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ダイエット ~糖質について考える~

こんにちは!
管理栄養士の松岡です。

世の中には、さまざまなダイエット法があります。
大きく分けると以下の通り。

図1 様々なダイエット

皆さんは、どれか、実際に試してみたことがありますか?

私は、学生時代、長距離ランナーだったので、体重には、かなり敏感でした。1週間で2kgの減量指示が出たことも(汗)。

当時は、専門的な知識は全くなかったので、3食りんごだけを食べる
「りんごダイエット」のような「○○ダイエット」で、指示通りの体重を、
目指すしかできませんでした。

当然、体重は落ちても、よいパフォーマンスにはつながりません。
当時の経験が、今の「管理栄養士」という仕事につながっています。

減量を必要とする栄養指導の現場では、「糖質」を気にしている方に、
多くお会いします。

「糖質」を、たくさん摂らないほうがよい気はしているけど、
具体的なことはよくわからないという方が、大半です。

そんな方に、「糖質制限」について、簡単にお伝えしたいと思います。

「糖質制限」に具体的な定義はない
「糖質制限」という言葉を頻繁に耳にするものの、一体、どれくらいの糖質であれば摂っても大丈夫なのか?ということについては、曖昧です。
一方、「糖質制限」という厳しい呼び方に対し、もっと気軽に楽しくおいしく糖質をとることを推奨する「※1ロカボ」は、1食20~40g、1日70~130g以内に、糖質(利用可能炭水化物)を抑え、カロリーや脂質、たんぱく質の制限をしない方法です。
※1:ロカボについて、さらに詳しく知りたい方は、こちら。
ロカボオフィシャルサイト (locabo.net)

血糖基準値は、空腹時70~109㎎/dL(100~109㎎/dLは正常高値とされる)
※特定健診・保健指導は空腹時100㎎/dL以上が対象
血糖値を、その都度測定することは、簡単ではありませんが、実際に、適正な血糖値を保つことができる糖質量は、測ってみなければ分かりません。
食後の高血糖は、肥満だけでなく、認知症や動脈硬化の原因にもなります。
食後2時間の血糖値が140㎎/dL以上ある場合、食後高血糖と判断されます。


糖質制限が支持されるのは、日本人のインスリン分泌能にある
今年こそは!とダイエットに挑戦しても、なかなか結果が出ないと、誰だって諦めたくなりますよね。
カロリー制限ダイエットが続かない原因は、ほんの少し減らしただけでは、思ったほど結果が出ないということ。
逆に、私が、かつて行った「○○ダイエット」は、実際、極端なカロリー制限ダイエットにもつながるので、即効性があります。
しかし、冷静に考えると、同じものを何日も食べ続けるのは、非現実的。
止めたとたんに、リバウンドしてしまうのも、この「○○ダイエット」の大きな特徴です。

図2 インスリンイラスト

日本人は、血糖値を下げるインスリンの分泌能が、欧米人と比較して、低いと考えられています。
さらに、肥満になると、このインスリンの効きが悪くなり、食後の高血糖状態が続きます。
インスリンは、脂肪の合成を高める働きもあるので、肥満を招いてしまうのです。

つまり、

図3 肥満と食後の高血糖

ということです。

図4 チェックしてみよう

いずれかに当てはまれば、食後の血糖値があがりやすくなっているかもしれません。

「運動」は食後高血糖予防に効果的
「昭和」から「令和」にかけて大きく減少している身体活動量。
肥満が増加する原因の一つに、「運動不足」があげられます。

図5 糖の取り込みイラスト

定期的な運動は、筋肉の維持に役立ち、適正な血糖値の維持に役立つのはもちろん、食後に運動を行うと、食後の高血糖予防にも効果的です。


まとめ
ダイエットに挑戦する際、どんな方法がよいのか、迷うことがあると思います。まずは、なぜ「ダイエットをしたい」と思うのかを、明確にしましょう。目指す目標を明確にしたら、次に、方法について検討しましょう。

できること、できないこと、体質は、人それぞれ。

糖質をちょっと摂りすぎているなと感じたら、まずは、3食の食事以外から摂っている糖質から見直してみましょう。

砂糖代替甘味料を使えば、ストレスなく、糖質オフできるかもしれませんよ。


<参考>
第43回内科学の展望 病態と発症機序を考える
2)日本人型インスリン分泌不全を考える
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/105/3/105_396/_pdf


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