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日記(8/21〜26)

2023年8月21日

盆休み明け。久々の仕事。情緒の死。
知り合いの赤ちゃんの動画が送られてきた。以前はあ〜とかう〜とかママ〜くらいしか言っていなかった子だが、今日の動画内でははっきりと「はずかちい!」と意思を言語化していて驚いた。確かに振り返ると、恥ずかしいという感情は大分人生の初期からあるもののような気もする。アダムとイブが林檎を食べて羞恥を知ることで楽園を追放されたという聖書の一節にもある通り、この「はずかちい」は自我の興り、人間のはじまりと言っても過言ではない大事な一言なのかもしれないな…などとしみじみする。SMバーには羞恥プレイが好きなお客さんも少なくなく、人前ではありえない格好をさせてなじったり、笑ったりというのは日常茶飯事ではあるのだが、あれはやはり人間以下への成り下がり願望なのだなと一人納得した。


2023年8月22日

天気が悪い日はとにかく身体の調子が良くない。ヒトがかつて獣に寄った生活をしている頃、雨の日は巣篭もりをして休んだ方がかえって無駄に体力を削らなくて良いみたいな理屈の名残なのかと想像はするが、現代人なのでテレワークを敢行。全体的に思考や性質がプリミティブなので、まったく雨の日の社会生活に対応できない。

晴耕雨読を文字通りにやりたいなと思い、おもむろに部屋に読書スペースを作ることを考え始める。私が本を読むときは大体ベッドかカフェなのだが、どちらもあまり寛げる感覚はないのでそれ専用のパーソナルスペースがあったらいいなと想像してみる。大きくて柔らかくて安心できるようなソファがほしい。

2023年8月23日

昨日の体調不良は雨のせいではなくどうやら風邪から来るものだったらしい。朝起きると燃えるように喉が痛い。すぐに内科へ駆け込むが熱下げの薬と炎症を抑える薬を処方されただけでいずれもほとんど効果はない。こういう日に限って近所の耳鼻咽喉科は全て閉まっている。
先日のMRIで副鼻腔炎の兆しがあると言われたことを思い出し、セルフで鼻うがいを試すなどとにかく思いつく限りの民間療法を試してみる。ユンケルとリポDをちゃんぽんするとか。自分の身体のことなのに何がどうなってこんなことになっているのかが分からずやたらに腹立たしい。
朦朧とする意識の中、なんとかコンビニで調達したゼリーで凌ぐ。心の底から健康こそが唯一にして最大の宝だと思う。


2023年8月24日

体調不良ピーク。内科の薬があまりに効かないので、3駅先の耳鼻咽喉科まで再度通院した。3時間待ちとのことだったので、院内で延々と流されているトムとジェリーをぼんやり見続けたり持参した本を読んだりして過ごした。

このキツツキが出る回が好き。かわいい。

気が狂いそうになった頃にようやく名前を呼ばれたと思えば、喉を見て2秒くらいで先生に風邪じゃなくて扁桃炎!お薬出しますね!と言われ体感10秒で診察は終了した。餅は餅屋。出された抗生剤を飲むとみるみる調子が良くなっていったので狂う直前まで待ってよかった。


2023年8月25日

薬のおかげで快復傾向にある。
「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」を岩井俊二版とアニメ版連続して観た。アニメ版があまりに酷く、終始憤慨しながらの鑑賞になる。オリジナリティとリスペクトを欠いており、こんなんなら作らないほうがよかったのでは?と本気で思った。原作の良さを全部こそぎ落とした上で引き伸ばしたものを観せられて怒りが止まらない。大好きな艦これのアニメも全提督をドン引きさせるようなシナリオに魔改造していたし、もうKADOKAWAは信じられないと思った。自分を慰めるためにスーパーで安かったいちじくを食べた。甘さがあまりない野菜寄りの果物ばかり食べて生きていきたい。


2023年8月26日

喉の腫れは治まってきたけれど、まだ本調子ではない。地元はお祭りで盛り上がっており、インスタのストーリーには道でお酒を飲む人々の楽しげな姿ばかりが流れてくる。悔しすぎる。絶好の飲酒体験を逃していることへの悔しさが止まらないのでスマホを放り投げて読書に集中することにした。円城塔の「シャッフル航法」、私は円城塔と小川洋子に脳を壊された経験のある本の虫なので読んでいるだけで声が漏れる。何回生まれ変わってもこんな文章は書けない。
しばらく休んでいたので頭を動かす機会が欲しいと思い、向こう半年の勉強計画を立てた。目標を立てて良い未来を想像するのは昔から好きだ。iPadでもっと効率良い勉強ができるのでは、と急に思い立ち衝動的に購入。既にパソコン3台、スマホ3台、タブレット1台があるのになぜ、という理性は無視。こういう未来をよくし得るものはあればあるほどよいからね。

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