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はじめての「いつごつみ」が尊かった [日記と短歌]23,3,5


傘の先まで届かずに告白が滲んでしまう雨の行間/夏野ネコ


はじめて「いつごつみ」をやりまして、それが大変に感動的だったので書きます。
短歌の方には釈迦に説法ではありますが、いつごつみ、とは歌の中の「一語」を拾い次の歌に詠み込むのを二人交互に繰り返す、短歌界隈でよく行われているゲームのような作歌方法で、「一語」を「摘む」から「いちごつみ」なんですね。
アカウントを作って最初の頃はこの風習をよく知らず、TLに流れてくる

「いちごつみどなたかしませんか〜?」「ごめんなさい締め切りました〜」

的なやりとりに一人「???」となっていたのですが、諸々類推したりググったりして「なるほどそういうことだったのか」と理解してからしかし、手をあげるまでにだいぶ時間がかかりました。

というのも私自身、作歌に関してはとてもムラが多く、作れ(ら)ないときは本当にやらないし、品質もべつに高くないよな、と自覚しているので、どうにも踏み切れなかったのです。だからこそ逆にやってみたい気持ちだけはあって、昨年2022年の暮れに何気なく「来年いちごつみしたいなー」とユルくtweetしたところ澪那本気子さんが反応してくださった時はだから、ええええ!!ってなりました。驚き半分喜び半分くらいの比率で。

んで。
やってみた感想なのですが、ふだんの手癖のようなものから離れて、自分の別の何かが引き出されるような感覚に「うおお!」てなりました。
Twitterを中心に短歌を上げていく行為は、なんというか、闇に向かってボールを投げているようでどこか孤独なのですが、いちごつみの場合「相手に向かって詠む」という、当たり前といえば当たり前なことに、もんの凄く自覚的になるんですよね。

ただそれだけ、のような気もしますが、ただそれだけで歌の解像度が上がるのは、これはけっこう驚きの体験でした。もちろん毎回お優しくコメントをくださる澪那さんがいたからなのは言うまでもありません。
澪那さん、素敵な体験をくださり本当にありがとうございました。

冒頭歌は今回の「いちごつみ」で澪那さんに引いていただいた一首です。
いつごつみ、とても楽しかったので、少し落ち着いたらまた誰かとやりたいな…


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