短編小説『月』
「月が綺麗ですね。」
(これは、告白か!?もしかして、これは告白ではなかろうか?
もうほぼ告白だよな?いいのか?告白と受け取っても?)
彼女の言葉に答えの出ない難題を見て勝手に思案していると、
「ほら、とっても真っ赤で珍しいですよ?」
(危ねぇ!!危うく騙されるところだった!
赤い月で綺麗って事だよな、知ってた!
そうだろうと思った。。。はぁ。)
「ふふ、、やっぱりあなたと居るといつも楽しいです。」
(!?!?!?こんなの好きになるやん!!!!!)
「そう?ならよかった!俺も楽しいから嬉しい!」
「これからも仲良くしてくださいね?」
笑顔で言う彼女は、とても綺麗だった。
「(よろしくお願いしま)す!」
俺は、笑顔でそう言ったつもりだった。
実際、見惚れていたのもありちゃんと笑えていたか分からないが。
「ありがとうございます///、さ、も、もう行きますよ?」
彼女は、少し照れたように笑って、そっぽを向いて歩き出してしまった。
(いつかこの想いを伝えられるだろうか。)
そしてまた俺は、彼女との会話を楽しみながら、月夜の街へと沈んでいくのだった。
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