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【旅行記③】ドルトムントで仕事。WROを取材、たまに通訳。

さあ、この日からはいよいよビジネス。ドルトムントで行われるWRO(World Robot Olympiad)の取材+撮影です。

(出場する日本選手に直前インタビューをした記事がこちら)

初日は道に迷うのが怖かったのと、Uバーン(地下鉄)の治安が分からなかったこともあり、タクシーで会場に向かいました。

料金はUバーンが片道3€(約435円)、タクシーが14.5€(約2100円)で5倍くらい違いましたが、初回なので安全を買った感じです。

が、結論、なんならタクシーのほうが治安が悪かった……。

からかい目的のナンパをされるわ、「終わったら迎えに行くから時間教えて」としつこく言われるわ、急ブレーキ急アクセルで驚かせようとしてくるわ、急に爆音でパーティソングをかけるわで、地下鉄のほうがずっと落ち着ける環境でした。「Yeah I’m CRAZY driver, huh?」(俺ってヤベーだろ😁)じゃねんだよ。

ともかくも会場に着き、取引先様とも無事に合流。仕事の始まりです。

会場は欧州でも指折りのサッカースタジアム、「ジグナル・イドゥナ・パルク」です

大会のようすは(仕事として)記事にまとめるとして、遭遇した出来事や感想をいくつか。


①食事中のレストランが火事になる(?)

のっけから勢いがすごいですが、私が一番びっくりしてます。

大会初日、会場近くのレストランで食事をとっていたところ、けたたましい警報音が店に鳴り響きました。どう考えても異常事態です。

アワアワしていたところ、店主がやってきて「ピザを焼いたから警報が鳴っちゃったのかな?ハハハ、まいっちゃうね、そのうち止まるよ」みたいなことを説明してくれました。

それならまあ、安心か……と思いつつ、落ち着けない中で食事をしていたところ、これまたけたたましい音で消防車が5台も到着。屈強な消防士が入ってきて、「out there!!!!!!!!out there!!!!!!!!」(外に出て!)と叫びはじめました。いや全然大丈夫じゃないやん!

結局、火事ではなかったようで消防士たちは帰っていきましたが、一連の騒動ですっかり時間を取られてしまい、気づけば会場に戻る頃合いに。もちろんお会計はしましたが、13.5€(約2000円)したのに半分くらいしか食べられず、なんか損した気分でした。

さすがはドイツ、消防車ですらベンツです

②フランクフルトで会ったマレーシアグループと会場で再会

先ほどの火事とは違い、これは嬉しいサプライズでした。会場で取材をしていたら、この記事↓で紹介したマレーシアグループと再会したのです。

ちなみにマレーシアは国としてITに力を入れているらしく、かなりの強豪でした。どの競技部門でも上位8位には食い込んでいたんじゃないかな。

とくにオープンカテゴリー(社会課題を解決するためのロボット制作+プレゼンテーション)などは、ブースの豪華さが群を抜いていました。

③ロシア・中国の不参加に戦争の影響を感じる

今回のWROには73の国・地域から365チームが集いました。関係者いわく、毎年の強豪はロシアと中国だったそう。とくにロシアは強すぎて不正を疑われるほどだったそうです(※)。

※ちなみに今回は日本がかなり強かったので、同じく「何か秘密があるんだろ」と詰め寄られました。どこの国でも、強ければそれなりに疑われるっぽいです。

ところがウクライナ情勢の影響で、ロシア・中国は参加せず。頑張ってきた子ども達には関係のないことなのになあ、と単純に胸が痛みました。

ネイションパレード(国旗パレード)では、ウクライナに向けたスタンディングオベーションが発生しました。会場でも反戦メッセージを撮影していて、現在進行形の出来事であることを思い知らされました

④あちこちで通訳を求められ、語学の必要性を認識

「英語は苦手です」で通してきた私ですが、それでも読書会やら何やらで英語を読み続け、映画を字幕で見続けているとちょっとは得るものがあるのか、大会ではあちこちで通訳を求められました。(全然完璧ではなかったですが……)

ロボットの領域なので、専門用語だけでもなんとか意味が通じたのと、世界大会の場であるがゆえに、それぞれがそれぞれの訛りで喋りまくっていた空気に押されてなんとかなった感じです。

でも、感覚としては、本当に話したいことの10分1くらいしかアピールできなかったような気持ちでした。とくに、選手達のロボットがいかにすごいかを説明するときなんて、もっともっと色々な話ができたはずなのに……。

これまでなんとなく避けてきたけれど、語学を磨こうと思った3日間でした。

会場でメチャメチャに目立っていたメキシコチーム

⑤クリスマスマーケットで韓国人の女の子と仲良くなる

選手団とは別行動だったので、滞在中は仕事が終わると毎日のようにクリスマスマーケットへ繰り出しました。繰り出した、といってもホテルの目の前が会場だったので、地下鉄を降りて、1杯ひっかけて帰るくらいのイメージです。

クリスマスマーケットで売られるグリューワイン(ホットワイン)のグラスはデポジット(預かり金)制。グラスを戻してお金を返してもらうもよし、そのまま買い取ってもよし。私は2個買い取ってお土産にしました。

そこでカリーヴルスト(ドイツ名物、カレースパイスのかかったソーセージ)を買おうとしていると、不安げな表情でチラチラとこっちを見るアジア人の女の子。大学生くらいに見えます。

大丈夫かな、と気にしつつもワインを飲んでいると、女の子がやってきて「一緒に食べたい」と。向こうも一人旅で不安だったようで、ありがたくご相伴にあずかることにしました。

彼女いわく、音大を出て、これからドイツの修士課程に進学するところだそうです。その日はドルトムントで行われるクラシックコンサートを勉強も兼ねて見にきたらしいのですが、(アジア人基準でもかなり小柄な子なので、)正直ちょっとナーバスになってて……と。

食べながら『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』の話をし、いくつか覚えたフレーズを披露したら、「韓国人みたいな発音!」と喜んでもらいました。こういうときに空気を和ませられるのは、やはりエンタメの力ですね。

今日からは再びプライベート旅行。ブリュッセル、そしてパリへ

その他、細かなエピソードを含めればいろいろなことがありましたが、いずれも非常に刺激的な体験ばかりでした。そして、仕事のあとにフラッとグリューワイン(ホットワイン)を引っかけてから帰る1日はQOLが高すぎました。

実は日本にいた頃は、毎日仕事を詰め込みすぎて、さらに余った時間で論文を書いていたので、ずっと頭が痛かったし、出張直前はとくに、ずっと吐き気がしていました。

その頭痛と吐き気がこちらではすっかり消えて、健康になった感じ。単純に働きすぎだったのでしょう。

もちろん、ある程度お小遣いを気にせずに観光できたり、お土産を買えたりするのは日本でのハードワークのおかげであって、否定するつもりはありません。でもたまにはこうして息を抜いて、ワークライフバランスをいい感じに整える時間を取ったほうが良いな、と改めて実感しました。

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とっても嬉しいです。サン宝石で豪遊します。