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#2

一番古い記憶はなんだろうと思い返してみる。目を瞑って記憶を辿る時、いつも見える情景がある。自分が妄想したのかもしれないし、本当に思ったのかも、もう解らないほどの昔。小汚い窓からオレンジ色の光が差す黄昏時、身体も動かない、視界が霞む、目の前には安っぽい赤ちゃんをあやすオモチャが廻っている。海の中で聞いてるような薄い雑音はずんぐりむっくりの大きな箱、ブラウン管テレビから配信されているようだ。

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