私がデザイナーという職業を選んだ理由

まるで会社の面接で志望動機を聞くようなタイトルだけど、
実際に会社の面接で「なぜデザイナーになろうと思ったのですか?」
なんて多分過去の面接で聞かれたことはなかったな。
でも、その理由を正直に一言で言ったら
きっと誰にもあまり理解してもらえないだろう。

私がデザイナーという職業を選んだ理由。
それは、「離婚する家庭を減らしたかったから」
もしくは「自分のように幼い頃に片親家庭で
苦労する子供を減らしたかったから」

全くもって「かっこいいから」とか「アートが好きで」とかいう
理由で選んだわけじゃない。
だから、色々と一般的なデザイナーさんとは温度差があるかもしれない。

でも、何となく中学生の頃から訳も分からず、
将来の夢の欄に広告代理店と書いていた記憶はある。
数年後、確かに広告代理店のDTP制作課から
キャリアを始めることになったのだけど、
中学生の私に将来の夢の欄に「広告代理店」と書かせたのは
TVCMがきっかけだった。

NTTのCMで松たか子が坂を一人で歩いてたやつ。
もう、見つからないんだけど、
他のシリーズのはまだYoutubeで見ることができる。
【いいなCM NTT 吉岡秀隆/松たか子 2本立て】

このコピーは「言えなかった言葉たちはどうしていますか?」
だけど、坂を歩いてたCMは「誰に伝えますか?」的な
コピーだった気がする。
自分の身に起きたことを誰かに伝えようがなく、
でも理解者が必要だった私にとても響いたCMだった。
今、台湾の企業で100%台湾人の同僚に囲まれると、

状況は違えど、似たような葛藤がある訳だ。

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だから、今年の初めにこの本に惹かれて、
見ているだけで癒されたんだな。

そう。ずっと「離婚する家庭を減らしたかったから」なんて理由で
デザイナー始めて、どうやってそれをデザインで実行できるのか、
さっぱり具体策がなかったけど。
最近はむしろ大人になったし、大人の事情もわかるので、
離婚も別に当人にとっても子供にとっても悪くないと思ってる。
むしろ、離婚しようがしまいが、
それぞれが幸せに自分の人生を生きていればいいわけだ。

ワークライフバランスが流行りだした頃には、
コンサル会社のデザイナーになって、
会社で過労になって家庭が壊れないように、
なんて思ってたけど、
そこでデザインが寄与できることなんて微々たるものだろう。

でも今は台湾の電子機器メーカーの社内グラフィックデザイナー。
全くオシャレ感もハイセンスな感じもないけど、
今のこの状況にとても感謝してる。
なにせ私の愛読書であり、デザインの道を志したきっかけの
2冊「元素生活」と「虹を操る少年」への理解が
より深められると思ったから。

つくづく、デザイナーっぽくないな(苦笑)。

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