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大多府島で薮をかき分け、島をはしごし徒歩で帰る

昨日行列ができていたカキオコのお店へオープン直後に行ってみるとすんなり入れた。平日バンザイ。

醤油味。ソースより好き

いとこの奥さんが「大多府島ええで!」と言っていたので、食後は船に乗る。天気は良く、おじちゃんは気さくで、船には2階のオープンテラス的な席もある。これ以上何を望もうか。

しかも貸切
船が通り過ぎたあと

大多府島で地図が載った看板を見ていると、地元のおばちゃんが話しかけてくれた。「自然研究路のこのあたりは今だと草がすごいからなぁ」と教わる。草がすごいくらいなら大丈夫であろうと当該区画を歩いたら草っていうか薮。

これは序の口
これもまぁギリギリ道
道……?
道とは

引き返すわけにもいかず強引に通ったが、自分を過信せず、地元の人の言うことは素直に聞いた方がいい。新たな教訓を得た。

そもそもシーズンオフらしく、蜘蛛の巣がすごい。枝で虚空をかき分けて歩いたが、それでも何度か蜘蛛の巣に突っ込んでしまった。都会っ子なのでひゃ〜とかうぇぇとか、いちいちびびってしまう。身を持って蜘蛛の糸の強度と粘着性を学んだ。

朽ち果てた車

ときどき海が見えるのが良い。内陸部の山と比べて植物の雰囲気も違う。

浜辺ではいのししが死んでいた。虫がたかる死骸の周辺にはプラスチックゴミ。動物の死に場所としてあまりにさみしい。こんなところで死なせてはいけない。絶対にポイ捨てはするまいと決意を新たにする。

道中には岩場。薮に疲れたので岩場を歩くことにする。楽しい。

精一杯の自撮り
歩いた岩場

気づいたら2時間歩き続けていた。どうも一人だと休憩を忘れる。岸壁があったので端まで歩き、しばし休む。

現在地は海の上

船乗り場に戻り、さてどうしようかと考えていたら行きの船のおじちゃんが「頭島行ったら?船で160円、そっから日生駅までバス200円で安いで」と教えてくれた。

待ち時間中、おじちゃんと話す。陸から見える小魚は、この地域ではダイチョウと呼ばれているそう。小さいから捌くのが大変だけど、煮付けや唐揚げにするとおいしいらしい。食べたい。

おじちゃんは頭島で生まれ育って74年。本土に橋を架けようと島民でお金を積みたてて行政に働きかけたことで、7年前にようやく橋がかかり、頭島は本土になったのだそう。東京では考えられない結束力。

頭島へ向かう船から幻想的な島が見えた。たぶん鶴島。RPGの雪の島みたいな見た目でなんだか印象的。

左側のうっすら見える島

頭島の日生駅行きのバスは1時間後。Googleマップによると徒歩1時間。近場にお茶できるようなお店もなく、それなら歩くかと再び徒歩。

船のおじちゃんの地元
島の小道
猫いた

頭島から鹿久居島まではあっという間。頭島は小さな島。

一つ目の橋

途中、立派な鳥がいた。鳥は翼をバサバサ羽ばたかせて飛ぶイメージだったけど、実際の鳥はバサバサしない。「風に乗って飛ぶ」とはまさにこのこと。

鹿久島のガードレールにはビールや缶チューハイの空き缶で作ったものがズラリ。風が吹くとくるくる回ってガラスみたいに見える。なかなかきれいで、どの缶が好きかな〜と飽きずに歩けた。

優勝は金麦

昨日遠くから眺めた備前♡日生大橋を越えてようやく日生駅。

二つ目の橋
ニョロニョロ感
牡蠣の養殖場

夜は近場のお店で済まそうと思ったものの、目星をつけていたお店は予約のみだったりやってなかったりで結局20分も歩いてしまった。

ようやく辿り着いたお店はわたしが生まれる1年前の創業。お店のおばちゃんに頭島から歩いた話をしたら空き缶の話になり、「あれなんなんですかね?」とハモってしまった。

お店にはたまたま役所の人がいて、行政は絡んでないから地元の人がやっていることであろうとのこと。缶の底の製造年月日をランダムに覗いたら2020〜2021年だったから、空き缶が飾られたのはここ1年。結構な数だったし、きっとたくさんの島民の方が関わっているのであろう。

今日のルート。紫が船で、赤が徒歩

日生は20年前にカキオコでの町おこしが始まり、当初は駐車場の問題で揉めたりなんだかんだあったが、ここ10年くらいで牡蠣自体が有名になり、牡蠣目当てで訪れる人も増えたことでようやくカキオコ以外のお店も恩恵にあずかれるようになってきたそう。地域創生は時間がかかるものなのだと改めて思う。

お店のおじちゃんにダイチョウについて尋ねると、「うまいで!」とのこと。どうやらヒイラギのことで、やはり煮付けが良いらしい。食べたい。

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