チャート分類大全①~4つの理念型~
自分の知識の整理のために今後数回に分けて値動きの型を投稿していこうかと思っている。そのためにチャート分類の理念型を載せていく。
あくまでも個人的な理念型に過ぎないので、テクニカルの書籍などとは異なる部分もあるかもしれないが、私の実践に基づく実用的な理解を形にした ものなので、無駄は少ないと自負している。
記事を書くのは自分用のメモ目的ではあるが、一応一貫性を持たせるつもりであるので安心してほしい。
※添付画像について
画像は実際のMT5のスクショである。今回はUSDJUPYの5分足であるが、基本的にメジャー通貨であればどの通貨ペアにも共通すると思っている。(ボラティリティの低いペアには該当しない。)
時間軸は5分または15分であれば通用する。1分足も市場参加者が多い時間帯であれば大丈夫だが、やはりベストは5分足である。(個人的に1H足で取引する場合には相対的にクソ相場が増えるのでおすすめしない。)
4つの理念型
4つの理念型は、以下の通りである。
1 トレンド
2 調整波
3 ショック
4 不明(説明できない形)
トレンド
波動が一方向に伸びていくことを「トレンド」と定義する。
具体的なトレンドの構成要素としては(上昇に限って定義すると)、
①高値の切り上げ
②安値の切り上げ
③上の①、②が時間的に継続すること
トレンドこそが最大にしてほぼ唯一のまともな取引機会であり、これを認識するために、すべてのチャート分類があると言っても過言ではない。
応用のきく理念型として、トレンドとは「高値の切り上げと安値の切り上げが時間的に継続する形」とだけ覚えておくことが重要である。それ以外の知識は言ってしまえば「余計なもの」に過ぎない。
別にすべてのトレンドがエリオット波動を刻むわけでもないし、必ずしもトレンドがN波動を作るわけでもない。確かにエリオット波動を確認できれば、強いトレンドの可能性があるが、巷で言われているようなエリオット波動の理解では、エントリーの機会が失われれしまう。
そして、エリオットやN波動だけが利益機会を有するトレンドというわけでもない。上図のようにいきなり上昇が始まり、フィボナッチ的に明確な押し目を作ることなく進行してしまうトレンドも多い。むしろ強いトレンドほど利食いや反対売買が介入しない分、押し目は出現しにくいのは毎日相場を観察している人ならよく分かるだろう。
繰り返すが、トレンドとは「高値の切り上げと安値の切り上げが継続する形」である。N波動もエリオット波動もこの理念型の一種に過ぎないのだ。
調整波
トレンドではなくショックでもない相場を調整波と呼ぶことにする。世間的には「レンジ」と呼ばれるものの一部を「調整波」と定義する。つまり、世に言う「レンジ」を「調整波」と「不明」の2つに分ける。
ここでいう調整波とは、レンジの中でも、トレンドの後やショックの後に現れる”トレンドとは反対方向の動き”または”方向性のない動き(横ばい)”のことを指す。
具体的に構成要素を挙げると、
①トレンドの途中または終わりに出現
②トレンド(ショック)波動よりは短い
③明確な方向性はない動き
あえて文章で表現するならば、「トレンドに逆行する方向への値動き(ただしトレンド波よりは短い波動)」または「トレンドの後に現れる方向性のない相場」のことである。(「~ではない」という定義はあまり適切ではないので、こういう間接的な表現となってしまうが・・・)
なお、②の「トレンド波動(推進波)よりは短い」にも一部例外があり、私が個人的に「100%調整」、「125%調整」と呼んでいるものがあるにはあるが、基本的にはトレンドよりは短いのが調整波である。
調整にはいくつか分類があるが、改めて解説するのも面倒なので、こちらの記事を参照されたし。
レンジを定義しない理由
レンジをことさら明確に定義したり分類したりしない理由は、個人的に私はレンジでは取引しないからである。
重要なのは、一方向的に価格の変動が進行するトレンドとショックの2つだけであり、ボラティリティが小さく相場に方向性のない(利益機会にならない)レンジを詳しく分析する動機がないのだ。ゆえに必要なのは、レンジそのものではなく、トレンド後に出現するのが調整なのか、新たなトレンドなのかだけであって、クソ相場に過ぎないレンジに用はないのである。
ショック
瞬間的な高騰または急落を「ショック」と呼ぶ。
一方向的な価格の進行という点でトレンドと同じであるが、直近の値動きに比べボラティリティが急激に拡大し、価格変動が瞬間的に現れるものを特にショックと分類する。
きっかけは材料発表や市場のサプライズなど様々であろうが、とにかくチャート上に急激な価格変動が現れたものを「ショック」と定義し、トレンドとは明確に区別する。
ショックは、重要な経済指標などが予めわかっている場合には、事前にポジションを外すなど意識的に回避することができるので、さほど問題ではない。
かつ圧倒的に大きな値動きとなるため、両建てしたとしても差額分利益が出る場合があり、十分な取引機会と言える。価格変動幅が最大級という点においてショック相場は千載一遇のチャンスにもなりうる。
わかっていない連中が多いが、ファンダメンタルズ的な要素を多く含む材料発表の結果を予測したり、アナリストの見解を集めて「相場がどっちに動くか」を予測することに意味はない。まず当たらないし当たっても意味がないのでやめた方がいい。(そういう予測が好きなヤツは競馬でもやってろ)
「再現性のない予測の的中には意味がない」という意味で、先出しFX実況者がたまたま利食いできたことを「すごい」と思ってしまうニワカ信者とよく似ている。
不明
上記3つで説明できないあらゆるチャート形状は「不明」に分類する。トレンドでもなく調整波でもない値動きはすべて「不明」である。
調整波との明確な違いは、相場の意思が存在しないという点である。調整の項目でも言ったが、私が調整波と呼ぶのは、トレンドの直後に現れるトレンドとは反対方向の値動きまたは高値安値の更新が止まった横ばいの値動きを指すので、不明とは明確に区別される。
例えば、アジアタイムが始まる前のUSDJPYやロンドンタイムが始まる前のGBPUSDのクソ相場は、レンジには違いないが、ここでは「不明」に分類していく。
不明では絶対に取引してはならない。なぜなら絶対に負けるからである。
まず、不明ではボラティリティが低く相対的なスプレッド(取引手数料)が高く割に合わないからである。そして不明相場は当たり前だがどっちに動くかわからないので、不明の下でエントリーするのはすべてギャンブルとなる。
不明では仮に1/2で相場が動くとしても、必ず手数料が引かれる分、我々が負ける。これは構造的に絶対の真理なので、相対的なスプレッドが高いという事実を除外しても覆ることはない。繰り返すが、不明では絶対に取引してはならない。
整理すると、相場には、「一方向的に進行するトレンド」があり、「トレンドの途中に反対方向への運動としての調整波」、「トレンドの終了と同時に出現する調整波」が存在する。それ以外に相場には稀に「高騰や急落といったショック」が現れ、それら以外の方向性の乏しい値動きはすべて「不明」である。
これだけで十分である。レンジに規則性を見出したり、不明について詳しく分類する必要もないのだ。
以上
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