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イタリアの教会に漢字、日本の紋章、そして和服姿のマリア様⁉

このフレスコ画は、イタリア、ローマの外港チヴィタヴェッキアの教会にあります。

描いたのは日本人画家、長谷川路可氏(1897年~1967年)。

正面天井壁画 桃山時代の盛装をした聖母子(中央)
聖フランシスコ・ザビエル(左) アッシジの聖フランシスコ(右)

この教会の建立が決まった1860年代、イタリアはまだ完全に統一されていませんでした。そして、チヴィタヴェッキアはローマ教皇領の重要な港で、数々の宣教師たちがキリスト教をひろめるために世界に旅立っていった場所でした。

ちょうどその頃日本では江戸幕府が倒れ、キリスト教が解禁されたため、カトリック教会において日本への関心が再び高まりました。そして、その時から260年程前に豊臣秀吉の命で大阪、京都で捕らえられ、長崎で処刑された6人の外国人と20人の日本人信者が列聖されたのです。

この教会はその26人の殉教者に捧げられ、日本聖殉教者教会(Chiesa di Santi Martiri Giapponesi)と名づけられました。

当時の建物は、第二次世界大戦中の爆撃にて1943年8月30日に崩壊。

現在の建物は、1950年に再建されたものです。ヨーロッパで唯一「日本二十六聖人」に捧げられた教会です。

後陣正面 二人の神父とともに一番右に最年少の殉教者12歳の聖ルドビコ茨木 
後陣左側
後陣右側
聖壇左側 右下の少年は13歳の聖アントニオ
左下には、画家の自画像も描かれている
聖壇右側 フランシスコ会の世話をするために仲間に加わり捕縛された 大工の聖フランシスコ吉
チヴィタヴェッキアにゆかりの深い支倉常長
教会の前には聖フランシスコの像

この26人に続き、日本では20万人もの殉教者がいたとされていますが、この世のつかの間の命を天国の永遠の命に取り換えたいと思うような時代に生まれてこなかったことを感謝し、毎日を大事に生きていきたいと思います。

素直にうれしいです。ありがとうございます。