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日本旅行中の夫夫(ふうふ)

2月25日の夜中、たまたまゲイバーで出会った夫夫がいた。1人はオランダ人で、もう1人は台湾人だ。
私は英語を話すことが得意じゃないのだけれど、酔っていたし理性なんてないので、身振りと、数少ない知っている単語と、翻訳機と、ノリで一生懸命コミュニケーションを取った。
そして彼らと話しているうちに、私の地元を堪能してほしいという思いが膨れ上がった。
そして、その日の12:00にお昼ご飯を一緒に食べる運びとなった。
私は、ゲイバーのママや地元で有名な料理屋さんのママを巻き込み、比較的安価ではあるが美味しいと有名なお寿司屋さんへ5人で行くことが決定した。
しかし、ご飯屋さんのママはその日の朝まで飲んでいて一緒に寿司を食べる願いは叶わなかった。
食事中、日本の歴史やら文化、寿司の食べ方などをゲイバーのママが巧みに教えていた。
彼らもそれを楽しんでいる様子だった。
お昼ご飯を食べたあと、ゲイバーのママは予定があったためお別れし、私と夫夫は地元で有名なカフェへ行き、ゲームショップへ行き、富士山が見えそうな清水へ行き、おでん街へ行き、またカフェへ行った。その日はあいにくの雨だったため、富士山は微かにしか見えなかった。
彼らはコーヒーやおでんを私にご馳走してくれた。そして、オランダのお土産までくれた。
私が彼らを楽しませるはずが、彼らが私を楽しませていたのだ。
たくさんの気を遣わせていたと思う。
彼らは私に対してたくさんの質問や雑談をしてきた。でも私は英語が通じないので、翻訳機を片手に一生懸命会話をしてくれた。
私はいつもノリが軽い。浅はかだ。私の良くないところがハッキリ見えてしまい、自己嫌悪と反省と漠然とした申し訳なさの波に飲み込まれた。
そして、彼らの優しさが私の胸に突き刺さる。グサグサと突き刺る。
その日に会ったばかりで、見ず知らずの得体もしれない私にこんなに温かくしてくれるなんて…
こんなに世界はラブ&ピースに満ちていたの?
天気は悪かったけど、彼らがずっと眩しかった。
今度は私がオランダへ行こうと思う。そうしたら日本のお土産を持って行こう。もしその時に私に彼氏が出来ていたら連れて行こう。そして、彼らとこの日のことを思い出しながら、語ろう。
私があの時どう思っていたのかという裏話を伝えたい。あと、簡単な英語でもいいから目を見て私の口から話せるようになっていよう。
楽しかったけど、同時に胸が苦しい思い出となった。にしても、一期一会が多くて人生は面白い。

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