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武雄の飲み屋で九州の新たな楽しみ方を知る

晴天につきお散歩。物産館をチラ見し、有名そうな餃子を食べる。

安い

武雄神社の大楠は道中がすてき。竹がまっすぐ伸びていて清涼感。高校生の頃、同級生から「竹を斜めにまっすぐ伸ばしたみたいな性格」と言われたことを思い出す。言い得て妙だと思う。

大楠は推定樹齢3000年。ググったら3000年前は縄文時代だった。その頃からこの土地の変遷を見てきた木。ドラえもんの道具でこの木が話せるようになったら何を語るんだろうか。

どことなくフォルムがキー坊に似ていた

近くには根元がつながっているヒノキがあり、夫婦ヒノキとして縁結びのご利益があるらしい。「結」のオブジェがあることで立派な木が安っぽくなってしまっているのが気になってしまった。

有名そうな庭園を素通りし、図書館へ向かう。道中には買い物袋と思わしき落とし物があった。ズタズタの水菜と粉々の大根が痛ましい。軽トラの荷台か何かに載せていたのが落ちてしまったのだろうか。

現代アート感

図書館は蔦屋書店がプロデュースしているそうで、現代的かつ開放的な雰囲気でめちゃくちゃすてき。久々に腰を据えて本を読むことにする。

最近は放浪記として日記とエッセイの間みたいなものを書いているので、エッセイの書き方をテーマにした本を手に取るも、引用されている著者のエッセイが面白くなかったので読むのをやめた。

表現活動において、天才と言われる本物の才能を持った人はおそらくわずかで、大多数の人は「この道でやる」と決めてやり続けた人なのだと思う。エッセイの書き方ではなく、そんなことを再確認してしまった。

その他、日本語に関する本をいくつか読み、あっという間に4時間。

14時46分に黙祷の時間もあった

昨日ネット予約した飲み屋は満席。カウンターの隣の席のおじさんも一人で、ゆえに隣の一席が運良く予約できた様子。

おすすめされた佐賀のお酒は微発泡のにごり酒。飲んでいる途中にピチリという音がして、炭酸の音かと思ったらグラスの中に玉が入っているとのこと。飲み終えるとカラカラという渇いた音に変わる。「音が変わったら次何飲むか聞くんですよ」と大将が冗談混じりに教えてくれた。すてきなグラスだった。

暇だったので、途中で隣のおじさんに話しかける。一人で飲みに行くようになって気づいたが、一人で飲んでいる人のほとんどは予期せぬ出来事を待っている。

おじさんは半導体工場で大盛り上がりの熊本に東京から転勤してきて3か月目で、ゴルフのために武雄温泉に今日からきているとのこと。

おじさんは「結構お腹いっぱいだから」と鳥の焼いたやつをお裾分けしてくださった。お礼に白子ポン酢をお裾分けしたら、お酒ご馳走しますよとおっしゃっていただき、穴子の焼いたやつもお裾分けしてくださる。一人だとあまり種類が食べられないのでありがたい。

ご馳走いただいたお酒は宮城の春のにごり酒で、飲むと発泡でシュワシュワと泡が盛り上がり、飲んでも飲んでも見た目が減らない。

ふと、人形用のミルクを思い出す。逆さにするとミルクがなくなり、戻すとミルクが再度現れるおもちゃ。さながらそのおもちゃの具現化のようだった。

いちごミルクみたいな見た目

お店は9時閉店。8時過ぎからお客さんはわたしとおじさんだけになり、大将と少しお話する。佐賀県と一言で言っても地域差が結構あるそうで、その差は藩の区分けに由来するものなのだとか。佐賀の県境が入り組んでいるのも、廃藩置県の際のごたごたが影響しているらしい。

九州は県プラス藩で見ると違った見方ができそう。面白いことを聞いてしまい、これからの九州がより楽しくなる予感。

食べる前に撮りなよ

大将いわく、佐賀は土地面積に対して日本で4番目くらいに酒蔵が多い県らしい。焼き物めぐりと酒蔵めぐりをおすすめいただき、どちらもめちゃくちゃ興味があるものの今回は時間がないので断念。どうやら佐賀は楽しい場所。また来たい。

お会計をしようと思ったら、なぜかおじさんがわたしの分も全てお支払いしてくださっていた。オロオロしてしまったが、「旅は道連れ!」という大将の一言でありがたくお言葉に甘えることに決める。ごちそうさまでした。

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