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眠りのための音楽

 グレン・グールド以外のピアニストが弾くバッハのゴールドベルク変奏曲のような、あるいは退屈なBGMのような、またあるいはただの電気のノイズのようなそんな音を聴きながら今日を終えようとしている。私は眠りにつくのが非常に遅いけど、いざ睡眠に入る時はそんな音と一体化したような気分になる。今日はスラムダンクの映画の主題歌か挿入歌かわからないけどその曲がナインインチネイルズのwishという曲のリフを丸々パクっていることに気づいたけどそんなことはどうでもいい。多分スラムダンクを観ている人の中でそんな事を指摘する人は誰もいないのだから。というわけで眠りのための音楽だ。音楽を聴きながら眠るという事はやはり意識をどこかに遠ざけたい心理からくるものと思う。毎日の生活で意識というものは常に外からの刺激とそれに対する感情などで侵食されており、まるまる自分の意識で埋められているわけではない。私はそういうものが煩わしくなってたまに夜中に大音量でハードな音楽をかけたりするがそれでも案外寝れるものである。たまに夢の中で知らぬ曲を聴くことがあり、夢の中の私はその曲をなんていい曲だと涙する。確かポール・マッカートニーか誰かが夢で曲を作曲したことがあるらしき事を言っていたことがあるけど、私には作曲の才能はまるでないので夢で聴いたのは多分どっかのヒット曲のパクリみたいなものなんだと思う。夢は結局記憶の粗雑な寄せ集めに過ぎず、新たな世界を見せるものでは決してない。ドラッグによるの幻覚もまた同じようなものだと聞く。しかしそうであっても眠ることと夢見る事は一種の自己解放であり、退屈な時間をショートカット出来る最も効率のいい方法だ。というわけでそろそろ眠る時だろう。こうして音楽を聴きながら駄文を書いているのは楽しいが、書いていたら夜が明けてしまう。今日はエリック・サティのヴェクサシオンを聴いて眠ることにしよう。

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