アメリカでバスケが出来なかった話(部活の思い出:中学生編① )

今回は、中学の部活の思い出についてです。
もう15年以上前の話になります。

私は、中学進学と共に親の仕事の都合で渡米し、そのまま高校卒業まで、アメリカのケンタッキー州というところに住んでいました。

ケンタッキー州は田舎で、有名なものはバーボンと競馬くらいです。あと、フライドチキンか。

どうでもいいですが、私が人と話していて「ケンタッキー(に住んでいた頃)の友達が」なんて言うと、高確率で「ケンタッキーフライドチキンの店でバイトしてた時の友達」の意味と捉えられています。

本題に戻ります。

中学生でアメリカの現地の学校に編入したのですが、英語ができないので、暫くは何とか新しい生活を送るのに精一杯でした。
ESL(English as a Second Language)という、英語が母国語ではない生徒用のクラスがあり、色んな国から来ている子達と一緒に勉強していましたが、平日5日間はほぼ無言で過ごしていたのを覚えています。

その後、ESLを卒業し、普通クラスになってから、部活に入ることを考え始めました。小学校ではバスケ部だったので、とりあえずバスケ部を検討しました。

前にも少し書きましたが、アメリカの部活はシーズン制です。夏〜秋はバレーボール、冬〜春はバスケ、みたいな感じです。

シーズンで分かれているので、去年の夏はバレーしたけど、今年はいいや(やらない)、ってこともあります。

そして、人気スポーツだと、トライアウトがあります。つまり、テストに受からないと入部出来ません。

中学のバスケ部もトライアウトがありました。
詳細はあまり覚えていないのですが、40-50人程度の人数で、2日間に分けてあったように記憶しています。

1日目が初期的なスクリーニングで、2日目に1日目を突破したメンバーで再度選考ということだったかと思います。(恐らく。)
私は1日目は上手くいかなったなと思いましたが、なんとか選考に残り、2日目は割と良いプレーが出来たな、と思って終えました。

でも結果は不合格でした。

この結果を母親に伝えた時、あなたが良いプレーをしたと思ったのに落ちたの?それなら先生に理由を聞きに行きなさい、と言われました。

正直、うわーめんどくさー!です。
今であれば、むしろ自らそういう行動をすると思いますが、この時は私は14歳くらい。
色んなことに自意識過剰で、恥ずかしい訳です。

多分、えーそんなのいいよー、みたいなことは言ったと思うのですが、母はおかしいと思ったなら言わなくちゃ!と。
あと、もしかしたらアジア人差別なのではないか、それだったら許すまじ、みたいなニュアンスもあったように思います。

それで結局、私は先生に話に行きました。
先生は何故私をチームに選ばなかったか、どんなスキルが足りないか、説明してくれました。
内容は全く覚えてませんが、ちゃんと向き合って説明してくれたのは覚えています。

その時点ではもはや私は、何でトライアウトに落ちたかは然程気にしておらず、ちゃんと先生と話をしてお母さんからの宿題をクリアできたぞ、という安堵感の方が強かったように思います。

報告をすると母親に、あなたが納得できるなら良いのよ、みたいなことを言われました。(多分。)

ちなみに、先生からはアジア人差別的な雰囲気は全くなかったですし、振り返って考えてみれば、私は日本の小学校バスケ部でも万年補欠だったので、バスケが人気のアメリカ(しかもケンタッキーは大学バスケの強豪校があり、バスケ愛が割と強い)でトライアウトに落ちるのは実力面から何ら不思議はありません。

この一連の出来事で当時どんなことを感じたか、正確には覚えてませんが、面白い経験だったなと思います。

部活に入るという、それまでの価値観で言うと普通のことが、トライアウトという壁で阻まれるということ。

トライアウトを受けるに当たって申し込みに行ったら、バスケ上手そうな(偏見)黒人の子に「へー、あなたもトライアウト受けるんだ、バスケ上手いの?」と聞かれてドギマギしたこと。

顧問の先生に対して、(実際は無かったけど)アジア人差別なら許さないぞ、正当に対面されよ、と少し奮い立ってみたりしたこと。

あと、これは今となって思う事ですが、トライアウトに落ちた人が指導者に理由を聞く、というのは全然恥ずかしい事ではないし、指導者の意識を高めるのにも良い事だ思います。

私は大学生の部活で監督をしていましたが、試合に誰を起用するか、誰をベンチに入れ、誰を落とすか、当たり前ですが、毎回すごく考えました。
理由を聞かれれば、(あの中学のバスケ部の先生のように)対面して答える準備はありました。

それでも、選手に質問されると、自分の判断は本当に正しかったか?ちゃんとその選手の力やポテンシャルを見極められていたか?
その選手がベンチ入り乃至、スタメン入りする為にはどんな練習が必要か?改めて考えることになります。

選手側も、チームが求めているスキルと自分に足りないもの、それと自分が取り組んでいる練習にミスマッチがないか、自分の考えと指導者の認識に大きなズレがないか、確認することができます。

ちょっと色んなことに話題が飛んでしまいましたが、そんなわけで、今回は、中学時代(アメリカ)の部活にまつわる思い出話でした。

タグには「部活の思い出」をつけていますが、正確には「部活に入れなかった思い出」ですね。

また、中学校の部活の思い出第2弾(今度は入部出来ます)や高校編についても書きたいと思います。

ではまた。

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