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フィットネスベンチャー3期目を終えて。「Covid-19到来」編

まず初めに・・・

自己紹介をさせてください。

私はフィットネスクラブの直営1店舗FC3店舗の運営と上海株式上場企業のフィットネスマシンサプライヤーの日本総代理店を運営している日本のフィットネスベンチャー企業です。今回、初めてのNote記事を執筆させて頂きます。こちらのアカウントでは、フィットネス業界で新しい試みにチャレンジするベンチャー企業社長の私が日々感じる事や学んだことを記載していきます。ぜひフォローお願いします。


法人設立3期目を終えて・・

単刀直入に、Covid-19の影響を2期目と3期目に多大に受けました。弊社は売上の7割以上をフィットネスマシンの販売事業が占めています。2020年1月に日本でCovid-19が到来し、フィットネスクラブはクラスター感染と連日の報道により、最も多大なダメージを受けた業種です。具体的に自社で受けたダメージで言うと、2020年度、売上の柱であるフィットネスマシン購入の問い合わせが一切来なくなり月次のPLは赤字続き、それだけでなく自社で運営している直営店舗は2ヶ月間の休業。コロナ前より動き始めていたFC1号店は第一次緊急事態宣言発令とOPEN時期が重なり、プレオープンから全くお客さんが来ない。という状況でした。。。

当然、立ち上げ当初のベンチャー企業ですから手元の資金も潤沢では無く、当時のCFOには「4ヶ月後にはキャッシュアウトします。」のような胃が痛くなるような内容を聞かされながら運営していきました。それに組織体制はグチャグチャ。「社内規定」「マニュアル」「評価制度」などのような内部統制に関するものは一切なく、社員の目線もバラバラ。各々の意思主張が高く、悲惨な状況でした。コロナ関係なく社内状況だけでもズタボロな状況にコロナが追い討ちをかけてきた為、とにかくキツかった。。。

2020年の後半に差しかかるにつれて、私の身体もだいぶやられていました。毎日夢にうなされ朝起きた時は心拍数の速さで目が覚めます。あまりにも動悸が続く為、病院に診察に行くと心筋攣縮が起きており身体の不調は1年以上続きました。今だから言える情けない話です。。笑

病は気から。と言いますが、個人的にメンタルは大丈夫だと思っていても体は正直に反応するので、無意識に追い込まれていたんだと思います。。そんな状況の日々でした。

社長としての人間力の低さが全ての結果を生み出す

とはいえ、コロナの影響を逆手に企業価値を伸ばした会社は数多くあり、コロナ後の業績悪化がコロナのせいだとは全く思っていません。コロナが来なくても当時の社内の状況では、会社の成長は望めなかったのは必然です。

しかし、当時の私の心境としては・・・・

「これは一気に社会の構図がひっくり返る。自分たちの時代が到来する大チャンス」

とワクワクしていました。逆に、この世代交代する若手の中にどうにかして入り込みたい!!という思いが強かった為プレッシャーを感じていたんだと思います。

私個人として経営の楽しさは、儲かる時に楽しいというより、厳しい状況を攻略する方が楽しいと思っていて、「コロナの状況下でまず生き残る」「そして種を植えて期を待つ」という事をゲーム感覚で楽しんでいました。最初から経営は常にイレギュラーの連続だと思って経営しているので、首の皮一枚でここまで生存できています。

コロナ禍で行った事

まず初めに、この状況下で社会が望んでいる意思決定とは何か??と常に考えていました。

社会的にかなり敬遠されたフィットネスクラブは、実際運営をしている直営店舗の会員の方から厳しい声や要望がありました。会員の方の意見は皆さん違います、その中で最も母数の多いであろう意見を推測し、納得できる判断を行う必要がありました。

コロナが日本に到来した2020年1月の後半時点では自分の中で既に意思決定できていた事が2つあり、その経営判断は今振り返ればとてもいい判断ができていました。

1:会員の方及び社員がコロナに感染した場合は、すぐにその事実を公に公表し代表である私が誠意を持って謝罪を行う。

2:高知県(直営店舗運営の県)で感染者が出た時点で休業措置を2ヶ月間行い会費は全て返納。オンラインの動画コンテンツ作成にピポットしコロナ禍が過ぎたとしても会員の方に戻ってきてもらえる取り組みを行う。

という2つの意思決定です。

この2つの意思決定の理由は、当時の地方で感染者が出たときの県民の反応は度を超えて酷い状況でした。コロナ初期で感染された方はあまりにも周りから追い込まれ自殺した方もいらっしゃいますし、逃げるように引っ越しした方も多いと聞いていたような状況でした。その中でできる限り運営を行う。しかし感染リスクが高く成ったらすぐ閉める。

社会的にそのような判断が最も評価されるだろう。と予測し、準備していました。毎日、感染者が出た時の謝罪の言葉なども頭の中でイメージする日々でした。

結果として、2の高知県下で感染者が出たらすぐ休業を行いました。

この迅速な判断がとても良かったです。2ヶ月間の休業で2ヶ月分の売上は0。人件費や地代家賃など大きな赤字が確定してしまう辛い意思決定ですが、会員の方からは逆に

「まだ若いのに、どこよりも早く休業の措置をとって素晴らしい。」

と称賛の声を頂きました。当時の休業の意思決定のスピードはフィットネス業界でも最速に近かったですし、運営する四万十市においてはまだ「休業」というカードがないような状況でしたので、評価が高かった。

休業明けもお客様一人一人の声を尊重し、その人の意思に合わせて休会制度も対応しました。


業界の明暗を分けた意思決定の差

結果として、コロナ前よりは会員の方の退会率は上がりましたが、コロナ禍においても平均すると月次の退会率は5%程度。大ダメージとまではいきませんでした。

現在直営店舗はコロナ前の会員数を上回り、毎月純増傾向。これからもどんどん伸びていく傾向です。


そんな中、目先の売上を切れずに休業措置が遅れた大手フィットネスクラブは軒並み退会者が続出し、連日のようにTwitterなどで批判の声が相次いでいました。大手クラブの決算書を見ても売上規模でも30%以上減。当時の負債をずっと抱えたままコロナ前の水準には戻れず、閉店ラッシュが今でも続いています。

個人的にこの一件で学べた事は、どこよりも早く代表である人間が意思決定を行い全責任を負う覚悟が経営者に求められる事。

もし当時の社会が望んでいる判断を大手クラブも迅速に対応できたのであれば、、大手クラブもコロナ前の水準もしくはそれ以上の規模に回復していたと思います。当時の大手クラブの判断は既存会員の声よりも株主に配慮された意思決定が多く、コロナ禍で会費の値上げ、コロナ禍でも店舗でしか退会できない。退会時に違約金発生。など、間違えた判断ばかりだったと思います。


この一件に、ベンチャー企業の勝ち筋があります。資本力、組織力は低くても、どこよりも早く、そしてどこよりも大胆な意思決定こそ我々弱小企業の勝ち筋があるんだと学びを得ました。



と。かっこつけているものの、2期目と3期目の2年間で自分の経営判断が良かったと思ったのはこの件だけです。笑

では次回の記事でズタボロの2年間を語りたいと思います。


続編はこちら

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