夏見

ただ穏やかな時間を感じたくて日々過ごしています。カメラ片手の散歩が好きです。モノクロフ…

夏見

ただ穏やかな時間を感じたくて日々過ごしています。カメラ片手の散歩が好きです。モノクロフィルムを現像している瞬間にカタルシスを感じてます。

記事一覧

夏ですね

夏見
3週間前
11

もうすぐ梅雨入りかなと思っていたのですが

 連日の見事な夕焼けこやけに心がその都度旅立ちます。  仕事から帰ってくると部屋の空気は熱風をともなっているのですが、網戸にするとその夕色まで暗い室内に入り込ん…

夏見
3週間前
9

あれはもうなつかしい

5月の風が一番好きなんだ  と、つぶやきつつ、あの日、湖となった水田のほとりで私は窓を全開にした車と新緑を遊ばせていた。6月に入るとすぐに空はくすみ、雨ばかりが…

夏見
1か月前
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子どもの頃、白い雲と鉄塔を見上げた俺は、それをどこまでも辿って行きたかったよ

夏見
1か月前
16

水田の目覚め

夏見
1か月前
18

夏かしい潮風がくすぐる頬を

夏への扉を探す理由があるとしたならば それはどのような時なのでしょうか?  私は一番好きな季節である夏をいつもいつも探しています。  夏雲が流れる音が聞こえてく…

夏見
1か月前
18

定点の白昼夢

半径1キロ少々の空間に封じ込められた さまざまな事象を同時に定点観測できたとしたならば、それはどんな群像劇として私の網膜に記憶されるのでしょうか。喜劇たる狂言で…

夏見
1か月前
21

夏汐に逢いたくて

夏になると海のにおいが恋しくなります。  潮が「朝」のもので、汐が「夕」のものだと先日知りました。なるほど、文字ってすごいなあ。  私は朝の海も、ゆうやけこや…

夏見
2か月前
21

夕桜、おぼろ揺蕩う

夏見
2か月前
18

荒野を夢見たことはありますか?

耕作地を大きくカーブした道の向こうには、 そこにはただただ「コウヤ」が広がっているようでした。それは西部劇で見るような広大にして荒涼とした空間ではありませんでし…

夏見
4か月前
23

記憶にあるはずが無い懐かしい風景を

あてもなくドライブする目的があるとするならば  それは、夏かしい風景を探しているからなのかもしれません。私の記憶にあるはずのない風景。それでも心にはある風景。 …

夏見
4か月前
27

初夏の人工湖にはペリドットと夏の予感

早苗は日の光の中、ペリドットのように透明だった  向こうには、新幹線の高架橋が見えていました。  この時期、水田の里には、人工の湖が出現します。その水面の煌めき…

夏見
4か月前
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それに僕の目はとらわれた。ただそれだけのこと。

夏見
4か月前
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+2

交差する光影

夏見
4か月前
25

さくら通りで逢いましょう

去年の桜は風のように頬を撫でてゆきました  ことしもここで逢いましょう。 camera:PENTAX 645Nii film:FUJICOLOR PRO400H

夏見
5か月前
24

海の色って、どうやって伝えましょうか?

モノクロフィルムで海を見る  カラーフィルムで撮れば、いいではないか。とは、言わないでください。それで物語は、終わってしまうのですから。  スマートフォンやデジ…

夏見
5か月前
25

夏ですね

もうすぐ梅雨入りかなと思っていたのですが

 連日の見事な夕焼けこやけに心がその都度旅立ちます。  仕事から帰ってくると部屋の空気は熱風をともなっているのですが、網戸にするとその夕色まで暗い室内に入り込んでくるようで、ついついシャッターボタンを押してしまいます。  そして時折行き交う鳥の羽音が何かの変化を暗示しているようでドキドキしてくるのでした。

あれはもうなつかしい

5月の風が一番好きなんだ  と、つぶやきつつ、あの日、湖となった水田のほとりで私は窓を全開にした車と新緑を遊ばせていた。6月に入るとすぐに空はくすみ、雨ばかりが降っている。  なので1週間前にもかかわらず、あの風はもう私の中で懐かしいものとなっていた。  時間の流れは絶え間なく、留まることを許してはくれない。その一瞬がどれほど心地のよいものだったとしても。  しかし風の流れと香りは飛翔しながらも私をたぶん待ってくれている。そして定着させた5月の光の痕跡フィルムは、今日

子どもの頃、白い雲と鉄塔を見上げた俺は、それをどこまでも辿って行きたかったよ

水田の目覚め

夏かしい潮風がくすぐる頬を

夏への扉を探す理由があるとしたならば それはどのような時なのでしょうか?  私は一番好きな季節である夏をいつもいつも探しています。  夏雲が流れる音が聞こえてくるような気がしました。それはただの風音だったのかもしれませんし、もしかしたら波の音だったのかもしれません。それでも私には雲の流れる音に聞こえましたし、それは即ち光が流れる音でした。  夏が来ると直感したのはその後です。音は光となり、光は私のまなことフィルムに確かに定着されたのですから。  それでも私は今も、それで

定点の白昼夢

半径1キロ少々の空間に封じ込められた さまざまな事象を同時に定点観測できたとしたならば、それはどんな群像劇として私の網膜に記憶されるのでしょうか。喜劇たる狂言でしょうか? それとも悲劇たる能なのでしょうか?  そのようなことはありえないのですが、半径1キロ以内の空間、前後1時間以内の時間が刻み込まれた36枚を内包した1本のモノクロフィルムを俯瞰して見た時、それは白昼夢として私の脳内に再記録されるのでした。  村田和人の「一本の音楽」ではないですが、1本のフィルムが私にそう

夏汐に逢いたくて

夏になると海のにおいが恋しくなります。  潮が「朝」のもので、汐が「夕」のものだと先日知りました。なるほど、文字ってすごいなあ。  私は朝の海も、ゆうやけこやけな海も好きですが、遅い昼の海も好きなのです。でもこれって汐・・・ってコト!?  違いますよね、通常は1日2回の高潮と低潮があるそうなので。
 汐までもう少し待てば良かったですね。でもその前にタイムオーバー。遅い昼の海を散歩して、数回シャッターを押して、私は後ろ髪をひかれつつ帰路につくのでした。 Fantôm

夕桜、おぼろ揺蕩う

荒野を夢見たことはありますか?

耕作地を大きくカーブした道の向こうには、 そこにはただただ「コウヤ」が広がっているようでした。それは西部劇で見るような広大にして荒涼とした空間ではありませんでしたが、荒野にして広野と呼ぶには十分に思えます。  どうやら昔は田畑だったのではあるまいか? と、私は独りごちました。タバコを吸うことはありませんが、タバコをふかしたい気分に襲われます。もちろん心の中でふかしただけで、肺には煙を入れないチキンです。  荒野を前にして味わう、この孤独感がたまらないのかもしれません。私は

記憶にあるはずが無い懐かしい風景を

あてもなくドライブする目的があるとするならば  それは、夏かしい風景を探しているからなのかもしれません。私の記憶にあるはずのない風景。それでも心にはある風景。  記憶にない風景とは、忘れているということではありません。いままで一度も経験したことが無いであろうということです。  それでも心にはあるのです。あの夏かしい懐かしい風景は。おそらく口伝を聞くことで、もしくは小説や映画を観ることで、あるいは前世や来世の記憶なのかもしれません。  兎に角、私は、それらの風景を探

初夏の人工湖にはペリドットと夏の予感

早苗は日の光の中、ペリドットのように透明だった  向こうには、新幹線の高架橋が見えていました。  この時期、水田の里には、人工の湖が出現します。その水面の煌めきに魅了されて、貴方が近づいたとしたならば、今度はそこに可愛らしい萌黄色の早苗たちを発見することになるでしょう。 ※このnoteは他ブログに令和5年5月12日投稿した記事の転載です。現在他ブログから記事を移送作業中なので、タイムリーではありません。 はやくの夏の到来を祈願して・・・  新幹線からも見えるでしょう

+3

それに僕の目はとらわれた。ただそれだけのこと。

+3

交差する光影

さくら通りで逢いましょう

去年の桜は風のように頬を撫でてゆきました  ことしもここで逢いましょう。 camera:PENTAX 645Nii film:FUJICOLOR PRO400H

海の色って、どうやって伝えましょうか?

モノクロフィルムで海を見る  カラーフィルムで撮れば、いいではないか。とは、言わないでください。それで物語は、終わってしまうのですから。  スマートフォンやデジタルカメラで撮って加工したら、いいではないか。とも、言わないでください。白黒フィルムを自分で現像している時間が、ただ好きなのです。  じぶんでもよくはわからず、私は、だれかにこの海の色をおしえてあげたいのに、今日も黒白フィルムで海を撮っています。  でもそれは、多分、可能なことなのです。なぜなら、  ひとは、文字