見出し画像

他業界からの転職に不安はなかったって本当?製鉄・プラント・メタン研究から転職したメンバーに聞いてみた:前編

こんにちは、インターステラテクノロジズ(IST)広報チームです!

今回のnoteの企画は、広報チームがずっとやってみたいと思っていた「中途メンバーにみんなが気になることをきいてみた!」というもの。

座談会や説明会などの採用イベントをする中でよくきかれるのが
「ロケット業界じゃない自分でも活躍できますか?」
「宇宙系ベンチャーに入ることに不安はなかったですか?」

という質問。

しかし実は、ISTメンバーを見ると航空宇宙業界から転職した人はほんの僅かで、プラント・自動車・船舶・電機メーカーなど他の業界から集まってきたメンバーがほとんどです。(意外!と驚かれます)

「みんな同じような不安はなかったのかな?これはもう中途入社のメンバーに直接聞いてみよう!」と思い立ち、座談会を行うこととなりました。

きっとこれは航空宇宙業界に興味がある人、ものづくりが好きで転職を考えている人、そしてISTに興味がある人の背中を押す記事になることを信じて、IST社員座談会と題して、転職で中途入社した社員3名から聞いたリアルな声を前後編に分けてお届けします!

製鉄、プラント、国の研究機関・・・実は他業界からの転職メンバーがほとんどのIST

広報
まず、それぞれ前職でどのような仕事をやってたのか、IST入社のタイミングを教えて下さい!

干場
僕は2回転職をしていて、1社目では水処理プラントの設計、2社目では次世代空調システムの開発をしていました。
最初の会社は300人くらい、二社目は全部合わせたら500人くらいの規模ですね。
ISTの入社は2020年1月からですが、Slack(ISTが社内用に使っているビジネスチャット)に参加したのは2019年の8月くらいなので実はもう半年くらい社内にはいる気分です(笑)MOMO4号機打上げの1ヶ月くらい前のタイミングで、堀江さんのTwitterを見て応募しました。

画像1

【干場康行(ほしば・やすゆき)】
1986年生まれ。石川県白山市出身。2010年金沢工業大学大学院機械工学専攻修了。熱工学研究室にて低温度差熱交換器の研究を行った。卒業後、排水処理プラントや次世代空調システムの開発を行う。その傍らで半年程度、お手伝いとしてISTの実験設備づくりに参加。2020年インターステラテクノロジズ株式会社に入社する。地上設備エンジニアとして、超小型人工衛星の軌道投入ロケットZERO実験設備の設計や施工管理・ZERO用射場の企画・渉外・設計を行っている。


森田
僕も2社目ですね。
1社目は国の研究機関で4年間、メタンハイドレートの生産技術開発に関する研究をしてました。時には「ちきゅう」という地球深部探査船に1か月乗って、海でボーリングして底から出てくる堆積物を高圧容器に詰める作業をしてました。
そのあとはフラッシュメモリを作る企業の、流体の生産技術関係に2年弱いました。11,000人くらいの規模の会社なので、ISTよりずっと大きい会社ですね。

iOS の画像 (10)

【森田洋充(もりた・ひろみつ)】
1985年生まれ。熊本県八代市出身。2014年鹿児島大学大学院物質生産科学専攻(博士後期課程)修了。熱流体研究室にて溶射ノズル内の超音速流れの研究を行った。卒業後、産総研にてメタンハイドレート生産技術に関する管内気液二相流の研究や、半導体メーカーでの流体に関する生産技術の研究開発を行う。2020年インターステラテクノロジズ株式会社に入社する。推進エンジニアとして、各試験計画の作成や経済産業省委託案件を担当。


広報
森田さんはISTに入ることを半年くらい悩んでたって言ってましたよね。
どんなことが気になっていたんですか?

森田
もともと僕がやりたかったのは滑走路から離陸してそのまま宇宙に行くようなスペースプレーンだったので、他のベンチャー企業と比較して悩んでました。
でも、MOMO3号機が打ち上がったのを見て、いっぱいベンチャーはあるけど、実際にガンガン打上げたり実験してたりと研究開発が進んでいるところってISTくらいだなと思ったんです。
あとはビジネスモデルが一番ちゃんとしてるなって思いました。

広報
なるほどなるほど。では、次は斉藤さん、お願いします!

斉藤
私は前職は2年間製鉄会社に勤めてました。全部で4万人規模の会社ですね。
そこで製鉄所の生産設備の機械の更新や機械保全の部門の管理をやってました。

広報
斉藤さんはなんで転職しようって思ったんですか?

斉藤
体調を崩したり、今考えみたら全然仕事を楽しめてなかったんですよね。
私は大学の研究室がロケット関係だったんですけど、地元の札幌に帰ったときに、昔読んでいたビッグバン宇宙論の本を読んで「やっぱ宇宙やるかな!」って思って会社を辞めました。そして「やるならやっぱ核融合推進だろ!」と思い研究所に進学しようと一旦札幌に帰ってきたのですが、結局全く勉強しなかったので、「こりゃ進学はダメだな」と自覚して、じゃあ何か楽しく働けそうなことないかなと思ってコンビニバイトしたりしながらぶらぶらしてました。
そしたらたまたま2017年の7月、MOMO初号機の打上げのときに金井さん(MOMO2号機プロジェクトマネージャ)にバイトで手伝いにこないかと声をかけてもらってからISTを手伝うようになり、2017年秋に入社しました。

iOS の画像 (9)

【斉藤竜也(さいとう・たつや)】
1990年生まれ。北海道札幌市出身。北海道大学大学院工学院機械宇宙工学専攻を2015年に修了。宇宙環境システム工学研究室にて衝突噴流場における固体燃料の燃焼について研究。卒業後、銑鋼一貫製鉄所の焼結鉱製造工場にて、生産設備の更新・保全、およびそれらの企画・管理業務を務めるも2年で退社。現在は、観測ロケットMOMO組立主担当と安全衛生担当を兼任。


「いつかロケットがやりたかった」という人には、絶好のチャンス

広報
皆さんそれぞれ航空宇宙とは違う業界から転職しているのが共通点ですよね。しかもISTよりも大きな企業から。いつかはロケットをやろうってチャンスを伺っていた感じ?

干場
僕は大学時代に航空宇宙系の研究室だったとかのバックグラウンドはないけど、でも昔から「最終的には宇宙開発をやりたい」と思ってました。
転職活動中も航空宇宙業界を受けたけど、門前払いでしたね。

森田
宇宙業界は大学時代から片足突っ込んでないと一般的な就活だと特に研究系などはかなり難しいですね。
ちょっとでも三菱重工やJAXAの研究に関わっていたて人じゃないと門前払いだと思います。

干場
そうそう、かなり狭き門だよね。でも、違う業界でも今やってる延長線上で力をつければチャンスがあるかなと思って、次世代空調開発をやってた。
結局空調は関係なかったけど、昔やってた水処理プラントに関する知識を元に今ISTに入ることができて、「ZERO」の実験設備づくりや、大樹町と一緒に大規模なロケット射場をつくる仕事をしています。
僕は募集要項を見ても自分とマッチするところがなかったんだけど、ダメ元で受けてみた。募集要項に自分と共通するポイントがなくて躊躇してる人は絶対いると思います。

広報
ああ、それあるかもしれない…。

森田
僕は学生のときは将来ロケットや航空機の研究開発ができるようにと想定して研究室を選んだんですよ。
JAXAも2回受けたけどダメで、結局宇宙業界には入れなかったんだけど、流体の研究者をやってたらいつかチャンスがあるかもと思って研究をずっとやり続けていましたね。
募集要項も推進系エンジニアの条件に「流体力学」という文字を見付けて。で、「出してみて、だめだったらいいや」という感じでえいや!と出した。
あとは入ってから分かったんですけど、ISTで重要とされてる「自分で考えて手を動かして」というのは前職の研究者の姿勢と通ずるところがあるかもなと。

干場
中途の人はほとんど「まずは連絡とらないことには何も始まらない!」って気持ちで転職活動するんじゃないかな?
自分はIST以外は考えてなかったので特に転職活動はしていなかったけど。

広報
たしかにそういう人多い!転職先で他にどこを考えているのか聞くと「他は見てないです」と。IST一本で受けてくれてるの本当にありがたいなって。
だから今の会社に不満があるというよりは、「いつか宇宙開発をやりたい」とか「ロケットをやりたい」ってずっと思ってる人がいて、そこに今新たな選択肢としてISTの門が開いてる感じなのかなって。

斉藤
じゃあドンピシャなんですね、そういう人たちにとっては。
新しい間口と言うか、宇宙業界への入門を作った感じですね。

画像4

他業界のスキルが意外と役に立つ

広報
他業界からの転職にあたって、自分の今までのスキルや経験が通用するのか、みたいな不安はなかったですか?

干場
うーん、ないですね。
水処理プラントの知識とか前職でやってきてたことは活きてるし・・・あと前職の会社ではあんまり使わなかったけど、英語をずっと勉強してたんですよ。
わからないことは日本語で調べても日本語の論文とか資料しか出てこないけれど、英語で調べたらリソースがもっと増えるんですよね。僕は、ロケット開発は初めてだし分からないことが多いので、Googleに出てくるやつはほとんど全部見ます。それでも見つからないことばかりだけど、そこらへんまで調べないと開発のヒントはないなって思ってる。

森田
僕はそのあたりの不安は全くなかったです。入ってからどうにでもなるだろうと(笑)
というか、どうにかしないといけない、と思った。

斉藤
私はもともと「私にできることだったらなんでもやりますよ」というスタンスで来たんですよね。今はロケットの実験や組み立てをやっているけれど、組み立ての専門的な教育を受けたわけでもないので。組み立ての仕事に関しては、学生時代の研究の記憶を頼りにやってますね。設計側との距離が近いので、設計メンバーも作業の技術的なハードルをできるだけ高くしないように気を遣ってくれているのもあると思います。

画像5

MOMO5号機の組立を行う斉藤さん

広報
斉藤さんは前職(製鉄会社)の知識で活きている点はありますか?

斉藤
前職のスキルでいうと、おおまかな仕事の流れがわかっているのは役に立ちましたね。
例えば、予算をとって、メーカーと交渉をして、詳細を詰めて、納入して・・・っていう基本の流れがあるじゃないですか。私がISTに来た直後は、大学から直接ISTに来たとか社会人経験がある人が少なくて、ビジネスマンとしての基本的な仕事のやり方が意外と活きてきました。

広報
社会人の基礎力みたいなものだよね。
私は斉藤さんが担当している安全衛生の話も、結構前職の経験が活きているのかなと思ってました。

斉藤
製鉄所は危ない工場だから安全衛生はすごく厳しかったので、それはありますね。
でもそれも、今のISTのフェーズで大企業と同じくらい厳しくしちゃうと、逆にベンチャーとしてのフットワークの軽さがなくなっちゃうから、ISTに一番良い塩梅のところがあると思ってやってます。
前職の知識や経験を基準にして、どこまで緩める・キツくするというのを頭の中でずっと考えてますね。

森田
僕は、研究職だったので、書類作成や論文の構図はずっとやっていたので、堅苦しい文章を作ることが、不本意なんですけど得意です(笑)
あとは「調べる力」。前職のときに論文とか沢山調べていたので。ただ、僕もロケット初心者だから・・・さっき入社のときの不安はないって言いましたけど、今はヒーヒー言いながら新しいことを覚えてます(笑)

画像6

森田
色々な経験が意外な形で活きたりするので、あんまり募集要項に囚われすぎなくてもよいと思います、まずは話してみないと分からないし、はじまらないから。
どれだけ自分には合うポイントがないと思ってても、それって自分から見た視点だけですからね。

広報
たしかに「こちらから見たら大アリです」ということはありますからね!募集要項を見て自分とマッチするところがないからと諦めないでどんどん連絡してほしいです。ISTの中でどういうことができそうか、一緒に考えていきたいですよね。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

前半でお話しするのはここまで!

いつか宇宙開発やロケットをやりたいと心の中で思っている方にとっては、ISTが新たな選択肢のひとつになるのではないでしょうか。
3名に共通しているのは、宇宙に対する情熱と「まずは連絡してみないと始まらない!」という思い切りの良さや前向きさ。他の業界から転職してくるメンバーがほとんどのIST、自分は募集要項にあてはまらないと諦めるのではなく、気軽にご連絡いただけたらと思います!

後半はISTで働く醍醐味、キャリアアップの可能性、家族をどうやって説得して移住をしたかについて聞いてみましたのでこちらもぜひご覧ください!

また、ISTにご興味を持っていただいた方はこちらへ!

【IST採用サイト】

募集職種は以下、新卒採用、中途採用の両方を行っています!

<新卒採用>
「推進系エンジニア」
「電気・情報通信系エンジニア」
「熱・構造系エンジニア」
「メカトロニクス系エンジニア」

<中途採用>
「推進系エンジニア」
「電気・情報通信系エンジニア」
「熱・構造系エンジニア」
「メカトロニクス系エンジニア」
「打上げ機統合エンジニア」
「プロジェクト事務管理」
「機械加工技能者(勤務地は浦安工場)」

詳細は採用ページを御覧ください!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?