あけまして七草

明けましておめでとうございます。
休みも終わって今日から通勤はじまったのでまたnote書いていきます。
今年もよろしくおねがいします。

今年、わたしははじめて七草粥を自分でつくった。

実家にいる頃は1月7日に祖父が七草の儀式をやって、みんなで七草粥をたべるのがしきたりだった。

実家を出てからかれこれ10年程、七草粥を作ったことはなかった。

だって面倒なんだもの、七草買って刻むの。

買ってしまったらなんか気持ち的に儀式やらずにはいられないし。我が家の儀式は面倒なのだ。

まず、七草を清める。祈る。
そして七草を刻み終えるまで繰り返し歌いつづける。他のことは決してしゃべってはいけない。

「ななくさなずな、とおどの鳥が日本の土地にわたらぬ先にあわせてぱーたぱた」

うーん。なんかこんなようなやつだ。
たぶんこんなような歌詞だった。

これを歌いながらリズムにあわせて七草を刻み続ける。ちょっとシュール。

スーパーに買い物に行くと入ってすぐ目の前に七草セットが置いてあった。

おお、七草……と思いつつ、面倒だなぁ。と通りすぎようとしたが。

ちょっとまって、大根はいってなくない?
あれ?

気になって包みを覗く。

あ、めっちゃちっさい大根はいってるな。

そのときだった。

かがんで七草のパックを覗き込んでいたわたしのぼろぼろよわよわの腰にドスッと衝撃が。

元気いっぱい、お正月休みサイコー走っちゃいたい気分だぜ的なお子さまが走ってわたしの腰にぶつかったらしい。

もちろん、よわよわのわたしの腰が持ちこたえられるわけがない。自慢じゃないが強度はティッシュ並みだ。

見事に崩れ落ちてわたしの右手はめきょっと七草のパックにめり込んでしまった。

「あ…スミマセン!こら!なにやってんの!走るなっていったでしょ!」

近くにいたお母さんが血相をかえてやってきてお子さまをベシッと叩いた。それもけっこうな強さで、お子さまがしおしおと涙目になりながら言い訳をゴニョゴニョいっている。

あ、ああー…揉めないで!揉めないでくれ!入り口ちかくで七草にガンつけてるヤツも悪いよね!?邪魔だったよね!

「いいかげんにして!謝りなさい!」

あ、買いますから大丈夫ですよこれ!ちょうどほしかったからほら、えーと、ちょうどよかったなー!みたいな……
あの、このパック、イキがいいし……

「すみませんすみません、ほんとすみませんでした。」

お母さんはべそをかくお子さまをひっぱりながら謝りながら去っていった。

い、イキがいい草ってなんだよ、と自分に思いつつも、まあ、慌ててるお母さんは謝るのとお子さまを怒るのに精一杯でよく聞いてなかっただろう、と願ってわたしは家に帰ったのだった。

かくしてわたしは七草粥をつくることになったのだ。

仕方なく、歌いながら七草を刻む。
そういえば七草って健康とか祈るんだっけ?豊穣だっけ?なんだっけ?
たしか無病息災、健康第一みたいな感じだったと思う。

このご時世、それ大事。
七草やってよかったかな。

七草の青い香りがたちのぼる。

みんな健康、わたしも健康。
全員健康でこの一年を過ごしたい。

七草粥は鮮やかで優しくて美味しくできました。

…………まあ、休みで曜日感覚狂ってて日付間違えて7日じゃなくて6日に食べちゃったんだけどね。
休みボケも大概にしろってな。

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