禁忌》 ハイスペ婚を推奨するアドバイザーが男性と一緒に高収入女性を叩くメカニズムを紐解く
はじめに
「婚活女性はモテを磨いてハイスペに選ばれる女になりましょう」とハイスペ婚を推奨しながら、高収入女性のハイスペ希望は絶対的に叩く状況に出くわすことがあります。
ハイスペ婚をお薦めしながら、同時に、高収入女性は叩く ——
高収入女性の希望は、同格希望で、それは世間的なハイスペ希望です。
今回は、この、ダブルスタンダードに感じる状況について、これが起きる背景がどうなっているのかを読み解きながら、婚活の世界をより深ぼっていきたいと思います。
それではまずは、背景を読み解くために、主張を改めて見てみましょう。
ハイスペ婚を推奨する「選ばれる女になる」系アドバイスの概略
おそらく令和の高収入女性にはすんなり響きにくい内容かと思います。令和の高収入女性は、おおよそこう感じるのではないでしょうか。
絶妙な視点の違いを感じますね。
実は、「選ばれる女になる」系アドバイザーにとって、高収入女性は会員対象でなく、いろんな人のいる婚活の世界で、高収入女性だけは排除した世界観でアドバイスするために、細かい違いが出てきているのですが、この視点の違いの理由を明確にするため、もっと具体的に主張を解剖していきましょう。
誰向けで誰視点のアドバイスなのか具体的に明確にしていきましょう
◎少なくとも高収入女性をターゲットにはしていない
◎男性視点である
◎発信対象は女性
◎共家事共育児意識は低い
◎年収600万からを一律ハイスペと呼ぶ
細かく見えてくることを、あるだけ挙げてみました。
文脈を浮き彫りにしていくことで、細かい意図が読み取れてきましたね。
年収600万以上を望む低収入普通収入女性に向けて、男性視点で発信されていることがわかります。そして、婚活アドバイザーのビジネス的な都合やアドバイザー自身の恋愛観のみで婚活を捉えている視点も垣間見えてくるでしょう。
それではここで、
最初の主張をもっとわかりやすく、数値をはめ込んで言語化しましょう
女性向けのアドバイザーという装いをしていますが、女性に寄り添っているわけではなく、実は、平均的な婚活男性の視点で、男性に合わせた女性向けのアドバイスをしているんです。
だから、「年収600万以上のハイスペ男性に選ばれるには」という視点になっているんですね。
「選ばれる女になる」系アドバイスの解釈まとめ
「選ばれる女になる」系アドバイスを細かく解剖できたかと思います。少しまとめましょう。
◯高収入女性は眼中にない
◯アラサー以下の低収入普通収入女性に向けて、イージーモードな婚活のお手伝いをしている
◯経済が不安定になっても、年収600万からを一律ハイスペと呼びたい(実はこれは…あくまで表向きの話)
◯年齢や年収差ありきの昭和的な夫婦像を理想としている(エイジズムと年収至上主義の形態)
ハイスペ婚を推奨するアドバイザーの主張を細かく解剖できたところで、ここから先は、
"このアドバイスが市場にもたらしている弊害とビジネス的作為"
について、さらに深ぼっていきます。
◯そもそも年収600万をハイスペ呼びして良いのか?
◯アドバイザーは表向きと裏向きを使い分けている
◯年齢関係なくハイスペ呼びすることで出ている弊害
◯成婚しない人も含めた婚活民全体の平均を使用した論説は意味があるのか?
◯アドバイザーは高収入女性に対してのみ、表向きでも裏向きでも媚を売る必要がない
◯イージーな環境下でビジネスを展開するために…
◯自身のビジネスモデルに存在しなくて良い高収入女性にはマイナスがあって構わない
◯仮想敵を作り悪者をひとり立てるとマッチポンプで盛り上がる
それでは、
ハイスペ婚を推奨するアドバイザーが男性と一緒に高収入女性を叩くメカニズムを、紐解いていきましょう!
そもそも、年収600万はハイスペと呼んで良いのでしょうか?
この手のアドバイスは「年収600万以上の男性をハイスペと呼ぶ」が大前提となりますが…
(「年収600万以上の男性をハイスペ」とするから、全ての婚活女性が高望みに該当しますし、ハイスペと認識しない高収入女性が邪魔になるわけなのですが)
年収600万は、実情ハイスペと呼んでよいのか?
しっぽが思うに、答えは否です。
正確には年齢にもよるところですが、このアドバイスを言う婚活アドバイザーが男性の年齢には言及しないので、年齢に関して触れずにリアルな生活のみでみていきましょう。
◎年収600万の暮らしというのは、年収500万と大差ない
1Kではなく1LDKの部屋に住めるくらいで、そのほか生活上の出費で贅沢はできません。そして何より、都内など主要都市において、人1人養える額ではありません。共働き必須の収入で、それを「ハイスペ」と呼ぶのは妥当ではありませんね。「頑張って働いている」これくらいの位置がリアルでしょう。
◎年収600万ある女性は、年収600万の生活が、実情ハイスペでもバリキャリでもないことをよくわかっている
そのため、若くない年収600万の男性をハイスペとは勿論認識しません。これが、600万をハイスペと思う男女や、一律年収600万あればハイスペとしたいアドバイザーからは、傲慢で高望みで都合が悪くやりづらいと捉えられるわけですが、ただただ、ハイスペとは呼ばないというのが現実なのです。
ハイスペ呼びの線引きラインが、年齢をぼやかされ、実情に比べて低く設定されていることが、この手のアドバイザーの言う事がそれなりに稼いでいる女性やミドサー以降の女性にとって、的外れに感じる一番の原因なのだと思われます。
◎なんなら、年収600万を一律ハイスペと呼ぶことで、市場に弊害が出ている
この「年収600万以上の男性をハイスペと呼ぶ」ことを間に受けて、自分はハイスペであると本気で思う男性や、だから家事育児はしなくて良いとナチュラルに考える男性、自分が受託できない原因は高望みな婚活女性にあると考える男性など(年齢が高くなるほど実情ハイスペでなくなるので増える)を生み出している様は、かなり弊害的な良くない現象だと思います。
この弊害についても、共家事共育児必須である多くの高収入女性は気づいています。一律年収600万あればハイスペとしたいアドバイザーにとって、ますます、自身のサポートには治らない邪魔な存在になってくるのがわかるでしょう。
成婚しない人も含めた婚活民全体の平均を使用した論説は意味があるのでしょうか?
この「選ばれる女になる」系アドバイスですが、婚活男性全体を平均化したものを主軸に、婚活サポートをプラニングしているわけですが、婚活民全体のうち、成婚するのはわずか10%ほどなので、成婚しない90%の人々も含めて全体平均化した主張であるというのを忘れてはいけません。
成婚しない90%の人を含めた、婚活民全体から出している主張=90%は成婚しない人々の数字を元にした主張なので、つまり、ほぼ成婚しない人々の(に向けた)戯言と言えなくもないんです。
これは個人的にしっぽが思っていることですが…、この手のアドバイスが、どうも結局非モテの人向けで、人によっては非モテを助長させているだけと感じる理由がこれなのです。
◎弊害となっている層の男性が、婚活が中々うまくいかない様をよく目にしませんか?
人1人養える額ではない年収をハイスペだと誤認した男性が、フルタイム共働きを希望する女性に対して、家事も育児も多くを押し付けて良いと思っていれば、それはもちろん中々成婚できないでしょう。
「選ばれる女になる」系アドバイスでは、共家事共育児意識が低いので、そのアドバイス下で活動する女性会員を交渉できない不幸な状態にしてしまいます。
◎ 表向き(男性向け)と裏向き(女性会員用)で上手く言う事を使い分けている
ちなみに、表向き(男性向け)では年収600万からをハイスペとしておきながら、実際には年収900万から、はたまた1,000万以上を男性に求めて女性会員と活動しているパターンは多いにあるでしょう。家事育児を主張しない分、お相手の年収を高く見積もれる会員には、そのように動くはずです。(あくまでビジネスなので、サービスの価値を発揮するのは当然の責務です)上手くやっているんです。
◎エイジズムを持つ相談所が年収の力を手放すわけがない
婚活市場に、昔の価値観を固定させているのは、この婚活アドバイザーでもあるわけです。
表向き(男性向け)と裏向き(女性会員用)で上手く言う事を使い分け、年齢至上主義と年収至上主義、どちらも残してサポートしていることでしょう。(最近、希望世帯年収の項目が追加され、すぐ消されましたが、このタイプの相談所が項目反対したでしょう)
この場合、サポート対象会員に、年齢が高くなりがちである高収入女性は勿論入りません。「選ばれる女になる」系アドバイザーは、高収入女性に対しては、表向きでも裏向きでも、媚を売る必要がないのです。
「選ばれる女になる」系アドバイスの "ビジネス的マジック" に注意したい
まず、年収1,000万ではなく年収600万からという、ちょっと低めの値をハイスペの線引きにしている点について、別の観点でも見てみましょう。
これは、年収600万からハイスペと呼んだ方が「うちの相談所の会員がハイスペ婚しました」と宣伝できる機会が増え、広告的がしやすくなるメリットがあります。
そして、年齢が高い人の多い高収入女性をターゲットから排除し、年齢の若い女性だけを対象とすることで、婚活サポート自体がイージーモードにもなり、アドバイザーとして仕事がしやすく好都合な環境を作れます。
◎イージーな環境下でビジネスを展開したい
「選ばれる女になる」系アドバイスをする相談所が、表と裏を使い分けた都合の良い年収解釈と、都合の悪い高収入女性を排除することで、イージーな環境作りをしてビジネスをしていることをよく覚えておきましょう。
ビジネスの形としては上手くできていますが、「選ばれる女になる」系アドバイザーは、環境維持の上で、邪魔であり・自身にとってはサポート対象外であり・サポート対象会員にとって話題の鴨になる高収入女性にマイナスをつけて情報発信してしまうのです。
◎アドバイザー自身の恋愛観に沿わない対象についてマイナスをつける
結婚観というより恋愛観とあえて言いましょう。この手のアドバイザーは、結婚というより恋愛に主軸を置いているためです。
本来、ハイスペ婚をお薦めするのであれば、高収入女性の同格希望=世間的にはハイスペ希望も該当するはずですが、そこは断固許しません。なぜなら、基本概念に、女性は下で男性は上、あくまで男女の立ち位置に差を設けた関係を理想としているからです。同じ位置でのハイスペ希望は、アドバイザーの恋愛観に沿わないのです。
この場合、自身に沿わなくても、形としてそれを望む男女もいるわけなので放置すれば良いのですが、ここで高収入女性をやっかんでいる一部の男性と一緒になって叩いてしまう婚活アドバイザーは、ビジネス人としてどうなのかと感じる点です。そもそも高収入女性をサポート対象外にしているにもかかわらず、サポート対象外について何か論じることも、ややおかしな行動なのでは?高収入女性をサポート対象としている相談所からしても迷惑な行為かと思います。
ただの情報マッチポンプを煽る発信者にも注意したい
また、別の視点で全体を見て大ざっぱにまとめてしまえば、「女性はハイスペ婚しよう!」と言いながら、「女性のハイスペ希望は高望みだ!」と批判している状況となります。これはある意味、ただのマッチポンプと言えるでしょう。発信者の利益のために、意図的に問題を大きくしている面もあるのです。
◎仮想敵を作り悪者をひとり立てると、話は盛り上がる
そこで悪者に立てられるのが高収入女性というわけです。高収入女性が気に食わない人は、男性にも女性にもアドバイザーにも多いです。「年齢が高くて魅力がないから」「俺たちの昇進の機会を奪っているから」「ビジネス的に邪魔だから」「収入が多くて妬ましい」など、皆の鬱憤の捌け口としてちょうど良い存在が高収入女性です。高収入女性の悪口が、やたらと仮想じみているのは、こういった背景もあるでしょう。
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ここまで、ハイスペ婚を推奨する「選ばれる女になる」系のアドバイスが、市場にもたらしている弊害とビジネス的作為について、くわしく記載してきました。
この形のサポートをする婚活アドバイザーの思考と、それに踊らされる男性会員も含めた、婚活の世界の、なんだが不味そうな部分が、見えてきたのではないでしょうか。
高収入女性が、そのどちらからも叩かれる理由も、併せて浮きあがってきたかと思います。
それでは最後に少しまとめましょう。
一部の婚活アドバイザーが男性と一緒に高収入女性を叩くメカニズム
◯「選ばれる女になる」系アドバイザーにとって、高収入女性は『そもそもサポート対象でない存在』『 "年収600万からハイスペ" を真っ向から否定する存在』『自身が作り出しているイージーなサポート環境を脅かす存在』でビジネスの邪魔になる
◯家事育児や奉仕的活動は女性をメインに、既得権益を従来通り維持したい男性にとって、高収入女性は『ハイスペという扱いを簡単に奪い去る存在』で気にいらない
◯マッチポンプで煽りたい情報発信者にとって、高収入女性は『最高の仮想敵』で良い的になる
さいごに
サポート対象の年齢制限をしているアドバイザーが、その年齢以上の婚活民に何か言うのはおかしな話だなと思います。
相談所婚活をしている方の参考になれば嬉しいです🍊
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