会社やめてアフリカで10億円の前澤ファンド通過した話
こんにちは、なつめぐです。
コロナで先行き不安な2020年いかがお過ごしでしょうか。
ぼくも完全に自粛モードで、ここ数日間一歩も外出せずに家で料理とZoomで打ち合わせばかりの日々です。
こんな状況の中ですが、10億円の出資を得られるチャンスがある元ZOZO前澤さんのファンド「前澤ファンド」を通過しました!ありがとうございます!
「通過」と言っても書類でまだ先があるので、まだまだなのですがとても良い機会をいただけて感謝の限りです。ありがとうございます。
このnoteでは前半に今までどんなことをやってきたのか、後半で今やっている事業、目指している未来や前澤ファンドについて書いてみたいと思います。
要点は後半なので目次を見て「後半」からでもいいと思います!
書いてるのは誰か
なつめぐといいます。会社員→スタートアップ→起業という経歴です。今はアフリカで会社を経営しています。
前半:スタートアップの副社長へ
■1ヶ月目 カプセルホテル暮らしとプロダクトつくり
2017年にドローン関連のスタートアップ企業に取締役として入社しました。当時、社長1名、社員1名でシードで調達したけど残金がもうあと少しでやばいー死ぬーってタイミングでした。
それまで朝までガッツリ働く生活をしてたので、スタートアップに入ったなら当然だと思って、初日に1週間分の荷物をスーツケースに入れて出勤したことを覚えています。
初出社の持ち物
お金もなかったのでオフィスの近くのカプセルホテルに宿泊していました。冬なのに窓がぶっ壊れててめちゃんこ寒くて、浴場にあるタオルとかをかき集めて隙間に詰めて寒さを防いでた記憶があります。
まさに三畳一間
狭くても問題ない。楽しそう。
出社2日目にオフィスに朝早く行ったら電話が鳴っていて、けっこうなクレームの電話でした。10分間だれもいないオフィスで平謝りしました。
その電話を切った直後、すぐにまた電話が鳴りました。違う会社の人から、違う内容のクレームの電話でした。再び謝罪をしながら「とんでもない所にきてしまったのかもしれない」と覚悟したことを今でも鮮明に覚えています。
出社した初日、最初のMTGがリアルテックファンドの長谷川さんとのMTGでした。それから長い付き合いになるとも知らずに、右も左もわからないぼくと誠実に話してくれたことを覚えています。
ドローンの会社いきましたよーってブログを書いたら、ありがたいことにWantedlyの企業ランキングで圏外から2位になって入社希望の人たちから多くのご連絡をいただくことができました。なので休日は渋谷のオンザコーナーで4〜5人と面談していました。
家入さん、ゆうすけさんに偶然出会った。
毎日たのしくぶっこんでいました。当時の給料は手取りで20万円あるかなぐらいで株やSOは持っておらずビジョンの達成をただ追求していました。
入社半年で政府から受注、資金調達
ドローンで何かをするというビジョンはあったけど、具体的なビジネスモデルもお金もなかったので「最初が勝負」と思い、入って半年でやったことはこんな感じです。
・3月:入社
・4月:プロダクト開発
・5月:アフリカの政府と契約
・6月:プロダクトを一部で販売
・7月:資金調達(3.3億円)
・8月:プロダクトを全国で販売
プロダクトをつくり、資金調達、海外展開、国内展開って感じのスケジュール感で進めてました。そんな当時の様子を社員の人にこんな感じで言われてました。
入社して組織をつくりはじめた時に、自分的にけっこううまくいろいろ進められたので「役員報酬増やしたい。3倍にしよう^^」って今思えばわけわからん提案をしてたら、株主である佐藤祐介さんに「まずはお前が売上つくれや。話はそれからだ」とありがたいお言葉をいただきました(今なら当時のアホさがわかる。。本当にすみません。。)
この言葉のおかげで爆速で売上ができるプロダクト開発を進めました。ゆうすけさんには本当に感謝しています。ありがとうございました。
採用はポケットマネーで前払い
何かをしたくても人がいないし、自分も手元の業務が忙しくて何もできない。採用をゆっくりやっている時間もない。
でも何かしないと大きくジャンプはできないと思い、ぼくの友人でお金が必要そう且つ優秀な友達何人かに連絡して、銀行口座を教えてもらい自分のポケットマネーで数ヶ月分の給与を先払いしました。
「先に振り込んだから明日から来てほしい」という今考えれば申し訳ないお願いをしてすぐに来てもらってました。これで自分ともう1人いたメンバーの作業時間を確保できたので、新規のプロダクト制作に時間を使うことができました。
ぼくが参画した会社は、ドローンのメディアをやったりブログ書いてる会社でした。
そもそもドローンってなに?
ここで簡単に説明しておくと、こんな感じのやつですね。
空を飛ぶ機械。
ブロックチェーンでイケイケの会社LayerXでCTOやってる榎本と六本木のサイゼリアで飲んでいた時に「ドローンとラジコン何が違うの」って聞かれたことがあります。たしかにわかり辛いかもしれぬ。
大きな違いは「インターネットと繋がってるかそうじゃないか」です。「プログラムが動くかどうか」とも言い換えれます。
簡単に説明するとこの画像だと人が運転してるじゃないですか。
インターネットがつながってるドローンだと、人が運転しなくて良いです。GPS、加速度センサー、画像解析などから完全に自動で動かすこともできます。
よく例えられるのは「ドローンは空を飛ぶスマホ」です。スマホだからアプリを入れることができます。アプリ次第では、配送のアプリもあったり、点検したりするアプリもある。ドローン自体はなんでもいい。スマホだから写真も撮れるし、位置情報もわかる。
人が操縦すると、どんなプロでも事故はいつかは起きる。でもプログラミングで動かすことができれば、事故の確率はゼロとは言いませんがかなり減らすことができます。
ドローンとラジコンの違いは「プログラムが動くかどうか」です。
※ドローン界隈や詳しい人たちからすると語弊があることは承知の上で、わかりやすくするために書いてます。ごめんなさい。言い方に不備あれば教えて下さい。
ドローンについてはこの記事がわかりやすいです。
屋根点検プロダクトをつくった
ビジネスモデルにつながるプロダクトどうしようかなーって思ってる時のことです。こんな問い合わせがぼく個人に来ました。
屋根業界ってあまり知らなかったのですが、話を聞いてみたらとても面白かった。そして海外の事例を調べたら、市場があって今後の展望が作れそうだったので新しく事業展開を開始しました。大きい市場の中途半端よりも、小さい市場が独占できた方がその後、伸びそうだと思ってました。
進めてみると屋根の人たち(瓦屋さん)は最初すごく怖くて、メールで「ドローンなんぞに屋根のことはわからん」的なことを言われてビビってた記憶があります。それでも一緒に何度かドローンを飛ばしてドローンの使い方を模索していくうちに一緒にサービスを開発するまでになりました。本当にありがとうございます。
ちなみに怒られるってさらりと書いてますが、昔ながらの職人さんがいる業界です。まじで怒られます。怒鳴られたのは数しれず。ぼくの至らない点が多々ありお叱りをいっぱい受けました。辛すぎて事業を撤退しようと何度も思いました。
開発では偶然ぼくがその時ドローンを飛ばせる家を借りることができたので、ぼくの自宅を使って、屋上で飛ばして、また開発を繰り返していました。当時一緒に作ってたメンバーには本当に感謝しかありません。
我が家で開発中。合宿みたいな毎日
最初から最後までお世話になりっぱなしだった最初に連絡をくれた白神さん、石川商店の石川さんがいたからサービスを立ち上げることができました。いっぱい提案くださった塚本さん、1番最初にサービスを買ってくれた表さん、屋根新聞の林さん、などなど本当にいろんな人に支えられて進めることができました。
はじめて屋根の人たちにドローンを持っていった時の様子
ぼくは関わったお客さんをすぐに好きになってしまいます。でもこんな自分の性格を嫌いではありません。当時は土日も屋根屋さんとプライベートで遊ぶぐらい仲良くなっていました。最初に連絡をくださった白神さんはぼくの自宅にも遊びにきてくれました。すごくすごく大好きでした。
あとは活用事例の記事をつくるにあたって速攻で記事を書いてくれた友人のモリジュンヤ、ノオトの宮脇さん、日本中を飛び回ってくれた齋藤なっちゃんにも感謝。
なんだこれ
ぼくが「作りたい!」って言って開発からプロモーションまで友達みんな呼んで一緒につくった思い入れのある、自分の子供のようなプロダクトでした。ほんとにほんとに子供みたいに大事にしてるゼロから自分で作ったプロダクトでした。
はじめての契約
いっぱいいろんな思い出があります。誰もいないオフィスでひとりで黙々と仕事できる1号社員のたけるさん、金曜日に電話して「来週から開発したいです」って話して快諾してくれたエンジニアのじゅんぺいさん、なかみー。行方不明だったぼくの戸籍の場所を探してくれたり、何から何までお世話になりっぱなしだったバックオフィスの藤井さん、ぼくがめちゃくちゃに進めた内容をきれいに整えてくれた役員の榊原。ここには書ききれないですが多くの人に支えられていました。感謝でいっぱいです。
1番の思い出は兵庫でとった屋根プロダクトのはじめての契約だなぁ。
Wantedly経由でいきなり新卒入社してくれた社員がいました。名前を明正(めいしょう)と言います。応募書類も適当でなんで通過にしたのかは忘れてしまったんですがなぜか通過して。最初は経験も少なく右も左もわからない様子で、成果を出せずに苦しそうでした。
ふたりで関西営業行脚の時
ぼくと一緒に営業にいった時に勝手に話している内容を録音して、それを元に試行錯誤するまじめな性格でした。頑張って仕事に向き合う姿勢はぼくも勉強になりました。
ぼくはどこまでいっても現場主義です。お客さんの話を聞いて買ってくれる人たちの声を聞いて、ドローンなら実際に飛ばす。お客さんと向き合える現場が一番大事そのため一番楽しさも厳しさもある最前線には、いつも明正と一緒に行っていました。
数ヶ月間いろいろな人たちに怒られ続けながらプロダクトを磨いて、兵庫県の都市部からずいぶん離れた場所までレンタカーでGOGO。
そこではじめて契約につながりました。無事に契約してもらえた帰り道、明正とふたりで「はじめて売れたねー」「いまぼく泣きそうです」って話をしている時、明正の嬉しそうな顔を見ている時が一番うれしい瞬間だったかもしれません。ぼくはどこかの誰かではなく、顔の見える身近な人の幸せを見るのが好きなんです。会社の根幹となるプロダクトの第一歩でした。
帰りの車の中、2人で泣きながら帰った
屋根の人たちが好きすぎて、業界のことが好きになりすぎて今でも電車に乗るとついつい屋根を見てしまいます。「お。あの家いぶし瓦使ってるとかイケてるな。」みたいな発想になっていました。
■入社2ヶ月目 アフリカでビジネスを開始
入社した直後は会社に具体的なビジネスモデルがなかったので、急いで2つの事業をつくりました。1つは屋根のビジネス。もう1つはアフリカの事業です。
ぼくが過去にアフリカで仕事をして知見があったので、アフリカでドローンビジネスを立ち上げました。ちなみに初めてアフリカに行った時、ぼくはアフリカは国の名前だと思ってました。
今だからこそ言えますが当時、会社には資金がなかったので「旅行で休み」という名目にして、これまた自分のポケットマネーで100万円近く使って会社のメンバーと一緒に2週間アフリカにいきました。ポケットマネー使いまくり。給与以上に使ってました。
当時は本当にお金がなかったのであの手この手で画策していました。
3週間の滞在でアフリカの政府から契約をとる
アフリカでやったことはこんな感じ。
西アフリカにあるガーナの国土交通省と契約しました。そして資源庁とも連携して、金の違法採掘を取り締まりますって内容です。
具体的にはガーナの国土交通省と道路を全部ドローンで点検しようって話です。ガーナは道路を作ったはいいけど壊れまくってて点検と修理をするための体制を構築すること急務だったのです。
あともう1つ。違法採掘。
ガーナと金の違法採掘
ガーナの山奥で金を勝手に採ってる人たちがいます。勝手に採ってるだけならまだしも(よくないけど)、金を精錬する時に、金の鉱石に素手で水銀を混ぜ、アマルガム(合金)を作ります。
この水銀がやっかい中のやっかいで、というか毒です。この水銀を川に流しまくっちゃうので下流にいる人たちが思いっきり水銀を浴びちゃいます。その結果、日本でも昔問題になった「水俣病」になっちゃってるんですよ。こりゃ大変だ。
1956年に日本で起きた水俣病は、川に水銀を流している企業が特定できたから解決できましたが、アフリカの山奥はすごくすごく広くて違法採掘している人を特定するのがすごく難しい。
山奥でどこにいるのかわからない。例えるなら「東京、神奈川、千葉3つを合わせた大きさのジャングルの中から、渋谷駅を見つけてください」ぐらいの規模感。
ジャングルなので車は無理。徒歩も広すぎるし、見つかったら違法採掘してる人たちに殺されちゃう。飛行機はお金がかかりすぎる。
違法採掘の現場を見つけることができずにガーナは困っていました。
政府の人と道路点検について話していたら「もしかしたらこれってジャングルでも使える?」っていきなり聞かれまして。使えるよーって回答してたら「金の違法採掘を取り締まれるかもしれない」って話になりました。
ジャングルだから人はいけないし、ヘリコプターより安くできるってことで、ドローンやってみましょう。って話になりました。
ドローンをオンラインでトレーニングしている様子
インフルエンサーの塩谷さんもツイートしてくれた
アフリカで違法採掘を取り締まるべく進んでいました。この事業はいろいろあって今は止まっていますが、ぜひ再び進めたい事業のひとつです。
子供と一緒にマンゴーの木に登る
他にもアフリカでいろんな契約を進めていました。アフリカの交渉方法を簡単に書くとこんな感じ。
・日本で言うところの霞が関に行って政府に飛び込み営業
・1人と仲良くなって紹介してもらう
・紹介してもらった人に紹介してもらう
・気に入ってもらえるように、政府の人の家族と遊ぶ
・子供と一緒にマンゴーの木に登って遊ぶ
・政府の人たちの家族みんなと仲良くなる
・信用してもらう
政府の関係者を全員エクセルにまとめまして。「Aは受注間近、Bはあと一歩。」みたいなのを1人1人現状がどうなっているのかを可視化しました。
これを使って政府の人の名前を数十人分そこに書いて、「このひとはB、解決策は子供と遊べばいけそう」「この人はCでも新しいテクノロジーが好きだからアフリカに売ってないPixel4を貸してあげれば喜ぶ」「このひとはキーマンだから慎重に。奥さんが厳しい」みたいな流れでやります。
いろいろな人を順番に説得して口説いていきます。最後の多数決でみんなに手を上げてもらえるように。
地味ー。就活生のみんな!海外ビジネスなんてこんなもんだよ!マンゴーの木に登るんだよ!何度も何度も怒られても気温40℃近いところで出待ちするんだよ。地味だよー。
場合によっては打ち合わせにきてくれないので、1週間前から「来週だよー」「明日だよ」「今日だよ」ってリマインドしまくってどうにか打ち合わせにきてもらいます。なんなら政府の人の奥さんにWhatsAppでメッセージ送って伝えてもらいます。それぐらいやりきらないと、そもそも打ち合わせにきてくれません。
子供とも遊ぶ
地道にこんなことをやり続けます。ぼくたちはどこまで言ってもよそ者なので、偉そうにせずに相手を尊重して地味な仕事をやり続けることが大事です。近道なんてないよ。地道に地道に仲良くなって、紹介してもらって仲良くなって許可もらっての繰り返し。飛び込みテレアポなんでも来いだよ。まずは信頼してもらうことが大事。
国交省でプレゼンしている様子。千葉さんの真似してドローン飛ばしてプレゼンしてる。
ガーナ国交省の社員専用のポロシャツもらった。嬉しい
めっちゃ説明してる
政府の偉い人の部屋。緊張してる
最初は意味わからないって言われるに決まってます。でも2回行って、3回行って、10回いけば覚えてもらえます。受付の人と仲良くなってオフィスにいれてもらえるようになって、秘書の人と仲良くなって。派手さは一切ありません。クソ暑いアフリカでただ頑張るのみです。
すべては会社のビジョンを達成するため。世界で一番おもしろいドローンの会社になるために頑張ってました。
ちなみに「英語ができればどうにかなるやろ」って思ってアフリカ行ったんですがベナンって国でいろいろやってたらここがなんとフランス語圏ww 全く読めんww 英語通じないww アフリカなのにフランス語なんだね。
全く読めん
アフリカ挑戦のため退任
屋根点検事業とアフリカ事業。大変ではありましたが楽しい日々を過ごしていました。つくった事業がしっかち立ち上がり、売上をあげていきました。
特にアフリカビジネスは大きな夢を見させてくれる市場で、自分でやっていて本当に価値があるものだと強く実感していました。
それと同時にアフリカ事業をこのまま続けてもいいのかという葛藤がありました。だってアフリカは意味がわからないことが多すぎた。
例えば、
ナイジェリアで貿易関係をやっていて儲かっていましたが、ある日いきなり政府に「今日から関税1万倍で」って言われてました。
コロナが発生した時は社員が「祈りが終わるまで出社できない」と言って遅刻してきました。
社員が腸チフスとマラリアになりました。
いきなり副大統領から連絡がきて、一緒にドローンのジョイントベンチャー作ろうって話になりました。
大統領が「この会計システム以外での管理は禁止。会計システムは50万円」っていきなり言い出しました。
こんな環境じゃ普通の経営はできないのかもしれない。Smart HRみたいにきれいな成長曲線かっこよく成長していきたいよ。。
日本で立ち上げた屋根のビジネスはSaaSなので、比較的しっかりかっちり売り上げていけます。
しかしアフリカは上がり下がりが激しいので、ちゃんと日本の投資家に向けた事業計画通りに進めることが当時は困難だと感じました。いや、実際はできると思います。やってる人たちもたくさんいます。WASSHAの秋田さんとか、天才SENRIの永井さん、ケニアの玉ねぎおじさんもしっかり調達してできてるし。本当にすごくて尊敬してます。まじですごい。
ぼくはお客さんの業界をすぐに好きになりがちです。5000円の給料が入ったらその5000円で、ぼくにアフリカ服をプレゼントしてくれる人たち。現地の言葉をいっぱい教えてくれる人たち。すぐに好きになっていました。
アフリカ事業を撤退することも視野に入れつつ、いろんな人に相談しました。ワガママばかり言うぼくの話を親身に聞いてくださったみなさんには今後足を向けて寝られません。本当に本当にありがとうございました。
「自分がやりたいようにやればいい。どんな形でも応援する。」ありがたいお言葉をいただいて、背中を強く押してくれたのは日本の事業に出資いただいていた投資家の千葉功太郎さんでした。超多忙にも関わらずアホなことばかり言うぼくの言葉を誠実に聞いてくださって感謝しています。その節は本当にありがとうございました。わざわざぼくに電話までくれて。本当に嬉しい。
千葉功太郎さんの一言で、ぼくは会社を離れてアフリカ事業を頑張ることに決めました。
たくさんの人に助けてもらいました
退任から新しく始めるまでの間にとても多くの人に助けられてきました。
特に感謝を伝えたい人が何人かいます。
1人目は、先日自らも創業した会社の代表を退任するというnoteを書いていた篠塚さん。
ぼくが悩んでいる時に速攻で「すぐ会える?」って連絡してきてくれたのは篠塚さんでした。本当に頼れる兄貴であり、尊敬する起業家の先生である1人です。
2人目はリアルテックファンドの永田さん。この人ははじめて出会った時に「あー、ことを成すのはこんな感じの人なのか」って思いました。このメッセージをもらった時に感動して泣きました。
東証一部上場企業のCFOが、わざわざ1人の小僧にこんなメッセージ送ってくれるんですよ。本当に感謝してもしきれません。
ちなみになぜかメッセージの最後が下向きの親指で返信してます(やばすぎ)このメッセージが嬉しすぎて、ぼくはこの画面をスマホのブラウザをブックマークしてまして。辛い時に見返しては「よし頑張ろう」って心を奮い立たせてました。その時に画面消さずにいたら気付いたら押してました。ごめんなさい。恩を仇で返してるわけではありません。
ぼくが悩んでいる時、速攻で連絡くれたのはいつも家入さんでした。見た目は怖いのにいつも気にかけてくれる。
このひとは本当に人に寄り添ってくれる優しい人です。いつもぼくが辛い時にさりげない優しさをわけてくれる。
独立に関してお世話になった人は他にもたくさんいます。社外取締役もやってくださった元リクルート役員の岡本さん、元インテルの宗像さん、NEWPEACEの高木新平、元福岡銀行の長谷尾さん、本当に本当にお世話になりっぱなしだったSpiral Capitalの千葉 貴史さん、Voicy緒方さん、ヤフー社長の川邊さん、heyに入社した田中絵里さん、ABEJA外木さん、東大主席卒業の宮谷くん、本当にありがとうございました。けんすうさんも素敵なメッセージをありがとうございます。
暗号かな?しかも未読。
いろんな人に助けられて今があります。本当に感謝してもしきれません。会社からはそのままアフリカ事業を譲渡していただけることになりました。この辺りの調整をしてくれた役員の榊原、株主の千葉功太郎さん、Spiral Capitalの千葉 貴史さん本当に感謝しています。ありがとうございました。ご迷惑をおかけしてごめんなさい。
アフリカでもうちょっとやってみたい。
そんなこんなで、ぼくは会社からアフリカの事業を引き継がせてもらって独立しました。
「We choose to go to the moon」とは、1962年にアメリカが月に行く際にジョンFケネディの演説で使われた有名な一節ですが、今ならこんな感じかもしれません。We choose to go to the Africa.
楽しい会社でした。本当に株主のみなさん、社員のみんながいてくれて最高でした。ありがとうございました。
■なつめぐの副音声
自分で書いても長かった。。前澤ファンドの話をメインで読みたい人ごめんなさい。本気でやってた会社を去る話だったのでちょっと止まらなくなってしまいますた。もうすぐ前澤ファンドの話だよ!後半です。
■後半:独立後の話と前澤ファンドについて
最初は地道にアフリカの現地で、小さく稼ぎつついろんなつながりを増やしながら事業をそのまま進めていました。徐々に社員も増えて組織として強くなりました。
進めていくうちにいろいろとわかることもあり、事業計画の微修正をしながら自己資金で進めていました。
アフリカ最大の問題
アフリカで一番の問題って何だかわかりますか。よくあるイメージだとごはんがないとか。水がない。家がない。
全部正解なんですが実は1番の課題は物流インフラです。
アフリカの特徴はいくつかあります。
1,巨大すぎる
どこかで書きましたがアフリカは、ヨーロッパとアメリカと中国と日本を出したより大きいんです。1つの地域としてでかすぎる。
2,国の数がおおい
ヨーロッパの50、アジアの48と比べて世界で最も地域としての国の数が多いのがアフリカです。
3、内陸国が多い
アフリカは港を持たない国が16あります。東アジア+東南アジアで港がない国ってモンゴル、ラオス、ネパール、ブータンの4つだけです。世界の内陸国の44%がアフリカに集中しています。
土地が広い、国の数が多い、内陸国が多い。この3つがあると、物流がめっちゃ大変。
道路がちゃんと舗装されて、国境を超える配送網が整備されて、港からスムーズに運べないと配送できないんです。
これがアフリカ発展のまじで大きな問題。みんな知らない大きな問題です。ごはんがないとか、水がないとか、貧困とか、これらを突き詰めるとすべて配送の問題に行きつくと言われるぐらい大きな問題です。
アフリカは14の国が収まる大陸。でかい。
アフリカの大半の道路が未舗装のままです。幹線道路も大型トレーラーで大量輸送するには狭すぎる。
食料調達コストが高いから物流、輸送コストが高いから物価が高い。
道路が未整備だと、アフリカ大陸内での貿易や、自国内での経済発展もむずかしくなります。経済だけではありません。一般の人が、学校に行ったり、病院に行くのも一苦労ですから、社会生活も充実できませんし、教育水準も上がりませんし、医療の普及も妨げられてしまうのです。
池上彰と歩く「アフリカビジネス」より
内陸国に行った時に、ちょっとした海鮮ランチセットが3000円、コーラが500円したんですよ。「なんでこんなに高いの?」って聞いたら材料を全部隣国からもらってきてるからここまで運ぶのにお金がかかると。でも周囲の人たちの給料って月1万円もないぐらい。
で、これで儲かってるの?って店員さんに聞いたら「高すぎるからお客さん来ない」って意味ないやんけそれww って一緒になって笑ってたんですけど、いま考えれば全然笑い事じゃない。やばすぎる。
飛行機から見たアフリカ。道路は1本だけ。
アニメ幽遊白書のOPはじまった瞬間に出てくる三途の川みたいになってる。
完全に一致。
例えば救急車が走れないから、緊急の患者さんが死んじゃったり、消防車が来れないから火事の時に村が全部燃えちゃったりします。学校を建てたくても海に面してるケニアとその隣の内陸国の南スーダンだと、建設費用が5倍違うそうです。お金がないのに物価が高い。
「いやいやアフリカ行ったけど意外と都会だよ。」って人がいると思いますが、それはまーーじで全体のごく一部。あれでしょケニアのナイロビ周辺とかルワンダのキガリのごく一部でしょ。あれは東京で六本木ヒルズの上層階だけ行って「東アジアは都会」って言ってる感じです。普通のアフリカはまじでやばいから!
牛を買うのにモバイル決済
アフリカでは道路以外にも、日本などの先進国では当たり前にあるものがありません。例えばぼくが間借りしている友達の家では、洗濯機はありません。シャワーなんて当然なくて井戸の水をくんで頭からかぶります。
銀行はあるけどあんまり機能していません。ぼくが拠点にしている国では4階建て以上の建物はありません。エスカレーターが国にありません。電車もありません。
こんな地域だからこそ、いきなりテクノロジーが持ち込まれると、いろんな概念をすっ飛ばしてたくさん使われたりします。これを経済用語では「リープフロッグ現象」と呼ぶそうです。
「leap(リープ)」は「跳ぶ」、「frog(フロッグ)」はカエル。二つの単語を合わせた「leapfrog(リープフロッグ)」は、そのまま「カエル跳び」という意味だ。これまでの先進国が歩んできた道のり、たとえば農業→軽工業→重工業→サービス業といった段階的発展を経ず、いきなりICTを使った先端テクノロジーでイノベーションを起こし、ダイナミックに発展する。そういった新しい現象が、いま、アフリカ各地で続々と起きている。
「リープフロッグ現象」が導く爆発的発展
有名なのはケニアの「エムペサ」です。これはケニアの通信会社サファリコムと、ボーダフォンが合同で立ち上げた会社のモバイルマネーサービスです。簡単にいうとLINE Payですね。お店で商品も購入できるし、友達にも送金できる。
これが東アフリカだととんでもなく普及している。なぜか。ここでリープフロッグです。
銀行に口座つくれない人がアフリカにはすげーたくさんいたんですよね。家の玄関も扉がなかったりするから家に現金をたくさん保有しておくのは超リスク。ぼくの知り合いのアフリカ人はお金を壺にいれて埋めたりします。でも壺にいれると虫に食われてなくなっちゃうんですって。なんだそりゃ。
銀行が使えないからこそキャッシュレスが急速に普及したわけです。
冗談じゃなく本当にマサイ族の人たちが、牛を買うためにエムペサを使ってます。
アフリカのフィンテック事情に関しては、モザンビークの合田さんって人がとても詳しいので興味ある方は連絡してみてください。
この記事わかりやすいので興味ある方は見てください。
ドローンで血液を配送
他にも有名なのはジップライン。これは超あるある有名ですね。東アフリカのルワンダの企業で血液をドローンで配送するというものです。
ルワンダが「千の丘」という意味があるぐらい丘がたくさんある地域です。だから自動車で移動しようとしても時間がかかる。
血液って常温だと固まっちゃうんですよね。だから冷蔵庫にいれておく必要がある。でもアフリカは地域によっては停電がしょっちゅう起きるので、冷蔵庫が止まっちゃう。なので血液を置いておけません。
これを解決するのがジップライン。ドローンで血液を運びます。この会社はすごくて540の病院をカバー。毎日7〜19時までの12時間で平均30回ほどドローンを飛ばしていて、1年中毎日休みなく届けています。
なんでリープフロッグが起きたのか。周囲に高い建物がなかったり、仮に墜落しても土地が広くて人や建物に当たる可能性が低いから、ジップラインは思いっきり自社のドローンを飛ばすことができたのです。
ジップラインについては、CNETの敏腕編集長で有名な藤井さん(ジョジョ好き)の記事がわかりやすいのでそちらをご覧ください。
本当にやるべきことは何だ
アフリカでドローンだけではなく、いろいろと周辺ビジネスを進めていました。どうでもいいことはやりたくない。本当に意味のあるものをやりたい。
尊敬しまくっているnoteの深津さんという方が先日こんな記事を書いていました。
もう言いたいことは全部このnoteに書いてあるので、3回ぐらい読んでほしいんですが。
勝手に画像を拝借
ちゃんと世の中のためになること、そして事業としても成り立つこと。どうでもいいビジネスをつくっても何の意味もありません。お金は儲かるし、世の中のためにもなる。この2つを両立させることが大事だと思ってます。
「『任務は遂行する』『部下も守る』『両方』やらなくちゃあならないってのが『幹部のつらいところだな』 覚悟はいいか?オレはできてる」
byブローノ・ブチャラティ
アフリカでの日々
この写真好きなんですけどこれ「ベナンの国土交通省、航空局のみなさん」です。めっちゃ笑顔w
先日、航空局の大臣が定年退職になりまして。その人が新しいガジェット好きだけどドローン見たことがない。そこでサプライズで呼ばれました。その時の写真。
ドローンで写真撮ったあとに、みんなの前でいきなりしゃべろって言われまして。思わず「ベナンの航空産業をつくったxxさんのために。日本から来ました。」って言ったらまじで感謝されてしまって困った。ウソです。このために来たわけではありません。
他にも海ではみんなで漁をしてます。
地引き網
偉そうに指示を出すなつめぐ
↑良い写真なかったからフリー素材とってきた
楽しいマイホーム
オフィスで打ち合わせ
世界を見返す大逆転
アフリカで細かいビジネスをしつつ、仮説をつくっては検証してました。中途半端なビジネスではなくアフリカのハッピーとお金もしっかり稼げるものはないか。失敗の繰り返しでした。
昔は大企業できれいなビルで高い給料もらって働いていたのになんで今はシャワーの代わりにバケツで水をかぶってるんだろうって思うこともありました。
試験がなげーよ坂井さん
いろんな村に行って話を聞いて、政府の人と話して考えて。実験して失敗してそんな日々を過ごしていました。なかなか結果がでない中で社員にはハッピーな顔をしながら鬱っぽくなりどんどん闇落ちしかけていたこともありました。
ある日、とある政府の人と話していた時です。政府の人がこんなことを言っていました。
「アフリカは昔から世界に虐げられてきた。いま先進国にあるものは何もない。しかし何もないからこその自由がある。
あなたの力で10年後の新しい先進国を作ってほしい。貧しい国、恵まれない国アフリカというイメージを世界最高の先進国へと変えたい。世界を見返したい。」
「見返したい。」ぼくは今まで自分の会社がどうやって稼ぐのかという発想しかありませんでした。しかし国として大逆転するという発想は目からウロコでした。たしかにエムペサとかの例があるのでアフリカから事例をつくることはできるかもしれません。
それから政府の方と一緒に、道路がない地域に連れていってもらいました。実際に配送がなくて困ってる人たちの話をたくさん聞きました。子供が毎日水を運ぶのに往復4時間かけています。携帯を充電しにいくのに往復4時間かかります。
こんな場所。たしかに何もない。
何もない地域の人たちの話を聞いて、政府の人と何度も何度も議論に議論を重ねて、どうしたらアフリカを先進国にできるのか。出た案がこちら
「道路のないアフリカに空の道路をつくる作戦」です。
地面に道路をつくるよりも、ドローンの道をつくろう。そうすれば車の市場、配送の市場が全部空にできるからとんでもなく大きな市場をつくれるかもしれない。しかもアフリカだからこそできる。
先進国だとドローン飛ばそうとしても、都市部は無理。
でもアフリカならいける
高い建物がないから飛ばせる。当たり前だけど大事な事実。
ちゃんと儲ける
空に道をつくりましょう。ってのは良いとしてそれでじゃあどうするんだって話ですよ。NPOじゃないのでちゃんとぼくたちが稼がないと意味がない。noteの深津さんが書いてた、世界のためになる、自分たちも儲かるの両立が大事。そこで生まれたのが「政府向けドローン導入パッケージ」です。
簡単にいうと
・法整備
・ドローンの申請
・周辺ビジネス
これを政府と一緒にやります。
車で例えるとわかりやすかもしれない。
今のドローンの現状は「誰でも車を買えて、無免許運転で走りまくれる。事故っても誰の車かわからない。これはやばすぎる。これを政府と一緒に整備します。
整備とは、車でいうところの「免許証」と「車検」をつくります。
例えばナイジェリアだとこんな感じのサイトでドローンを飛ばす人を管理しようとしています。
タイはこんな感じ。
日本は法律が2022年からはじまります。
アプリで管理
アフリカではPCもってる人なんてほとんどいません。紙で提出とか管理がやばい。なのでみんな大好きスマホで完結できるようにしました。
・アプリでさくっと申請
・質問にはメッセンジャーにAI(人力)が回答
・「3ヶ月手軽に飛ばす券」などをアプリで購入
・飛ばして良い場所、悪い場所をアプリでお知らせ
既存の制約がないから、法人でも手軽に申請できるように環境を整えています。
お金をもらえるポイント
ここでビジネスモデルのお話。ドローンの機体や免許証を申請してもらったらそこから手数料がぼくたちの会社に入ってきます。
申請するのが嫌な人は逮捕されてしまいます。飛ばしたいなら申請しましょう。
ちなみに日本だと、タバコのJTは財務省が30%の株を保有しています。JTが儲かると財務省が儲かるようになっているんですね。さすが元国営企業。株主の欄を見ると財務大臣が株主なんですけどね、こうなると日本の政府もタb…うわなにをすくぁwせdrftgyふじこlp
こんな感じでアフリカの国でドローンの申請(免許証、機体)をすると、ぼくの会社に手数料が入るようになっています。
昔ドローンを申請していた時の紙です。これが全部デジタルになりました。
2018年にアメリカでドローンの申請って約100万件近くの申請があったんですよね。これが例えば1件あたり手数料が2000円だとすると年間20億円。だいたい1年か2年で更新なので継続的にキャッシュが生まれます。産業自体はこれからどんどんと伸びていくだろうし。
あとはドローンでできること、たとえば測量や、空撮、点検などを政府と一緒に発信してドローンを使う人を増やしていけば、どんどん登録者が増えていくチャリンチャリンモデルになります。
大事なことは「ドローンを使う人が増えると政府が儲かる」これを設計したのがポイントです。
例えばこれを政府が儲からないと、ドローンは危ない上に儲からないので、どうなるかっていうと「罰金で稼ごう」とします。
ドローンを飛ばしてる人をとにかく逮捕して、罰金をもらった方が儲かるからです。でもそれだとテクノロジーが全然発展していかないし、ドローンの可能性を消してしまうのでもったいない。
「ドローン使う人が増えると、政府が儲かる仕組み」をつくって、アフリカ中をドローンが飛び回る未来を作っています。
政府が儲かる仕組みをつくらないと、政府に禁止されてしまう。禁止されたら新しい産業は伸びないのでまずはここからです。
ゴールドラッシュのデニム
ぼくたちは申請に関してのビジネス、車でいうところの車検や免許証の発行をやってるのは書きました。他にもあります。
ドローンは物理的に存在するものなので、ぶつかったり落ちたりする危険性はゼロではありません。そのために保険に入ってるかどうかも申請時のチェックポイントに入っています。車やバイクでいうところの自賠責保険みたいなものですね。
「え?保険に入っていない?じゃあこっちの会社の保険がおすすめですよ。国が認めているドローン専用の保険です」って感じでオススメするのはぼくの会社がやってる保険!
保険が必要とだけ書いてあると、なぜか生命保険で出してくる人とかいるんですよね。なので変な保険で申請がきたらこっちの方が安心ですよってぼくたちの会社の保険を提案します。
・ドローンの申請の手数料
・パイロットの申請の手数料
・保険も!(NEW)
さらに
たまにいるのが変な改造した機体で申請してくる人です。車検みたいなものなので安心安全な機体じゃないとOKはだせません。そんな時は!ぼくの会社がやってる販売代理店!世界で一番有名なドローンの会社DJIの商品を購入することができます。
機体の購入もぼくの会社に販売手数料が入ってくるようになりました。
・ドローンの申請の手数料
・パイロットの申請の手数料
・保険
・機体の手数料(NEW)
ドローンを飛ばしたことないのに、申請してきても危険です。飛ばしたい人は学校に通いましょう。自動車で言うところの教習所みたいなイメージですね。これもぼくのドローンの学校を運営する会社で請け負います。
自動車でいうと、車検、免許証、教習所、自賠責保険、任意保険、名前はちがうけど全部ぼくがオーナーやってる会社で受けます。
これがドローン導入パッケージです。
・ドローンの申請の手数料
・パイロットの申請の手数料
・保険
・機体の手数料
・教習所(NEW)
1849年にカリフォルニアで金がたくさん出て、ゴールドラッシュの一攫千金が起きました。この時に本当に儲かったのは金をゲットした人じゃなくって、ツルハシを売った人、ズボンのGパンを売った人(後のリーバイス社)というのはよく聞く話ですよね。ちなみにGパンじゃなくってデニムですってDMきました。違いが何かはわかりません。
そんな感じでぼくたちはドローンの周辺ビジネスを政府と進めています。
なんのために法律つくったの?
おととしnoteにこんな記事を書きました。
ドローンに関する法律を、西アフリカの国の国土交通省と一緒につくる手伝いをしたんですよね。これなんで作ったのかっていうと、ずっと秘密にしてたんですが、すごい秘密があります。
「ドローンは危険だから申請が必要。申請する際は国が認めた公認企業がチェックする」って法律にいれてもらったんですよ。
公認企業はぼくたちの会社1社だけ!!!!
これによって他の企業が入ってこようとしても法律的に入ってこれなくなりました。やりたければ法律を変えてくれ!
日本も実は昔、農薬を散布するヘリコプターはヤマハ製しか使っちゃダメってのが法律で決まってたとか決まってないとか。だからしれっとロビイングして実施するのは意外といけます。これをアフリカでやるのは実際相当な頑張りが必要になりますが。
法律つくった時の会議。いろんな大臣が集まってる
・・・って言いたかったんですが、この法律をつくってから約2年。まだちゃんと施行されてません。。うーむ。
規制は大事
ここまで好き勝手書いた内容と若干矛盾するかもですが、新しい産業を推進する人たちからしても規制はすごく大事だと思います。
日本のドローン産業は、2015年4月22日に東京都千代田区永田町にある総理大臣官邸屋上に1台のドローンが落ちたことで、一気に法整備が進みました。
これで「ここまではNG」って明確に決まったんですよね。明確に決まることによって、使って良い範囲も決まりました。日本のドローンの制度は叩かれることが多いですが、他国と比べた時に法人として利用しやすいものになっています(個人で使い辛いのは今はやむなし)
新しい産業をすぐに取り入れようとして、大事故が発生しては元も子もありません。大事なのは「活用を視野にいれた制度つくり」です。日本はすごく上手に進んでいます。関わっているみなさんは本当にすごい。
アフリカだとこれをもう少し雑に進めることができます。「この地域一帯は一旦ドローンは好き勝手だれでも飛ばしてOKにしよう」ってぐらい自由にできます。
ますは整備、次に配送
アフリカに空の道をつくる。そのためにまずはドローンの環境を整備してぼくたちも政府もお金が儲かってドローン市場が大きくなる土壌をつくります。
整備が整ったら物流事業も進めていきます。アフリカで配送事業が立ち上がるためにはぼくたちだけが単独でやるのは現実的ではありません。日本でもヤマトがいるし佐川もいる。いろんな企業が参入してきた方がより市場が大きくなって成長すると思ってます。
なのでまずは「市場が大きくなる仕組みつくり」が大事。今いきなり配送やって政府に禁止されても困ります。確実に且つ大胆に。
前澤ファンドについて
創業からずっとぼくが100%株を持って進めていました(アフリカで登記済み)調達しなくても自己資本でそのままいけていたので調達する気はなく粛々と事業を進めていました。政府導入パッケージも評判がよく順調に進んでいます。
そんなある日、前澤さんが書いたnoteが流れてきました。
要は前澤さんが10人に10億円ずつ出資するファンドだそうです。な!な!なんじゃこりゃー!
既存のVCや上場企業の社内ファンドなどと比べ、背負えるリスク、意思決定のスピード、経営のバックアップ、話題性と影響力、明確なビジョンなど、前澤個人が柔軟に動ける個人ファンドならではの強みが多数あります。
たしかに前澤さんだからこそとれるリスクもあるかもしれない。経営陣で10億円があるパターンと、今の進め方のパターンどちらが長期で考えた時により良い未来をつくれるか検討した結果、応募することにしました。
規模感の違い
前澤ファンドに提出する資料で、事業計画を出す必要がありました。ぼくたちが作っている事業計画はバカみたいに大きい規模になっていたので、もうちょっと空気を読んで数百億円の規模感で提出しました。それでも大きすぎるかなーって思ってたんですが、前澤さんからきたフィードバックがこれ。
計画されている収支や成長率では、今回の10億円規模の投資に見合ったビジネス提案としては不十分に感じました。また、将来的な上場やエグジットを考えた場合においても、市場規模やビジネス自体のスケールが小さく、投資回収が困難になる可能性が高いと考えます。
スクショ貼っていいのかな。ダメって書いてないから大丈夫だと思うけど。追記:転載に変更しました。
規模が小さすぎるww
めっちゃ笑って、それならぼくたちが普段つかっているのをそのまま出そうよってことで桁を大きく変えて再提出しました。さすが前澤ファンド。ごめんなさい。舐めてました。
前澤ファンドに提出した事業計画書の数字。下振れあるよねとか言っておきながら数字はバキバキに作ってましてこれを提出しました。
この数字は今ノリに乗っている会社のCFOっぽいガチムチがお手伝いしてくれています。ホームランのためには身近な数字を1つ1つ確実に達成していくのみです。地道にがんばる。
10億円の出資は1年ちょいで使い切るぐらいのスピード感で出してます。アクセル全開。それぐらいでやらないと「アフリカ×ドローン」とかいう意味わからない領域で成果は出せないですからね。塁に出るより場外ホームラン。ちなみに送りバントって意味ないの知ってました?ぼくは最近知りました。
競合との差別化ってなんだっけ
前澤ファンドからの質問で、「市場はありますか?ないなら意味ある?あるなら大手が参入してきた時にどうする?」的な質問があったんですよね。確実に考えておかなければならない質問だし、日本で調達しようと思っても1万回ぐらい質問される内容。
そこに対して、一応普通の回答はしましたけど基本的には「優位なことはない。差別化もない。でも市場がとっても大きいから今は大丈夫。」って方向性の回答しました。それに対してポジティブな反応をしてくれた前澤さんはやっぱりすげーなって思いました。差別化しろよ。
まぁ正直ほんとーに差別化できるなことがないんだもんなぁ。他の会社どうしてるんだろ。noteなんてどこでも作れたじゃん。それをこのレベルまで作れる加藤さんや深津さん含むメンバーのがんばりの賜物でしょ。ぼくは知見も人とのつながりもあるからできると思ってやってるんですが、そんなものは知らん。ちょっと先の未来は差別化できるだろうけど今は知らん!市場でかいから問題なし。
10億円の使い道
政府導入パッケージをアフリカ30ヶ国で一気に展開予定です。これが進めばまじでアフリカが1年間で一気にドローン天国です。ミスれば10億円がサヨウナラ。ここに10億円ぜんぶ投資します。アフリカがドローン天国になれば、最初政府の人と話していた「貧しい国アフリカのイメージを変えて、すごい先進国アフリカ」をつくることができる。世界ではじめてドローンがバビューンバビューン飛びまくる大陸、ドローン先進国つくりに一気に投資します。
コロナによって生まれた新たな差別
前澤ファンドに出したのが2月上旬。その直後いきなり世界を変えてしまったのがコロナ。ぼくの周囲にも高齢の家族がいる家庭や、お子さんがいる家庭が多くいるので本当に心配でいち早く終息してくれることを祈るばかりです。
海外旅行に行く人なら経験したことがあると思うんですが、途上国を歩いていると「チャイナ!」って呼ばれることがあります。おじさんたちからすると昔はこれが「コンニチワ!ジャパン!」とかだったのかもしれませんが、だいたい「ニーハオ!チャイナ!」って呼ばれます。
そのたびに「ちがうよー日本人だよー」って返していたのですが、アフリカの人たちからすると、中国も日本も特に違いがわかりません。ぼくたちだってジプチとタンザニアの違いわかる人あまりいないのと同じですね。ちなみにジプチは世界で一番暑い国としても有名で過去最高気温は71℃。スマホ爆発するわ。
今までは笑い話で済んだのですが、最近だと中国との違いがわからなくて「コロナ!」と呼ばれて石を投げられたり、差別を受けます。アフリカだとアジアっぽい顔の人はコロナだから危険ってイメージです。悲しい。
知識がないからこそ怖くて、一歩間違えればリンチされて殺されてしまうかもしれません。本当に怖い。アフリカだと土地が広くて密集していないですし、密閉空間も少ないのでコロナへの感染リスクは少なそうですが、コロナへの感染よりもこういった人災がとても怖い状況にあります。
アフリカに住む日本人全員に帰国の連絡が、外務省から来ています。
https://www.anzen.mofa.go.jp/info/pcwideareaspecificinfo_2020C045.html
先日、まだそこまでコロナがアフリカに広まっていない時期。日本人のスタッフがアフリカ人の同僚と一緒にアフリカで道を歩いていたら「コロナ、コロナ」と言ってからかわれました。
これだけならいつもの事なんですがこの時は相手の人たちがけっこうしつこくて「ここはブラック(黒人)の街だ」「ホワイトはコロナをうつす前に早く国へ帰れ」と言ってきました。そしたらぼくの会社のアフリカ人のスタッフはブチ切れまして。相手の胸ぐら掴んで
「おれたちは肌の色とか関係なく、アフリカを発展させるためにやってるんだよ!!!心は同じ人間なんだ!!!日本人を馬鹿にするな!!!」
って言ってぶん殴ってました(殴るな)それから周囲の人が慌てて止めに入る大喧嘩になったんですが、殴るのはダメですがぼくたちのために怒ってくれたことは少し嬉しかったですし、彼のためにもっと頑張ろうと思いました。
ちなみにこれはアフリカの大学でコロナで緊迫した時に起きた暴動です。依頼されてドローンで撮影しました。このような内容を安全な場所から保存管理しておけるのはドローンの良いことかもしれません。
ドローンで VSコロナ
コロナの状況では人が外にでることができません。こういう時にドローンで全部解決できる未来をつくりたいんですよ。実際に世界ではこんな感じで使われています。
1,呼びかけと監視
ドローンには拡声器(スピーカー)を取り付けできるものがあります。
手元のコントローラーで話した内容が拡声器から流れます。なので外に出ちゃダメな人たちに向かってドローンを使って呼びかけています。注意しに出歩く人も感染リスクがありますからね。外に人がいないと悪いやつが何かするかもしれません。そういった街の監視にドローンが使われています。
2,配送
これはトイレットペーパーをドローンで運んでる様子ですね。半分ネタっぽいですが法人でちゃんとやればもう少しいろんなやり方がありそう。
日本だとクロネコヤマトの人がコロナに感染しちゃいました。すごく悲しい。ドローンを使えば少しでもこういった事例を減らせるかもしれません。
当社における新型コロナウイルス感染者の発生にともなうご案内(千葉県松戸市)http://www.kuronekoyamato.co.jp/ytc/info/info_200403.html
今、世界はコロナによって急速に変化しています。株主総会もオンラインでできるようになるし、遠隔医療も進んでいます。ドローンもこの流れで普及していく準備が必要だと考えています。今もしアフリカで自動で家まで届くドローンがあれば救える命があるかもしれません。
アルコール除菌があと1週間早く届いていたら助かる命があったかもしれません。アフリカではけっこうまじで1日違えば生死に関わることがたくさんあります。なのでこのタイミングだからこそアフリカとドローンは超大事です。
メルカリさーん
ドローンだと人が動かずに配送できます。コロナの今でも安全です。日本だといますぐは無理かもだけど、アフリカならできます。明日からでもできます。メルカリさーん!進太郎さーん!りっちゃさーん(退職済み)注文がきたら、出品者の家までドローン飛ばす→荷物をいれてドローン出発→購入者の元へ→30分で完了できます。実験しませんかー!自由に実験できる場所ありますよー!
メルカリさん以外も読んだ方は気軽に連絡ください。zoomでお話しましょー!kazuki.natsume.rbj@gmail.com に連絡くれてもTwitterのDMでもいいですよー!お待ちしてますー!
おわりに
予定がコロナで全部吹き飛んでしまいました。久しぶりに時間がたくさんできたので、備忘録がてら今やっていることを書いてみた次第です。
アフリカでドローンは本当に未来があります。
たとえば数年後、大学の経済学とかの授業で、「アフリカは銀行がないから、まず最初にフィンテックが流行りました。建物がないからドローンがたくさん飛びました。これがリープフロッグ現象です。既製の産業がないからすぐに導入されました」って言われたらすげー普通に「あーそうなんだ」って普通に納得すると思います。
盗まれるかもしれない現金より電子マネーの方が便利だし、道路つかって車でモノを運ぶよりもドローンで全部自動で運んだ方が絶対速いでしょ。当たり前じゃん。
当たり前だけど、実現できてない未来です。
まだ本格的に実現できていないのは、単純に誰もやってないからだと思ってます。いつかは絶対きます。確実にくる未来を10年後になるのか20年後になるのか。これを少しでも早く実現できるように動いています。
数年後に、アフリカの空をドローンが今の車ぐらい飛びまくって、世界で最初のドローン先進国にします。
産業革命から負けつづけてきたアフリカから、ド派手なジャイアントキリングをぶちかましていきたいと思います。
がんばる。
おまけ
このブログを書くにあたって、数年分の想いを一気に書いたら文章が完全に意味わからないことになってしまいました。そこで文章のプロないろいろな人たちに助けていただけました。まだぐちゃぐちゃな段階から見てくれて本当にありがとうございます。narumiさん、941さん、kaiさん、いいねって言ってくれたfladdictさん感謝。
前澤ファンドの結果はかなり前にもらっていたんですが今回えりらざぴさんの記事に感化されて書いております。らざぴさんの素晴らしい記事もぜひ見てみてください。
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