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今から友達と ランボルギーニ買ってくる 彼は国立大学1年生

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いつものノンフィクション


1     突然の電話

冬将軍真っ只中の12/14
今日、今ホントに起きてる話。

突然20年来の友達から電話が来て

『夏之介、今からランボルギーニ

  買いに行くから付き合って』


だとさ。

12月にしては寒すぎる雨の中で
かかって来る電話の内容にしちゃ
サイコーにおっかしれえだろ?


彼の名前は『コバ』

とある関東の地方都市に暮らす、
車と受験と地元メシをこよなく愛する44歳。


あだ名の由来はよく分からないけど、
小林って名前じゃ無いことは確か。


代々の農家の家の生まれとか、
ガキの頃納屋のコンバインで遊んでたとか、
あだ名の由来なんて多分そんなところだと思う。


ヤツの何が凄いかって、
20年前から医師目指して20浪してるっていう、
俺の友達の中でもブッチギリで
ぶっ飛んだ頭の持ち主。


それも巷にたまに居る、
仕事しながら毎年記念受験、
なんてお気楽で中途半端なヤツじゃないからね。


ガチのヤツ


でも20浪するなんて、
全然勉強出来ないって事でしょ?
って思ったでしょ?

常識的に言って。


いや全然違う。分かってないね。


ヤツは俺が知る限りサイコーに頭の回転が早くて、
強靭なメンタルを持った男。


ただ、
ここ20年の受験の仕組みが彼に合ってなかった、
追いついてなかっただけ、
って話さ。


もちろん周りの常識的な大人達は
彼の浪人生活を応援するはずもなく、

『ちゃんと仕事しろ』
『もうやめた方が良い』
『諦めろ』
『ふざけんな』

辞めろ止めろヤメロのオンパレード

10年過ぎた頃には、
もうアカの他人たちは何も言わなくなってたよ。


ところがこの20年間、
ヤツは周りがなんと言おうと
メゲたことなんか一度もないし、
弱音なんて一度も聞いたことがない。


地元の公務員だった両親の応援の元、
ずっと頑張り続けたわけだ。


え?


公務員の両親だったら尚更全力で止めるんじゃ???
って思うだろ?


常識的に言って。


しかも別にお金持ちでも何でもない、
ごくごく普通の公務員の家庭。
ただ、代々の土地で東京じゃ有り得ない大きな家に住んでるけどね。

じゃなんで一見常識的な家庭の両親が、
20年間も浪人し続けた息子を
一度も見離さず応援し続けたか?


答えは簡単、

愛する息子が真剣に
『医者になりたい、ならなきゃ死なない』
って言うんだから。


要するにごくごく普通の親子、
って事さ。


常識的に言って。


2     出会い

俺との出会い?

大体20年前かそこら辺。

俺の死んだ親父がまだ麹町で毎日新聞系の
新聞社をやってて、
俺が編集の修行をしてた頃。

週100時間労働、3日完徹、
手取り20万。

流行りのブラック企業とか
労働基準とか鼻で笑っちゃうような
最高の青春時代を送ってた頃。


完徹し過ぎて俺もこの頃
少しだけ頭イカれてて、
でも酒もまだ覚えてないし
クスリは性に合わないし


毎月給料が出ると
土曜日の水道橋ウィンズに真っしぐら。

JRA第一レースから
給料全額ベット転がし
って言う脳汁ジャバジャバ出る遊びが唯一のプライベート時間。


ギャンブル詳しい人なら分かるよね?
そう、絶対に100パー負ける。


その後はどうにかこうにか0円で1ヶ月サバイバル生活。
二番町在住なのに風呂なし女なしお金なし。


もちろん1人の友達も居ない頃。


普通の友達が欲しかったんだろうね。
きっと。

常識的に言って


まあ、
出会ったキッカケは、
大して面白くないから
まあ良いやその辺は。


20代の俺のキラキラしたリア充話を
ダラダラしたってしょうがない。


なんせ令和3年、12/14
今日のコバは何やら更にぶっ飛んでて、
俺の人生の中でも、


大分おっかしれえ話になりそうだもんね。





3    大逆転


そんな俺の一番長い付き合いのコバが

今年の春。


なんだかんだあって、
20浪の末に某有名国立大学に合格。


受験の仕組みがやっとヤツに追いついてきたのかな?


皆んなが未だに有り難がってる東京の
例のトップオブザトップの所じゃないけどね。
あそこはまだまだ古い体質引きずってるし。


入ったところは医学部では無いけど、
途中編入可能な学部っての?

俺はストレートな中卒だから、
その辺の事情はよく分かんないけどさ。



で、
令和3年のヤツは
44歳にして初のキャンパスライフを謳歌してて、


地元のイッチバン偉い国立大学に入ったんだから、
近所の評判も手のひら返しで急上昇。


一回り以上年下の運命の彼女とも出会って、
毎日が楽しそう。



さて12月になって、
医学部編入の試験も控えてる事だし、


『よし、ランボルギーニでも買いに行くか、
    夏之介付き合ってよ』


って最初の電話に繋がるわけだ。


ココら辺で皆んな疑問だらけの事があるよね?

『お金はどうなってんの??』

って思うよね?


常識的に言って。

ただ俺的にはそんなのどうでも良くて、
コンバインがランボルギーニ買うって言ったら、
ああそうか、買うのね、付き合うよ。
ってなるよ。

そりゃそうだよね?
友達だもん。

常識的に言って。


理由だってあった時に聞けば良いや、
なんか思い立ったんだろう、きっと。


だから俺の友達のアーちゃんに
ランボルギーニ屋さん紹介してもらって、
これからコンバインといつものトコで落ち合って、

これからオッサン2人で
スーパーカーの買い物デートドライブして来るよ。


アーちゃんが何者かって?
もっと話長くなるから
それはまた今度話すよ。


とにかく令和3年の12/14
冬将軍に襲われて、霙混じりの今日、
多分東京中で一番楽しい遊びをしてるのは、


コバと俺なんじゃ無いかな?


常識的に言って。


続きはまた今度。





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