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【環境文学】心の旅

あの娘の街とも
お別れのとき
私は汽車に乗り込んで
思い出を振り返る

朝日の美しさ
美味しい食べ物
数々のあの娘の詩

そして夕日を
毎日のように
海に沈む夕日を
愛おしむように
見ていた
さざ波は遠いささやき

あの娘のお墓に手を合わせ
ありがとうの気持ちを
静かに祈る

汽車は幾重もの
山を越え
街を越えて
長い時間を駆け抜けて
車窓の景色が
私のふるさとになる

そんな
車窓から
飛行機雲が見えた
あの娘の空まで
繋がっているような

手を伸ばしても
届かない飛行機雲
せめて心は
空高く

車窓から飛行機雲を
ずっと見ていた

磐越西線の車窓

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