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TaiGaさん《中編》

女装研究家として活動されているTaiGaさんへの取材記事、一昨日に引き続き中編になります。
中編では音楽への出会いや思い、今の世の中について思うことを伺いました。

それでは行きましょう!!

~音楽がしたくて上京され、今も歌手としても活動されています。音楽を仕事にしようと思ったきっかけはどういったことだったんですか?

TaiGaさん はじめて音楽を意識したのは中学2,3年の時です。それまではまったく音楽に興味なくて、なんなら嫌いだったんです。
トラウマがあって、子供の頃家族でカラオケ行ったとき、ちびまる子ちゃんの歌を絶叫していたんです。それで家族から「うるさーい!!」と叱られて、「僕の歌はうるさいんや、歌ったらあかんのや…」と思ったことが残ってて、そこからずっと嫌いだったんです。
でもその中学の時に、ヤンキーっぽい友達に半ば無理やりカラオケに連れていかれたんですよ。それで、みんな歌ってるんすよ。それで友達から「お前なんで歌わへんねん。歌えよ。」、「俺はええって。」みたいなやりとりがあったんですが、「お前が歌うまで帰らへんからな!」と言われたのでしぶしぶ歌ったわけです。

その瞬間空気が変わったんです。みんなが感激して、明らかに一番上手かったんです。


あれ?上手いやんおれ。みたいに思って。それが音楽を意識したきっかけです。

~初めからそんな上手かったんですね!すごい。

TaiGaさん 大嫌いでずっと避けてたのに、そいつらが無理やり歌わせたから覚醒したみたいな(笑)その時は「俺ってこんなに上手いんや。もしかしたら音楽の才能あるのかも」って思って真剣にやってみようかなって思いました。
ほんとはその後、音楽の学校に行きたかったんですが、お金の問題であきらめたんです。1、2年ほど地元でサラリーマンをしていました。仕事しながら曲作って地下道でギター弾いて歌ってました。よく言えば路上ライブですね。全然人来ないばかりか、うるさい!って一升瓶投げられたこともあります。いや死んでまうやろって。尼崎怖!って思いました(笑)
仕事しながらも、もっと音楽を真剣にやりたい!って衝動が、グツグツグツグツって膨れ上がって、それがバーン爆発したんですよ。それで働いていた会社の部長に「すいません。音楽やりたいんで、会社辞めます」って言ったら「わかった。東京行っておいで」って言ってくれた。

~認められたんですね!部長さん寛容だ!

Taigaさん 実はその方も昔アーティストやったんですよ。テレビ番組も出てたような方で、僕の気持ちをわかってくれたんですよね。
それで上京して、お金全然稼げなくて。借金しながらホストしました。
そんな中たまたま受けたオーディションで美女menバンドが決まったんです。そこでやっくんと出会って音楽の仕事ができるようになりました。
でも数年前に病気で歌えなくなってしまって。その時のストレスはもうえげつなかったです。ストレスで自分で喉傷つけたりしてね。リハビリ中も本当に声が出なくて、例えば3オクターブ出てたはずの声が1オクターブしか出ない状況で、今まで歌ってた曲が全部歌えなくなりました。保険も入っていなくて、とにかくお金がなくて。生活の為にフラフラでライブをしなければならない状況でした。ファンのみんながかわりに歌ってくれたりしてなんとか乗り越えてきました。マジでようやったなと思います。

~これからも歌手活動は続けていきますか?

TaiGaさん 実はコロナ以降、どんどん歌手活動は減っていて、一旦は音楽からは離れて本格的に女装研究家として活動していこうと思っています。僕としては本当に悔しい思いです。音楽という道に対して、サラリーマンになったときと今回、2回も自ら離れるという選択になってしまいました。今できる活動を精一杯やって、結果が出たらまた音楽もやっていきたいと思っています。

~ジェンダーレスや男性のメイクが少しずつ増えていますよね。
そういった変化をどう感じていますか?

TaiGaさん 確かに道を歩いていてファンデーションや眉毛を描いている男性を目にするようになりました。女装はまた違いますが、ソフトなメイク男子は増えている印象ですね。うれしいですしもっと多くの人が取り入れてほしいです。俺は美容なんてなんもせえへん!って男の人と美意識が高い人は、肌の質が全然違います。正直ほとんどの男の人はまだ前者だと思います。せめて半分くらいになってほしいですよね。若返るし、かっこよくなるし。

~一方でマイノリティ差別や、トランス女性が女風呂に入ってしまったという事件もあります。そういった問題はどう感じていますか?

TaiGaさん 僕はもちろん女子トイレに入りたいとか思ったことはないです。法律的にあかんことはあかん。そこは擁護できないです。それにそういう犯罪によって、女装含め性的マイノリティーに対する世間の見る目が変わってしまうじゃないですか。
でも、僕自身の考えを言うと、一部の人が性的マイノリティとか女装とかに嫌悪感を持つこともありなのかなと思います。それも含め多様性でしょうし、珍しい存在だからこそ僕も活動できているわけです。すべてが当たり前のようになってしまうと、ある意味僕の付加価値というものもなくなってしまうんじゃないかってね。本音としてはもっと広まってほしいですよ。女装男子とかね。

中編はここまでです!明後日アップ予定の後編では昨年叶えられた素敵すぎる夢を聞いていきます。是非ご覧ください(^^)


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