現代詩)ホットミルク
牛乳に張った白い膜を煩わしく思いながら
寒空の下でホットミルクを飲む
乾燥した空気が
私の背景に滲む時
沈むその全体の空の色は
何度見ても初めて見るグラデーションだ
温くなってくる残りわずかなミルクと
暖かくなってくる身体の火照りは
いつか習った反比例のグラフのように
放物線をなぞっている
数字が羅列し、
計算され尽くした世の中は
私にはもう息苦しくてたまらないのに
新しいモノを発見するたびに
拡がりの可能性を期待してしまうんだ
いつまで経っても溢れんばかりの
この感情と同じくらい
多くの情報に溢れたこの世界で
私は緩くなった左足の靴紐を気にしている
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