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大阪で向き合ったラーメンへの気持ち

チェックアウトとチェックインの間に打ち合わせがあったので、新大阪構内のテレワークボックスでやろうと思ったら全て埋まっていた。

そのうち一つは終了予定時間が4時間後。スポットで使うボックスだと認識しているので4時間も使うならコワーキンスペースへ行ってほしいと思ったけれども、それは本人の自由なのでわたしが文句を言うことではない。大人しく外に出て静かそうな場所を探す。

ところがイヤホンの充電がない。人がいない広場の片隅でこっそり打ち合わせをこなしたが、スーツケースの側に座り込みボソボソ話している姿はなかなか不審。いっそスーツでも着ていれば仕事をしていると思ってもらえただろうけど、大きな荷物とともにカジュアルな私服で椅子ではないところに座り込んだらそれはただの家なき子。

新しい宿近くには有名なラーメン屋があり、大阪出身の友人から勧められたお店はここだったと思い出す。せっかくなので15分ほど並んでワンタン麺を食べる。

わたしは荻窪育ち、故郷の味は春木屋のワンタン麺なので、同じ醤油ラーメンに親近感。ワンタン麺1400円という強気の価格も春木屋を彷彿とさせる。

ラーメンを食べながらそばうどんへの好意を確かめるという、ラーメンに対してひどい態度をとりながらもこのところ高頻度でラーメンを食べている。

わたしは自発性があまりないのでせめて受動性を引き上げるべく、人から勧められたものはなるべく手をつけるようにしている。その結果ラーメンの頻度が増えた。ラーメンはみんなの人気者。

ラーメンにあまり積極的になれないのはチャーシューが原因かもしれないと気づく。近年食事の淡白化が著しい。肉と油をたくさん摂ると調子が悪くなってしまう。健康志向の高まりにより体質が変わったのか、それともこれが老化というやつなのか。

高校生のときはビックマックとポテトL、コーラLのセットを平気で食べていた。今食べたらどうなるんだろう。マクドナルド自体、少なくとも2022年一度も食べていない。

夕方からはフリーランスになって以来ずっとご一緒しているお仕事の打ち合わせ。皆さんとても温かい人たちなので、ちょっとしたことをたくさんほめてくださる。

フリーランスは依頼されたことをやって当たり前。会社員と違って査定もなく、あくまで外部の人なので、長くご一緒する中でチームの一員として身内のように接していただけるのはとてもうれしい。

結局夜まで胃もたれ。ラーメンに対して不誠実な態度を取った代償であろうか。おとなしく銭湯へ行き、部屋でコンビニで買ったおでんと酢の物を食べる。

コンビニの店員さんはおそらくインド人で、おでんの具の名前がわからず「ドレ……?」と困っていたので指さしで注文。「オシル、ドノクライ……?」と聞いてくれてめちゃくちゃかわいかった。がんばれ……!と優しい気持ちで宿に帰る。

休肝日にしようと思ったもののちょっと飲みたくなってしまい、スーツケースに忍ばせていた日本酒をおでんのふたに注いだら小さな穴が空いており漏れて焦る。コップくらい取りに行けという啓示か。結局穴からこぼれないよう、傾けてしのいだ。

……と思ったら違うところから漏れた。でも漏れないこともある。どういう仕組みなんだろう。

漏れている

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