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〈読書記録〉じい散歩 


夫婦合わせて180歳。散歩が趣味の新平と妻の英子。
息子は、3人。借金まみれの3男。次男は、自称「長女」、長男は、引きこもり。

そんな明石家の日常が綴られる本書。毒づく新平が甲斐甲斐しく妻の世話をし、息子たちを甘やかす姿がなんとも言えず胸にぐっときてしまう。

妻の英子は、少しぼけてきていて散歩にいく夫の浮気を疑っている。その姿がかわいく描かれているのがいい。新平を慕っているのが伝わってくる。

90を超えて妻の面倒をみる新平にとって散歩は重要な息抜きである。好きなコーヒーを飲み、街の人と接しリフレッシュして帰ってくる。この散歩の場面が楽しそうで、一緒に散歩している気分になれる。

老後を考える年代にとって、この話をしみるなー。
そして、自分も運動不足なので、英子のようになった時に自分の世話をしてくれる人はいるのだろうか、と不安になったりする。でも、この物語はあまり悲観的になりすない。どこかクスっと笑えるようなところもあり、救われる。


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