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珈琲館 葡露灯

純喫茶に行きたい。

そう思った時に、長距離散歩と合わせて行くことにしました。
そして、相棒と初めて一緒に長距離散歩をした時に目指したお店です。

「葡露灯」
読めませんよね…
ぽろとう、と読むそうです。


お店の外観は大きな三角屋根のログハウス風で、落ち着いた雰囲気をしています。トアルコトラジャコーヒーを推しているらしく、お店の外に看板が置いてあります。私がトラジャコーヒーと初めて出会ったのは、この時でした。


いらっしゃい。

中に入ると、木製のイスとテーブル。
カウンターには白髪交じりの柔和なマスター。
カウンターのある手前のスペースと、レンガと暖炉のある少しドイツっぽい雰囲気の奥のスペースで部屋が分かれています。
かなり部屋の雰囲気が違うので、気分で座る場所を変えるのもいいと思いますよ。

初めて入った時は、どぎまぎしながら手前の部屋のテーブル席に着きました。奥の部屋も気になったんですけどね。
初、純喫茶。
私の中では、初めての純喫茶がここでよかったと思っています。

この日はそこそこ涼しかったのですが、散歩の最中日光に当たり続けてちょっと暑かったので、アイスコーヒーを頼みました。
一緒に、葡露灯の名物というツナサンドとチーズサンド、そしてレアチーズケーキも注文。


シンプルに、ほっこり

アイスコーヒーはノーマルなものでトアルコトラジャコーヒーでした。サンドセットを頼むと、スープが付いてくるようです。

サンドセットは、具を2枚の食パンで挟んで焼いたもので、対角線に2本切れ込みが入って4分割されていました。こんがり焦げ目がついて、ふわっと美味しかったです。

そしてパンの耳はというと、そこだけ切り取って焼いてくれたようですが、筒状になっており、硬めでカリカリとした触感でした。このタイプの耳は初めて見たので、どうやって焼いたのかわかりませんでした。
それでも、筒状になっている方がパンの耳は食べやすいので、とてもいいと思います。こういう風に焼けるサンドクッカーがあるのでしょうか? 

写真はありませんが、食後のデザートということで(メニューにはありませんでしたが)、ゆずジェラートまで出していただきました。スッキリとしたゆずの風味がいいですね。


幻の珈琲 トアルコトラジャ

トアルコトラジャという豆はこの時初めて聞いたのですが、頼んだコーヒーがトラジャコーヒーだったので飲むことができました。

味は酸味が強く苦みは少なめ、後味がふんわりしていました。酸っぱめですが、苦いのが苦手な人にはもしかしたら飲みやすいかもしれません。
どうやら、この味は高山地特徴のようで、深煎りに合うのだそうです。

ところで、幻の珈琲とありますが、何故幻なのでしょうか?

元々オランダ領であったインドネシアのトラジャ地域で栽培されたコーヒー豆で、高品質な為オランダ王室でも御用達になるほどでした。ちなみに、高山地と書きましたが、標高は1000m~1800m級だそうです。
しかし、第二次大戦が始まると栽培どころではなく農園は荒れ果ててしまい、トラジャコーヒーは死滅したと思われたため幻のコーヒーと呼ばれていたのです。
そして、このコーヒー豆は約40年の時を経て、日本人の情熱によって復活しました。産地への道作りや荒れ果てた農園を再生など、ゼロからのスタートだったそうです。さすが日本人、すごいです(日本人はこういった事業やライフラインの整備が得意なような気もしますが)。
しかし、やはりトラジャ地域でしか生産が難しく、生産量が少ないため、今でも幻のコーヒーと呼ばれているということです。


特別な味と空間

この記事を書くにあたりトラジャコーヒーについて調べたのですが、こんなに大変な歴史があるとは知らずにスイスイ飲んでしまったなぁと少し後悔しました…。

初めての純喫茶で飲んだ、初めての幻のコーヒー。味とお店の空間が相まって、私の中では特別なものとなりました。
やはりトラジャコーヒーはどこでも飲めるというものではなく、キーコーヒーのお店であれば取り扱いがあるようです。なので、行った先のお店にトラジャコーヒーがあれば、必ず注文することにしています。

また、初めての一杯はアイスでしたが、この時やっと、コーヒーはホットで飲むのが一番味が解ると実感しました。冷やすと少し味を感じにくくなると聞いたことがありましたが、まさにそんな感じでした。
なので、コーヒーはなるべくホットで飲むことにしています。

これが、私の初純喫茶体験のお話でした。

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