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【デザイナーのひとりごと180】タクシーでアナログなナビ役を任された話

本日は、地元の取材や打ち合わせやらをやっておりました。朝から家を出たので、朝活はひとまず散歩はナシで、マインドフルネスのみ作業前にやりました。なかなかいい感じで続いています。

ただ、本日の取材先が少し遠方だったのと、ちょっと朝ドタバタしてしまい、約束の時間に間に合うかが微妙になってしまった(現地は1時間に1本くらいしかバスがない、バス以外は歩くしかない)ので、タクシーを呼んだのです。あの、GOっていうタクシー配車アプリで・・・(便利ですよね、あれ!近くにいるタクシーが地図上にアイコンで表示されて、ウヨウヨしているのを見るとワクワクしますね、街が生きてる〜って感じで)。

そこで出会ったタクシー運転手の方が・・・なんかこう、すごかったんですよ、本当、すごくて・・・今日はそんなエピソードトークをしようと思います。

ナビが繋がらない!

結論、めっちゃくちゃ道に迷ったんですよ、タクシーなのに。ただでさえ、自分で行くのは難しい山の方のエリアで待ち合わせだったのに・・・危うく知らない山中で降ろされるんじゃないかとヒヤヒヤしましたね。

では、なんでそんなことになってしまったのか。順を追って振り返ってみましょう。

待ち合わせ場所は、地元の外れの、山の上にある市民農園(が目印で、ご自宅がその近くにある方の取材)でした。市民農園とはいえ、そのエリアは農業や稲作が盛んなので地元の人の知名度は高くないようです。なんでそう思うのかは・・・まあ、ファクトがあるので後述しますね。

道に迷った要因は、大きく以下の2点です。

・車内のナビが正しく機能しなかった

・私のスマホの充電がギリギリで、私が自分のスマホのマップで道案内をすると、現地で降りてから電話できなくなって詰んでしまう状況だった
(当日の朝、充電器のコンセントが抜けていて、朝ドタバタしたこともあり充電時間が取れなかったため)

まず、タクシー会社のナビの仕組みから。理由は定かではありませんが、このタクシーでは「自分で操作して、住所を入れて検索できない」仕様となっていたらしく、私が行き先を使えたら、事務所に直接電話をしてマップを表示させるよう指示をしていました。

「・・・いや、なんで?普通の人間ならこの時点で詰むだろ。どういうことなの・・・?」

仮にこの仕様が「ながら運転」の防止策だとしても、ナビを入れるのに電話するんだったら意味なくない?UX設計失敗してんな〜、なんて思いましたが、自分で操作できないなら仕方ない。最寄りのエリアに着くまではそんなにややこしい道ではないし、その頃にはナビも使えるようになるだろうと、この時は思っていたのですが・・・。

この後、私が乗った車内のナビが機能することはありませんでした(ネタバレ)。

目的地は、最寄りのエリアから更に少し山道を上った先にあるため、最寄りのエリアに難なく到達するくらいには、ある程度の土地勘がないと厳しいだろうと思います。しかし、車内で再三ナビの通信依頼をしている運転手さん。一向にデータが送られてこないとかで、半ば苛立っており、全く道順が分からない様子の運転手さん。多分60代前半くらいでしょうか、めっちゃミドル層のよくいる運転手さんって感じの、運転手さん。

「ナビにデータが送られてこないんですよ、困りましたねえ」的なことをずっと言っている。それはいいんだけれど、傍目に見てもわかる焦りっぷりに、急激に不安が募ります。

いやいや、まあとにかく近くまで行きましょうや・・・まだ、今の段階で迷うこたぁないでしょ!そんなにマイナーな地名だったっけ?確かに周りに何もない農村エリアとはいえ、東京の檜原村とかじゃなく、普通にニュータウンから歩いて10分ほどで出れるエリアですし、区外でもないし、京都市内ですし、「京都市内から30分で行ける里山」ってふれ込みでPRしてるんだぜ?

住所を教えてもなんか地図がわからないらしい

さて、そんなこんなで不安が募る中、目的地のあるエリアまでやって来ました。しかし、少し進んだところで一旦停車。どうしたのかなと思ったら、工事現場のお兄ちゃんにいきなり「この辺りに●●農園さんってあります!?」と、質問。「いや〜、僕この辺の人間じゃないので・・・」

ここまで来て、ダメだ、このままでは埒が明かないのでは!?と、急激に不安が現実になるのを感じた私は、18%しか残っていないスマホの電源を入れ、目的地の住所を確認。「えっと、××町△△番地です、これ入力できないですか?」「いや〜、これ、入力できないんですYO」

だから、なんでだよーーー!?どう見てもそれ、タブレット的なやつだろ〜〜〜!!絶対入れられるって、もうちょっと頑張ってよ!

どうやら目的地の農園は、現状タブレットで表示されている、現在地周辺の地図では確認できないらしい。「近くにカフェがあります。□□さんっていう・・・この辺、他にカフェなんてないんで、そこを目指したら迷わず着けると思います。地図に映っていないですか?」

これも、映っていないらしい。

「えっと、山の方です!かなり山の方なので・・・」

まあ、私の説明も良くないんだけどさ。住所で伝わらなかったらあとはもうどうしようもなくない?

その後はもう、半狂乱である。半ばパニック状態になってしまった運転手のおじさんは、少し進んだところで一旦停車を繰り返しては「この辺りに●●農園さんってあります!?」って街の人に聞きまくるのである。しかし、この辺りは田園地帯。市民農園なんて住民の方々は使わないので誰も知らないのであった・・・。

しまいには「交番なら確実だと思う」と、一度退席して交番に入っていくおじさん。その後は道順が確認できたのか、けっこう颯爽と走り出したのですが・・・どうも雲行きがあやしい。ガチの鬱蒼とした山林にずんずん入っていく。あれ?これ、間違えてない・・・?私、自分が方向音痴だからここまでずっと遠慮してたけど、何度か取材や電動自転車ツアーとかでこの周辺は自力で移動したことあるんだ。だから、多少の土地勘はあるのかもしれない。・・・うん、少なくとも、たとえ正しい道がわからなくとも、この人よりも私の方が100%この辺りには詳しいわ!絶対これ間違えてるわ!!

最終的に、善峯寺の山門まで来てタクシーは一時停車。なんと遠くまで来てしまったのだ・・・マジの果てじゃん。冬場はめちゃくちゃ雪が積もって動けなくなるエリアじゃん(善峯寺は西京随一の素晴らしい観光名所ですので、オススメです!ただしバスはほとんどありません)。

ひとしきり感傷に浸っていると、死ぬほどテンパっている運転手さんを尻目に、なんだか妙に冷静になってしまった自分がいました。善峯寺は取材で2回ほど訪れたことがあるのだ、大丈夫。

充電が12%になったスマホで、住所を入力し、現在地を確認。

「間違えてますね。大原野神社の方まで戻っていただいていいですか?」

そこからは私がナビする形に。「この神社とあの神社の間の道を入って、×××線をまっすぐ進んでください、そしたらカフェあるんで・・・カフェまで来たらすぐです。△△町です」

しかし、この時点で運転手さんは完全に心が折れたのか、尻込みしてしまったのか、途中で×××線に入る段階でまた停車してしまう。

これ以上私のスマホを使うと、待ち合わせの時に困る可能性が高い。しかし、住所だけでは進んでもらえない・・・どうすれば・・・。

「すみません、スマホありますか?最近のスマホなら間違いなくマップのアプリが入っているので、それで検索すれば出るはずです」「ナビは使えなくて・・・」「ナビじゃなくて、さっき電話で使ってたやつです」「docomoのやつがありますね」「じゃあAndroidですね!それならGoogleとか入っていると思うので」「Googleは入ってますね!」「お借りしていいですか?住所入れます!」

そういうわけで、最終的に運転手のおじさんの私用スマホのGoogleマップを使用。検索画面をおじさんに見せ、説明すると「誘導してもらっていいですか?」分かりました、やりましょう!もうね、タクシーでそんなことをするとは思わないけどね!やるしかないですしね!もう時間ないですし!!

っていうか、最初からこのスマホで調べたら良かったんじゃ・・・?人に聞きまくったせいで、謎のタクシーがやって来たという噂がたってしまいそうですよ・・・ええ〜い、済んだことはもういいや!行きましょう〜!!

そこからは早かった、なんか5分くらいで着いた。カフェもちゃんと看板出てたし、あんまり迷う余地がなかったな・・・。

そして、どうにか到着できてホッと胸をなで下ろしていると・・・、降りる時にアプリ決済なのに気づかず現金払いしてたらしく、おじさん、戻ってきてお金を返してくれました。ありがとう。

ちゃんちゃん♪

まあ、色々思うところはありますが・・・怒りよりも先に、しっかり研修もせぬままにIT系機器を導入しまくるやり方もどうかと思いますよ、よくないのでは?って思いました。この先の日本、高齢化だって進みますが、学習なしでIT系機器を使いこなせるのはデジタルネイティブ世代だけなんだぜ、なんてことを思ったりしました。おじさんのパニック具合は本当にすごかった・・・つらい。

終始、車内ではAIが選んだ最適なCM(ビジネスのIT革命的なやつばかり)がモニターで映し出されていて、すごくシュールだったのでした。

それにしても、なんでナビが使えなかったんだろう。多分、事務所のせいでもないと思うんだ・・・あのタブレットを使いこなせていないだけじゃないかな。支払いもアプリ決済に慣れていないみたいでしたし。

明日からもおじさんはまた見知らぬ土地を運転するのかと思うと、本当にもう、気が気じゃないです。頑張って欲しいです。


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