褒め下手な母が「おいしい」と言ってくれたから、料理を好きになれました。
中学生の時には、もう当たり前のように料理をする習慣が身についていました。
というのも、日々忙しく働く母が、週末になると料理の献立に悩み苦しむ姿を見て「わたしができることってなんだろう…」と考えるようになったんです。
ある週末のお昼。母に代わって家族4人分のパスタを作りました。
できたものを一口食べた母が「これ、おいしい。お店の味みたい」と言ってくれたんです。
母は褒め下手なので、ちょっと恥ずかしそうでもありました。恥ずかしいけどがんばって言葉にしてくれた感じです。
わたしも、心の中でガッツポーズしたいくらい嬉しかったけれど、素直に受け止めるのは恥ずかしくて「へへんっ!」とドヤ顔をよそおいました。思春期でしたから。。
本心は、もっと母と一緒に過ごしたかったし、甘えたかったし、自分のことを見てもらいたかったのです。長女だからしっかりしなきゃって思ってて、そんなことはもっと恥ずかしくて言えませんでした。
母が料理のことで「しんどい」顔をしてると、それはわたしたち子供のせいなんじゃないか…って。作らなきゃいけない相手がいることや、好き嫌いがあることが困らせる原因なんじゃないかって思ってました。
だからわたしのできることで、母を助けたかった。
褒めてもらえたあの日から「料理が得意」と思えるようになりました。
今思えば、料理を食べてくれる家族がいるというのは、面倒に思う気持ちがゼロではないかもしれないけれど、自分のためよりも「誰かのために」のほうが力が湧いてくるものではないでしょうか?
自分だけならおざなりになってしまうことも、誰かのためならば少しがんばってみようと思えるのかなって…。今、大人になったからこそ気づけたことです。
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