私とアンドロイド9
帰り道に困りそうだ。
穂乃果はスマホの電池を確認した。大丈夫。まだ50パーセントもある。
グーグルマップがあって良かったあ、と思った。
ドキドキ。
その男はチラっと振り返った。
いや、私を見た。
私を見た!!!
気のせいかな。
もしかしたら、この男は私に気づいているのだろうか。
でもさっきと同じようにして歩いている。
ということは、このまま尾行し続けて良いのだろうか。。
あ。
彼はアパートの前で立ち止まった。
ちらっ
またこっちを見た。
思わず立ち止まる私。
男は私を見ると、
「・・・何?」
といって首を傾げた。
「いや、私、気になってて。」
「あなたのことが。」
と穂乃果は言った。
その場で出てきた言葉。
本当のこと。
「・・・。」
男は黙った。
そして口を開いて出たのは思いがけない言葉だった。
「うち、くる?」
え。
穂乃果は戸惑った。
まさかそんなこと言われるとは思っていなかった。
でも、初対面で、男の人の家に行くというのはそういうこと、、、
警戒しなければいけない。
分かっている。
しかし、本当のことをいうと、穂乃果は嬉しかった。
アンドロイドの部屋に入れる。
それだけ穂乃果はアンドロイド男に惹かれていたのだ。
マキちゃんの心配そうな顔が頭に浮かんだ。
ごめん、私。いますごくワクワクしてる。
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