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名前さえ知らない

長い髪は風に吹かれ

サラサラと静かに揺れていた

その横を自転車が走り抜ける

緑色の木々の間を歩く

夏の陽差しを避けるように

セミの音を楽しむように


まだ名前さえ知らない

春の風の中ですれ違った時から

桜の下の笑顔と視線がぶつかった時から

制服に身を包んだ彼女の後姿が

すぐに瞳に映るのは

知らず知らずに姿を探していたから

君の声が聞きたい

君の笑顔が見たい

閉じ込める想い

夏の陽差しの下を歩く

その横を自転車で走り抜ける

まだ名前さえ知らずに



Words written in 1994.
from "黒歴史ポエム"


過去のボクは昭和の固定観念や慣習に縛られ、自分や家族を苦しめていた事に気付きました。今は、同じ想いや苦しみを感じる人が少しでも減るように、拙い言葉ではありますが微力ながら、経験を通じた想いを社会に伝えていけたらと思っていますので、応援して頂けましたら嬉しいです。