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ヒールがつらいなら裸足で歩けばいいじゃない

※オーストラリアでのワーホリ中、2017年4月に書いたブログを転載

こないだ夜10時くらいに最寄駅のコンコースを歩いていたら、前方にいたお姉さんが彼氏らしき人の肩を借りながらヒールの靴を脱いで、そのまま裸足で歩き始めた。しかも靴を持つのは彼氏。これもきっとジェントルマンの所作のひとつ。

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 オーストラリアには、裸足で歩いている人がちょこちょこいる。ホームレスやヒッピーなんかの裸足で歩いていそうな人以外の、いわゆる普通っぽい人であっても、裸足でスタスタ歩いていたりする。だからこのお姉さんにとって、裸足で歩くことはたぶんそんなにおかしなことじゃない。

25歳くらいのとき、昼からはしご酒で浅草から淡路町まで歩き回ったことがある。そのときわたしはかなり高いヒールの靴を履いていて、みんなでいるときはどうにか見栄を張って何食わぬ顔をしていたものの、解散後一人になった瞬間にたまらず靴を脱いだ。足の痛みが限界だった。 

裸足のまま地下歩道を丸ノ内線に向かって歩いたけれど、そのときの周囲の目は、完全に変な人を見る目だった。酔っ払っていたから開き直って歩き続けたものの、「裸足で歩くとこういう風に見られるんだなぁ」と印象的だったのを覚えている。 

別に裸足で歩ける街を賞賛するわけではないけれど、ヒールを持って歩いていたら「あぁ足が痛いんだな」と想像はつく。だったら暖かく見守ってあげればいいじゃないか。 

ヒールを脱いで歩く人を変な目で見ないオーストラリアの懐の深さは、きっと多国籍国家ゆえに培われたもの。日本がこうはならないだろうけど、この手の懐の深さを持った人になりたいなぁと思う。

※オーストラリアでのワーホリ中、2017年4月に書いたブログを転載


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