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R.O.Nさん《前編》

TwitterやYouTubeでジェンダーレスな姿を投稿されているろんさん。

男性としての普通と、自分が感じる違いに悩まれたことを自身のnoteに書かれています。
※ろんさんのnote

そんなろんさんの取材記事を前、中、後編に分けてお送りします。
前編では小さいころから性に関して違和感を感じておられた事、自分らしく過ごすようになったきっかけを伺いました。

~お兄さんやお姉さんもおられますが、小さいころからおままごとや赤いランドセルに憧れたりと、まわりの男の子との違いを感じていたんですか?

ろんさん かわいいものへの憧れは小さいころからずっとありましたね。
男の子の友達と遊んだり兄と遊んだりも楽しいんですけど、本音は女の子の遊びがやりたいなと思っていました。
ランドセルのことも、「黒より赤が可愛い!絶対こっちがいい!」って思ってました。でも親から、「赤はちょっと・・・」と言われ、仕方なく紺色にしてもらいました。「なんで男の子はみんな黒なんやろう。なんで赤はダメなんやろう」って、悔しい想いでした。
仮面ライダーとか戦隊モノには全然興味がなくて、今みたいにプリキュアとかもなかったんで、ドラえもんとかおじゃる丸を見てました。ドラえもんはずっと大好きなキャラクターです。

ろんさんの描いてくれたドラえもん

かわいいものに惹かれていたんですが、女の子になりたいとは思っていなくて、微妙な感じで過ごしてましたね。

~男女どっちがいいとか、小さい頃はよくわかりませんよね。
小学校高学年とか中学校とかになるにつれて、ガッツリ男女が別れていくじゃないですか。そういう中で違和感も大きくなっていったんですか?

ろんさん そうですね。中学校になると、「女子の制服の方がかわいくていいなぁ」って思ってました。
一番は髪型ですね。小学校までは肩くらいまで長かったんですよ。でも中学校は校則で短くしなきゃダメでした。サッカーもしていたので運動部に入ったら髪の毛は短めみたいな風潮もあって、すごく嫌でした。
あと小学校の時はなかったんですが、中学校からプールの授業が始まりました。なんとなく体を出すのが嫌でめっちゃ休んでましたね。

~中学校から体つきが変わっていきますもんね。

ろんさん 「女の子になりたい!」と、思ってたわけじゃないんですが、女の子って言われたら違和感あるし、でも男の子って言われても違和感あると感じてました。
とりあえず、「まわりと同じように男の子として生きていこう」と決意したスタートが中学校だったと思います。

~noteで気になったんですが、サッカーをやられていてサッカークラブでいじめがあったと書かれてました。
嫌なこと聞いてすみません。これも例えば性表現とかが関係してたりしたんですか?

ろんさん 中学校になっても部活じゃなくてクラブチームに通ってる子とかって、強気な性格の子が多いんですよね。
僕はなよなよしていて、しかも持ってる物も可愛いものが多かったです。それをツッコまれたりとか仲間はずれにされたりしました。
結局しんどくなって、中学校の途中からクラブチームはやめて学校の部活に入ったんです。

~そうだったんですね。
でも学校の部活に入って、10番をつけるようになって、県の選抜にも選ばれたんですよね。

ろんさん クラブチームのときの練習が大きかったんだと思います。それで高校の顧問の先生に目を付けてもらったんですが、高校では結局サッカー部に入らずに軽音楽部に入っちゃいました(笑)

~高校で軽音楽部の時は髪とかも伸ばしてたんですか?

ろんさん 高校も校則が厳しかったので伸ばせなかったんですよ。
高校生からはお洒落したくて似合う服とか探すんですが、自分の着たい系統は周りの男の子たちと全然違いました。
みんなカッコいい感じに行くんですが、僕のいいと思うのはかわいい感じで。その違いにも苦しみましたね。
軽音楽部でも、ロックやりたい人が多い中、私だけパンクやってました。パンクって、結構女性の服着てるようなバンドがあって、僕もそんなことやってました。それが助かったというか、パンクやからって言い訳して好きな恰好するみたいな。上の服だけ開き気味のレディース着てライブしたりして、なんやかんや楽しく過ごしていました。

その後楽器の専門学校に行きました。そのときは割と自由な格好してました。髪の毛伸ばして染めてみたりとか。大学生みたいに。

~その後社会人になられて、当時の彼女に自分の性に関する気持ちを受け入れてもらえず、つらい時期があったとnoteに書かれてましたね。
そしてそのあたりで、お友達にお化粧してることを褒められたことで吹っ切れたと。このときのこと、すごく素敵だと思ったので教えてもらっていいですか?

ろんさん この時がほんとに転機でした。
仲良し3人組の女友達と遊びました。それまでは外でメイクは全然してなくて、たまに家でお母さんのを借りてちょっとやってみたりくらいやったんですけど、なぜかその日はやってみようと思ったんです。といっても、ファンデーションくらいやったと思うんですが。
それで、1日遊び終わって1人が帰って2人になったときに「今日メイクしてる?」みたいな感じで聞いてくれました。
ドキッとしたんですが、「してる」って答えました。
「いいやん!ここのメーカーがいいよ」とか、「こんなコスメ知ってる?」とか、教えてもらいながら盛り上がっていきました。その子のことは信用していたんで僕自身のことを話してもいいかなと思って、性自認とか性表現の話を打ち明けたんです。「中性的な雰囲気だし、やっぱそうやったんや」ってその子は受け入れてくれました。

その時のろんさん

その子が服や化粧品を一緒に見に行ってくれるようになりました。その子が気付いて受け入れてくれたから、協力もあってどんどん自分がしたいことをしていけるようになったっていう感じです。

~ほんとに素敵なお友達ですね。
そこからは日常的にお化粧とかするようになったんですか?

ろんさん そうですね。そこから少しずつ、本当に自分がしたい恰好ができるようになっていったと思います。

前編はここまでです。
続きは明後日予定!宜しくお願いします(^^)





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