日本お米ばなし vol.6 栽培編「たまに見かける白っぽい米粒ってなに?」
Natural Farmingは、お米の専門家である「五ツ星お米マイスター」のいるお店です。
お米が大好きな私たちがお届けする【 日本お米ばなし】ぜひご覧ください。
日本お米ばなし vol.6 栽培編「たまに見かける白っぽい米粒ってなに?」
みなさんは、炊飯前の米粒を観察したことがあるでしょうか?
一般的に、普段炊飯器で炊いて食べるごはん(うるち米)は、透明感のある米粒をしています。もち米の場合は、米粒が白色です。
お米を炊くときに、たまに白っぽいスジが入っていたり、透明感のあるお米の中に白色のお米が混じっているときがあります。
今回は、この、うるち米でたまに見かける白っぽい米粒についてご紹介していきたいと思います。
稲も熱中症になる!?
実は、近年の地球温暖化により、夏になると日最高気温35℃以上の「猛暑日」が当たり前となっていますね。これは、稲にとっても過酷な暑さで、高温による生理障害を起こしてしまうことが増えてきました。
この高温による生理障害を「高温障害」と言いますが、稲の熱中症と考えればわかりやすいでしょうか。
白未熟粒(しろみじゅくりゅう)
白未熟粒とは米粒が白く濁った状態のことです。
通常、デンプンが正常に蓄積された粒は透明感のある外観となりますが、高温による生理障害でデンプンの蓄積が正常に行われず、米粒の内部に隙間が生じるために白く濁ったような外観になってしまいます。
胚乳内のデンプンは中心から腹部→背部→基部の順番で蓄積が進むとされており、どの時期に高温による障害が発生したかで、白濁する部位が異なるといわれています。
(1)整粒:通常の透明感のあるお米
(2)乳白粒:全体が白濁
(3)心白粒:中心部が白濁
(4)腹白粒:腹側が白濁
(5)背白粒:背側が白濁
ほかにもある稲の高温障害
不稔:籾の中にお米が実っていないカラの状態
胴割れ:米粒の内部にヒビが入った状態
まとめ
日本お米ばなし vol.6 栽培編「たまに見かける白っぽい米粒ってなに?」
こたえ:高温により生理障害が起こったお米
おわりに
見た目だけでなく、場合によっては、収量や外観品質を低下させる要因にもなる高温障害。最近では高温耐性品種も開発されています。
地球温暖化が加速する中、つくり手の方々は、地域や気候条件に合わせて品種を選択し、技術的な対策をしっかりと実施していくことで高温障害に負けない米作りをしています。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?