自分の “ゼロ” を知るという感覚
みなさんの中に、
「あ、今わたしは自分の“ゼロ”地点にいる。」
と感じたことがある方はいらっしゃいますか?
わたしには、散らばったパズルのピースのような思考が一気につながってひとつの絵になるような、絡まった糸がはらはらとほぐれて綺麗に一本になるような、そんな感覚になる瞬間が今までに何度かありました。
直近でこの感覚になった時に頭の中にあった言葉、それが
「ここがわたしの“ゼロ”だ。」
でした。
この感覚をときほぐしていったとき、根っこにあったのは「わたしの感じる全てを音楽を通して表現したい」という気持ちだったように思います。
「音楽家ならそんなの当たり前じゃん?」と思われるかもしれません。
でも、それまでのわたしは、
表現したいことがあってもどこか他人にどう思われるかを気にして表に出しきれなかったり、
楽器を練習するモチベーションが、レッスンがあるから〜とかみんな練習しているから〜とか外からの刺激に頼るものだったり、
自分に足りないことを痛感するたびにいちいち凹んだり、改善するにも腰が重かったり、
音楽も楽器も好きだし頑張りたい気持ちは常に持っていたけれど、どこか目の前に霧が立ち込めている状態で、「なりたい自分になる方法」を手に入れようとあてもなく必死で手を動かし足を動かししていたように思います。
「なりたい自分になる方法」なんて、その辺に落ちているものでもないのに。
あとになって、わたしは「なりたい自分になる方法」なんてものはない、でも霧の中でももがき続けたそのパワーの源は自分の中にあると気づきます。
「こんなにも自分の中に表現したい気持ちがあったんだ」と気づいたのはこの時で、それからは他人の目など気にしている暇はなく、いかに他の誰でもなくわたしのこの気持ちを表現していくかということに集中できるようになりました。
目の前の霧がサーっと晴れたような、地下から地上に出てきて太陽の光を浴びたような、とにかく目の前が明るく視界が広い、そんな感覚でした。
しがらみも変な遠慮やプライドもない、ここがわたしの“ゼロ”地点なんだと感じました。
自分のゼロを知るとあとはプラス方向にどんどん進んでいくのみで、もちろんこれから大変なことは山ほどあると思いますが、目の前のことにかなりポジティブに取り組めるようになった気がします。そして不思議と、プラスの中で進んだり下がったりすることはあっても、もうマイナスに戻ることはない、そんな感覚を持っています。
他の誰でもない自分の素直な想い、「自分のゼロ」を知ることは、当たり前にできることのようだけれど知ろうと思って知れるものではないかもしれません。
「自分のゼロ」に気づいた時の爽やかな気持ち、見えた光を大切に、プラスの自分を楽しんでいきたいと思います。
ナ
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