見出し画像

急性期病院から訪問看護に転職したワケ

現役看護師2児ママライターのなつこです。

看護師の皆さん、毎日の激務お疲れさまです。
忙しい日々の中で、「転職」を考えたこともあるのではないでしょうか。

こちらの記事では、急性期病院に6年間勤めた看護師が、なぜ訪問看護に転職をしたのか、転職した今どう思っているのかお話しします。

【転職先の候補に訪問看護があがった理由】

急性期病院で6年間勤め、真逆ともいえる在宅看護への転職を考えた理由、それは「患者家族との時間」を大切にしたかったからです。

患者の家族が「うつ」になり家族看護の重要性に気づく

わたしは集中治療系病棟で6年間勤務しました。
患者の入れ替わりが毎日多くありますが、中には1か月以上の長期入院をしている方もおられます。
Aさんもその一人で、奥様が毎日泊まり込みで付き添っていました。
担当させていただく機会が多く、こまめに奥様に声をかけ、労っている「つもり」でした。
しかし、集中治療室は重症患者が集まる場所。業務や急変が多く、家族との時間を確保できてもせいぜい5分程度
その中で起こっている奥様の変化に気づくことができませんでした。
Aさんが入院して数か月後、奥様は「うつ」の診断を受け入院
わたしは後悔の念しか残らず、自分はなんて無力なんだと感じた瞬間でした。
この経験があり、わたしは「家族看護」の重要性に気づいたのです。

家族看護とは

家族看護の本来の意味は、夫、妻、子などの特定の個人を表すものではなく、家族というひとつのチームを対象とした看護のことです。

当時、わたしは奥様を支えてくれる人物がいるのかを全く考えていませんでした。
振り返ったときに、その存在を見つけ出していたら何か変わっていたかもしれないと思ったのです。


ではなぜ、訪問看護だったのか。
それは訪問看護がゆっくり時間をかけて患者や家族と関われる分野だとイメージしていたからです。

【同行訪問をしたことが転職を決定づけた】

訪問看護ステーションによって、面接や就職前に現場を知ってもらう目的で利用者様のお宅に同行させていただく「同行訪問」のシステムを設けているところがあります。
わたしもそのシステムを利用し、訪問看護の実際を見させていただきました。

病院の雰囲気との違いに衝撃を受ける

伺った利用者様はご自宅で点滴治療をしているほぼ寝たきりのBさん。
主介護者は奥様です。
驚きました。病院で点滴を受けている患者の病室とは全く雰囲気が違い、明るく談笑しているのです。それも疾患や治療内容などの重い話ではなく世間話。
その中に出てくる些細な一言に反応して、問題点や改善点を見つけ出す看護師。それも30分という、病院ではまず確保できないゆっくりとした時間の中で。
それは病院勤務しか経験したことのないわたしにとって衝撃であり、大変魅力的でした。

この同行訪問が訪問看護への転職を決定づけました。

【訪問看護に転職した今思うこと】

訪問看護の道に進み現在6年目。
転職した今、「正解だった」と思えるほどのやりがいをもって仕事に取り組めています。

「訪問看護の現場はゆっくり関われる」というイメージは事実です。
わたしが重要視していた家族看護を提供できる場で間違いありませんでした。

いろいろなご家族の関係性がありますが、利用者様を支えているのは看護師ではなくご家族です。

ご家族という「チーム」が最大のパフォーマンスを発揮できるようにサポートすることがわたしたち訪問看護師の役割だと思っています。

大変な介護を「チームで」なるべく笑顔で乗り越えていけるように、「患者家族と関わる時間」を大切に、これからも訪問看護に携わっていこうと思っています。

最後に

訪問看護に転職したきっかけをお話ししてきましたが、いかがでしたでしょうか。

訪問看護への転職は、ハードルが高いと思われがちです。
決して楽ではないですが、それは病院勤務も施設勤務もみんな同じ。
訪問看護をやってみたいという思いがあれば、だれでも挑戦できる分野です。
この話を通して訪問看護への転職が、みなさんの候補になれば幸いです。

次回以降は、「訪問看護への転職で失敗しないコツ」や「訪問看護師として働くことのメリット、デメリット」などをお話ししていきます。

訪問看護だけでなく、子育て関連の記事も書いていく予定ですので、ご覧になってください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?