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蜘蛛との生活

蜘蛛が出ると、夏を感じる。

蜘蛛は予想外の動きをしないばかりか、小蝿を食べてくれる実用性に富んだありがたい存在なので「くももん」と名付け共存中。

この夏もたくさんのくももんと過ごした。大きいのもいれば、生まれたてと思われる極小の赤ちゃんも見かけた。家主は独り身だが、くももんは立派に繁殖している。

先日、朝食中に机からツーッと足元にくももんが降りてきた。共存を揺るがす予想外の動きにやや困惑しつつも、このくらいであればまだまだ許容範囲内。電球に蜘蛛の巣がうっすら見えたが、それもまぁ構うまい。あまり目に入らないし、滅多に触ることもない。なんなら小蝿でも引っかかってほしいもの。

先ほどリビングの電気を付けるときにふと目をやると、1つの壁に4匹もくももんがいた。さすがに多いなと思いはしたが、どうせ夏を過ぎればいなくなるのであるから多めに見る。

数回、息たえ床に転がっているくももんを見つけたことがある。なぜだかふさふさしていた。生きている間のくももんに毛を感じることはないのに、命果てると毛を感じる。老いて毛量が減る人間とは逆の仕組みなのだろうか。

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