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京都で変態紳士の性癖を聞いた夜

案外すんなり眠気が来たものの、またしてもなかなか意識を手放せない夜をどうにかやりすごし、スマホを見たら今朝も10時を過ぎていた。やはり目覚ましが起動した形跡はあるが、絶対音は鳴っていないと思う。

今日もひたすら仕事の日。途中、軽めのおやつでも調達しようと少しだけ外に出る。最高気温は34℃とまだマシな日だし風もあるけど、とはいえ暑い。ベーグルとスコーンを買って即帰り、お腹はパンパン。軽めのおやつとは。

夜は上洛して、先日あやしい中華系フードコートでクセ強飲みをしたお姉さんから教えてもらった日本酒のお店へ。

4月の京都で「京都に住みたい」と何度か書いたが、実は本当に引越しを検討している。店主の女性は京都に移住した方と聞いていたので情報収集のつもりだったが、結果として居合わせた店主の太客の性癖について聞く夜となった。

太客は自称変態のおじさま。エロさは滲み出ているが、愛にあふれ、物腰は柔らかで、距離感もちょうど良く、嫌な感じは全くない。女性が好きで、過去同伴した回数は2000回を超えるらしい。

おじさまは仕事で訪れた南米の標高の高い地域で強い酒を飲み、マフィアに言われるがまま白い粉を鼻から吸って気を失い、気付いたらホテルで知らない女と全裸だった、というアクの強い話をしてくださった。どう考えても楽しんだ形跡があるのに、楽しんだ記憶は一切ないというのがちょうど良い。そこの記憶があったらたぶん生々しくて聞いていられない。

おじさまは店主女性の四半世紀にわたる太客で、店主を「世界一好きな女性」「顔が世界一好き」と何度も繰り返し、隙あらば口説いているけれど、店主は微動だにしない。「私たち一度も関係を持ったことはないんですよ。こんなに好きなのに」とおじさまはわざわざ説明までしてくださった。

その様子を見ながら、性的な関係にないからこそ2人は長く関係が続いているのだろうなとしみじみ思う。セックス抜きの関係性は、中途半端なセックスありきの関係性より遥かに尊い。男にとっての「永遠に抱けない女」の強さを目の当たりにした。

店主女性の移住話を聞いて1〜2時間で帰ろうと思っていたのに、ひたすらおじさまの話を聞き、気付けば4時間たっていた。「今日は全てわたしがおごりますから」とおじさまはわたしの分の飲み代をご馳走してくださった。最後まですてきな変態紳士のおじさま。ありがとうございました。


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