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名画座で映画「アフターサン」を観た [日記と短歌]24,1,4


太陽を失くした君の頬のいろあの日ホントはなんて言ったの/夏野ネコ


人間活動をしなければ、と思いたち、映画を観にいきました。去年2023年の5月に公開されていた「アフターサン」の、最終上映館の最終上映日だったようです。ちょうギリギリで大森キネカの名画座で観ました。

映画はむろんのこと、この名画座ってスタイルがとってもよかった。
ロードショーが終わった作品や過去の佳作をリーズナブルに観せてくれるのはもちろん、少ない席数の小さなスクリーンがなんだかとてもアットホームで雰囲気も悪くないって言うかメッチャ良いのです。
そんなシアターではハリウッドの娯楽作よりも、見えない何かを胸に置かれてしまうような小品が似合っていて「アフターサン」もそんな映画です。

内容についてはあちこちでいろいろな事が既に書かれているので書きません。けして優しい映画ではないし、親切な説明もちっともないし、胸に詰まるし、幸せだけど怖いくらい不穏で、でも美しくて愛おしくて、揺さぶられた。泣きたくなった。

生きるってことの一回性が、そのはかなさが、取り返しのつかなさが、不穏と幸福の間で繰り返し繰り返し、調を変えながら波のように静かに静かに押し寄せてくる映画だった。クライマックスで挿入されるQueenの「アンダープレッシャー」が、映像に、ふたりの異なる時間にシンクロしていくところで「はうううっ」てなった。なるよ、これは。

きっとあと2回くらい観た方がいいと思うのだけど、観たの終映日なんでしたよね。困ったな。
まぁそのうち配信も出るでしょうから、そのときにまた観ようと思います。

それはそれとしてこの「名画座」ってやつがとっても良かったので、折を見てまた行こうと思います。なんとなんとお得な2本立てだし!


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