離れられなくなる自分。

学生の頃、テスト勉強をしようと思った直後に、机の片付けをしていた、なんてことを誰しも経験があるのではないだろうか。

そんな後回しにしてしまう自分を変えたくて、読んだ本の中で、実際に自分が体験した事実をまとめておきたい。
こんなところで、自分の「実行力」が試され、実現されていた。


ボルダリングを通して

週に1回、わたしはボルダリングのジムへ行っている。
ボルダリングとの出会いは、一人のドイツ人の女性。
アウトドア好きな彼女と会って、話を聞くと、
「この前はスイスへスキーに行っていた」とか「イタリアへ山を登りに行った」とか「○○○(ドイツにある山)へアウトドアクライミングをしに行った」と絶えず、そんな話題が上がる。

わたしにとって、ボルダリングは日本でも何度か友達と行ったことがあったし、まったくの初めてではなかった。しかし、こんなに毎週行くほど、ちゃんと始めたのは去年からだ。

わたしは、運動神経がズバ抜けていいわけでも、悪いわけでもない。
身体も筋肉質でもなければ、とても柔軟というわけでもない。
そんな、超一般的なわたしにとってのボルダリングは挑戦だらけだ。

ボルダリングをしたことがある人、見たことがある人は想像ができるかもしれないが、だいたい高さ3〜4mほどある壁を登る。
レベル(ボルダーの色がレベルごとに色分けされている)によって、壁が反り返っている場所もある。

ボルダリングジム


この「高さ」が意外にクる。登り始める前は、イケそうなんじゃないか、と思うコースでも登り始めるとその高さに、次の一手が出せないことが起きる。

立ちすくんで、実行できない自分をわたしはどう乗り越え、実行できる(ゴールにたどり着く)自分に変えることができたか


達成したければ、声を大にして叫べ!

「公開宣言効果」という言葉を聞いたことがあるだろうか。
人は言葉や文章で自分の考えを公開すると、その考えを最後まで守ろうとする傾向がある、というもの。

その日も、わたしは彼とボルダリングジムへ向かいながら、その日、わたしが達成したいゴールについて話していた。

「今日は、レベル4のコースを最低1つ、できれば3つは達成したい」

それがわたしのその日の目標だった。
彼はそれを聞いて、「達成できるよ!なんなら、4つくらいイケちゃうかもね♪」と応援してくれた。

柔軟体操をして、ウォーミングアップにレベル1や2のコースを登っていく。
さあ、レベル4に挑戦だ!と意気込んで登り始めたものの、足場のボルダーが小さく、自分の立っている場所が不安定な状態で、次の一手が出せず、途中で断念してジャンプして(降りて)しまう。

彼がアドバイスをくれながら、「次はできるよ!」と励ましてくれる。
”落ちたらどうしよう”とか”高いな”と怖い気持ちがある反面、”できそうだな”と思う自分もいる。
しかも、彼にその日の目標を宣言した手前、やっぱり達成したい、という気持ちも湧いてくる。

「自分はできる!」「次はいける!」「落ちても大したことない!」と思いながら、また挑戦する

ゴール(頂上)までいけた!

達成できた喜びと少しやっぱり怖かったなという気持ちが入り混じる。
ゴールから降りてきて、彼とハイタッチをする。
頑張ってよかった、という気持ちで満たされ、次の別のコースも頑張るぞ、と意欲がわく。

「公開宣言」は、外部の力を利用したもっとも効果的な方法の一つ。
達成したい目標は、声を大にして叫ぼう!


セルフイメージを大きくもつ

公開宣言効果だけでなく、この体験からわかることは、「自分はできる」というセルフイメージを持つことも大きく影響する。

自分はできないかもしれない、高くて怖いかもしれない、あんな高さからもし落ちてしまったら怪我をするかもしれない、とマイナスな言葉で自分の頭を埋め尽くすと、その考えが身体にも伝わり、動かしたくても身体が強張り、動かなくなるのだ。
(心と身体は繋がっているなあ、と感心させられる。)

しかし、「自分はできる」「今回は登り切る」というイメージで自分の頭を満たすと、出なかったその次の一手がキメれるのだ
そして、ゴールへの手を伸ばせている。

”何かができないということは、それがあまりに難しいからではなく、難しいと思い込んでやってみようとしないからだ”

「「後回しにしない技術」」

”どんな人でも、イメージする以上に高い場所に登ることはできない。
イメージほど成功の障害物になるものはない。同時に、イメージほど可能性を高めてくれるものもない”

「「後回しにしない技術」」

人は視覚から入る情報で、目の前の事象に自分で制限を設けてしまうこともある。

例えば、ボルダリングでは上述したようにレベルに合わせて、コースが色分けされている。
わたしにとって、レベル1や2はとても簡単(という認識)で、登り始める前から自分は絶対にゴールにたどり着けると思っている。

レベル3になると、”コースによっては難しいかも”と始める前から頭の中でイメージしてしまっている自分がいる。ほとんどのレベル3は達成できるが、中にはできないコースもある。
レベル4は、わたしにとっては挑戦。達成できるか、できないかわからない。

色分け(レベル分け)されていることによって、挑戦してみてもないのに、自分ができるかできないか判断してしまっているのだ
もし、色分けもレベル分けもされてなかったら、実はレベル5のコースだって、できてしまうかもしれない。
(「?」と書かれたコースもあり、どのレベルか書かれていない面白いコースもある)

それほど、セルフイメージはわたしたちの行動を制限しているのだ。
自己イメージが変われば、行動は自然と変わる。


小さなことから一つずつ、実行に移す

結局、この日、わたしは4つのレベル4のコースを達成することができた。

ボルダリングの経験(実験)から見えてくるように、

「成果=力量×実行力」

らしい。
実行力というのは、わたし達が思うような”意志力”などではなく、学んで練習すれば、誰でも開発できる一種の技術ということ。

自分の実際の体験(ボルダリング)に当てはめて、考察してみたが、他にも「実行力を上げる方法」は存在する。

ここであげた、「公開宣言効果」と「セルフイメージを大きく持つ」というのが一番簡単ですぐにでも始められる方法だと思った。

目を向けたくないが頭ではわかっている「後回しにしていること」ともう一度、向き合い、一つずつ、行動に移していきたい。

”あらゆる可能性を試したと思っても、まだ可能性は残っている。そして、表向きには目に見える変化がないにしても、内側では少しずつ変化が起こっている”

「「後回しにしない技術」」


わたしが少しずつ、ボルダリングのレベルを上げられているのも、目に見える変化としては小さいが、確実にできるようになっていることは確かだ。

レベル4が挑戦ではなく、ウォーミングアップになる日がくるとわたしは信じている。




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