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理論を超える「共感」

初めに

既に知っている人は多いと思いますが, 現在e-Educationという途上国に映像授業の提供/現地雇用の創出を行っているNPOでインターンシップをしています。ここの代表である三輪開人さん。
三輪さんの書籍「共感プレゼン」、そしてICC FUKUOKA 2017 カタパルトでグランプリとなり、Youtubeでミリオン再生されているプレゼンテーション、書籍に関しては読む前は正直言うとちょっと胡散臭そうだなと思っていました. (笑)すみません!! ちなみに動画も見る前です.
しかし, 本を読み, 実際にプレゼンをされた動画をみてみると,
この方の人を引き付ける力, スマートで論理的なプレゼンよりも, 心を鷲掴み くすぐってくれる自分の中でとても印象に残るプレゼンでした.
今回はそこで自分が感じたこと,
共感は時に理論をも凌駕するという結論を元に書いていきます.

3つの壁

もう先に学んだことを書いてしまいます。
書籍/動画を見て学んだことは「3つの壁」です。
(なんとなく分かっていながらも整理してみるとすっきりしました)

以下3つの壁を超える→印象に残るプレゼン
①無関心の壁 : プレゼン内容に全然興味がない, 自分と関連がないな.
②他人事の壁 : 
自分の生活とはかけ離れた出来事だな, 遠い世界のことだな.
③保留の壁 : 
今度気が向いたら何かアクション取ってみよう. 

書籍のなかでは, この3つの壁は「パブリックナラティブ」という、2008年の米国大統領選挙でオバマ大統領選挙参謀を務めた, 現ハーバード大講師のマーシャルガンツ博士が提唱した方法に基づいたもの。当時資金力/名声がそこまで十分でなかったオバマ氏の演説などに助言をし、初の黒人大統領にまでのし上げた。

①無関心の壁


最初の壁「無関心の壁」は言うまでもなく最重要です。読者の皆さんも自分の興味と異なる話題を10分以上聞くのは少し抵抗があると思います。
この壁を超えるには「私」の話をすること, 一旦内容はおいておいて, 自分がどんな人間であるか, そしてどんな「失敗」をしてきたか。
大人数の前でプレゼンをする人は、無条件に「恐らくすごい人なんだろう」という目で聞き手からは見られます。
そこで、一発目、実生活や今までの経験談を話すことによって「自分たちと似たような考え方している, 同じ人間なんだ」と無意識に親近感を持たせることができます。特に失敗談に関しては、「人は他人の不幸を好む」という考えを利用するというよりも、こんな人でも当たり前に失敗はするんだという共感部分でうまく働くと思います。「なんでやねん!」と聞き手が思わず心の中でつっこみたくなるような話だと最高ですね。
そして親近感を持たせることができたら、まあトピックは初めて聞くけどこの人自体はおもろそうだし聞こうかとなるわけです。
これで第一の壁は乗り越えました。

②他人事の壁

全くの他人に「自分」について興味を持ってもらうだけでもすごいことですが, せっかくなら内容についても持ち帰ってもらいたいですよね.
そこで現れるのがこの「他人事の壁」です。これはよく国際協力分野について語る時に起こりやすい事ですが、
正直、「アフリカの子供たちが~」「この国でのデモ活動が~」「アマゾンの森林が~」と言われても自分の生活とかけ離れたことのように思えて, ついつい関心が薄れてしまいます。
そこで、いかにこれは「私たち」の問題であるかを示すことが重要です。どうしても熱が入り持論を思いっきり伝えたくなるところですが、すこし抑えて、聞き手の方たちと自分が訴えかけたい事・問題の接点はどこなのか?その接点と自分の主張を何度も行き来することで, 聞き手に当事者意識を持たせながら自分の主張も伝えることができます。

実際に三輪さんのプレゼン動画のなかでも、この壁を超える工夫が複数ちりばめられていました。
・「バングラデシュにいったことあるかた?」
  →名前くらいしか知らなかった国に焦点をあてさせるような質問
   ついつい自分ってバングラについてどんだけ知ってるっけ?と考えて
   しまう
・「大学に行けたら幸せな人生が歩めるのか?」
  →日本でも同じ問題があることを認識. 国は違えど問題は同じ.
・「この会場に立てているのは~があったからです」
  →今この状況と過去のバングラデシュとの話が無意識に繋がるセリフ
(自分が勝手に感じたポイントなので間違っていたらすみません!!!).

③保留の壁

最後の大きな壁。実際に何かアクションを取ってもらうときにはここを超えなければなりません。
今度気が向いたら、暇なときに、とならないよう。
今、やってほしい事(第一ステップ)を明確に示しましょう。そして、それをやってくださいで終わるのではなく、「あなた」にやってほしい理由を明確に伝えましょう。そうすれば、「自分がやらなくてもだれかやるし」、「自分がやらなくても大して変わんないし」という選挙に行かない理由として上がりがちな考えを少しは減らすことができるのではないかと思います。
また、当然ですが相手のメリットを明確に伝えることも大切です。商品やサービスであれば分かりやすいですが、募金などとなるとそのメリットを明確に示すことはとても難しくなります。その場合には,マクロな視点でみること,
長期的な視点でみることを伝えることが大切です。

動画内では特に最後の方で、
バングラデシュが今事業拡大先(特にTech系)として熱いことを定量的に伝え,目の前にいる自分がその間のコネクションになれることを伝える. 
聞き手としては、即必要かは分からないが、まずこの人とコネクションを作っておいた方がいいなという考え方になる。
そういった大きな視点での価値を明確に提示していた気がします。

最後に

ここまで自分が本を読んで+動画を見て、勝手に思ったことをつらつらとかいてみました。
人によっては定量的な事実やファクトベースで語るプレゼンの方が好きという人もいます。当然感情に訴えかける部分理論的な部分どちらも不可欠だとおもいます。
ただ、多くの人にとって心に残る. トピックは興味なかったけどなんとなく印象に残っているプレゼンの大部分に必要な要素は, 感情に入り込む「共感」なのではないでしょうか。
「同情」ではなく、聞き手が自分ごとに置き換え考える。そんなプレゼンがいつかできたらいいものです。


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