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【環境文学】御霊送り

夕日が沈む
お盆の終わり

手放すのが名残惜しい
その灯篭

川へ流した
たくさんの灯篭は
蛍の夢のように
水面に浮かんで
流れてく

夢のような夏
いつか
子供のころに遊んでくれた
あの人を懐かしむ

ゆるりゆるりと
灯篭は
川と山々の境まで
星になるまで流れてく

そして
灯篭が星になり
鎮魂の花火が上がるとき
祈ることは
あの人の安らかな旅立ち

星になった御霊を
見上げて夜風に涼んで
夏花火

会津若松市一箕町

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