「子どもたちはインターネットやゲームの世界で何をしているんだろう?」を読んで

こちらの記事で触れた児童精神科医の関先生がとても素敵な本を出版されました。

関先生の専門家としての見解だけでなく、ゲーム愛好家として子どもたちと同じ目線に立った愛の溢れるコメントに、今回も救われた気持ちになりました。


居場所ってなんだろう

少し前に、香川県が香川県ネット・ゲーム依存症対策条例なる条例を出しました。ゲームの利用は1日60分などの目安を提示するもので、「ゲーム依存」なる言葉も同時に広がるきっかけにもなっています。

この条例を聞いてとても違和感を覚えたのですが、この条例はゲームに没頭する子どもたちを前にして親の不安を煽るような存在でしかないのではと、いち保護者として感じましたが、その理由をうまく言語化できずにいました。

こちらの本は、関先生も最初に書かれていますが、子どもたちをインターネットやゲームから遠ざけるノウハウを教えてくれるものではありません。すでにインターネットやゲームの世界は子どもたちの「居場所」として存在しており、この本はその「居場所」という観点から、インターネットやゲームの世界を紐解いています。

ゲームは1日60分まで - かつての私も親としてそういったルールを強いていた一人ですが、居場所という観点で考えてみると、このルールはインターネットやゲームの世界を全く理解していない、頭ごなしの視点だということがよくわかります。

私たちがこどものころ、公園は遊び場であったと同時に、友達と繋がることのできる大事な場所だったはず。インターネットですぐに繋がれる時代に、前と同じスタイルのみが居場所だということを強いるには、どうにも無理があるということが腑に落ちます。

すでに居場所というものになっているゲームとインターネットの世界を、私たち大人はきちんと理解していく必要があるなと強く感じます。

インターネットとゲームへの関わり方を深くみる

本の中では、インターネット・SNS、ゲームの種類や特性について細かく触れられています。改めて、その種類も多く、それぞれ特性も大きく違うことがよくわかります。それぞれへの関わり方や注意点が違うのもそうですが、子供たちがどういったものを好んで関わっているのかによって、その居場所に何を求めているのかが違い、彼らの心理的な状況や背景を理解するのに必要な観点だと思いました。

我が家のゲーマー男子二人は一緒にゲームをすることもありますが、関わり方が全く違います。
書籍の中で出てくるリチャードバートルのプレイヤー分類では、ゲームプレイヤーのタイプは大きく4種類に分かれるとのこと。これを見ると、兄と弟は割と対極にいます。

長男はマインクラフトの中でもWynncraftというMMORPGがとても好きでずーっとやっていました。最近TerarriaというSteamのゲームにハマっています。二つのゲームは若干違いますが、Wynncraftをやっている時はどちらかというとエクスプローラー寄り、Terarriaはアチーバー寄りだと考えます。(素人判断ですすみません)
いずれにしても、ゲームの世界そのものを、長男はとても楽しんでいるように見えます。

次男はRobloxでもバトル系のゲームが大好きです。ADHDの特性があるのも関係していると思います。元々はゲームの中でフレンドなどと交流することはほぼありませんでしたが(キラー寄り?)、最近はよく見かけるフレンドに話しかけられたりして一緒にマップをまわっているようです(そーシャライザー寄り?)。

ここからわかることは、母目線ではいくつかあります。

  • ゲームをやっている二人への声の掛け方は多分違う。長男へは、「今日はどんな発見があった?」「どんなアイテムゲットした?」、次男は「今日はどんなバトルしたの?」「誰とやったの?」などで話が盛り上がる。

  • 彼らのゲームとの関わりから、まったく別のことへの関わり方の姿勢もわかる。長男はとにかく自分が興味があって探求できるテーマが好き。次男はテーマということよりは誰と一緒にやるかが大事

これだけ広い世界で居場所の形は無限大

関先生の本を読んで、我が家の二人の兄弟に重ねながら、これからもたくさん関わり方で発見したり、探求したりするんだろうな〜と思いました。まだ二人はSNSをやってないのですが、その時が来てもうろたえずにいられそうですし、色々話しながら関わっていこうと思います。

ところで、多様な学びプロジェクトにて、10/29に関先生のオンライン講座があるようです。関先生の講座は何度か参加してますが、いつも愛の溢れるコメントで良い内容なので、今回も参加したいと思います。


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