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珈琲日記 in ロンドン#8〜多文化社会を考える

ここ最近ストライキの影響で、大学の授業がつぶれている。(この投稿では詳細は述べない) なので、やるべき課題もやりつつも、カフェに足を運んで自分のペースでロンドンを感じている。今日はポルトガル系のカフェに行ってみた。

頼んだのはエッグタルトとコーヒー。いかにもポルトガル人という感じのおじさんに伝えると、どんっと出された。このカフェにはテーブルがなく、ケーキのショーケースの上で食べるらしい。新鮮で楽しかった。

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このカフェのように、ロンドンではいろんな国の人が自分の国の料理の店をやっている。イタリア人ならパスタにこだわった料理店、中国系の人ならチャイナタウン近くで中華料理店を。そして日本人は寿司やラーメン、焼肉店など。ロンドンには、日本人が思うような「金髪で青い目をした白人」はあまりいない。イギリスの植民地だった国からやって来た人達(インド、パキスタン、アフリカ、香港など)、東欧系の人、アラブ系の人などもいて、ロンドンの住民は多種多様だ。だから、聞こえてくる言語が英語じゃない時がかなりある。

そこで悩むのが、英語が「第二言語」である彼らとの会話である。お分かりの通り、私は日本人だ。どんなに頑張っても”Japanese English ”になってしまう。そして、彼らの英語も特有のなまりがある。そんな「なまり同士」で英語を話すとお互いの英語を聞き取ることができなくて誤解が生まれたり、「お前の英語わかんない」という顔をされることもある。正直、悲しいし辛いし悔しい。

いろんな人達が住んでいるのだから、差別も起きる。

日本にいたら、特に地方では、外見で明らかに「日本人じゃない人」に出会うのは滅多にないだろう。そして、日本は政治的にも経済的にも欧米と肩を並べることが多いから「中国人とかは差別されるけど、日本人は大丈夫。」と変な期待をすると思う。正直、イギリスに来る前の自分もそのように思っていた。しかし、現実は違った。

差別その1 ホームレスのボランティア

冬休みに、ホームレス支援のボランティアに参加した。(詳しくは過去のnote)私は受付をしていた。そこに、イギリス人のホームレスが来た。彼にとって私の発音が気に障ったらしく、「お前の発音は違う!thはこうやるんだ。直せ」と何回も練習させられた。そして、日本人だと私がわかるとめちゃくちゃ嫌な顔をして怒鳴って去っていった。

差別その2 Uberにて

日本人の友達と寮に帰るためにUberを使った時の話である。ちょうど、コロナウイルスが猛威を奮い出した時期だった。日本のニュースでも「ヨーロッパで東アジアの人が人種差別を受けている。」と報道されていたのではないだろうか。Uberに乗り、車が走り出した。信号待ちをしている時、ドライバー(白人)が急に助手席にいた友人を見て"Virus!!!(ウイルス!!!)"と笑顔で言ってきた。(ついでに私の方も向いてきた)軽いジョーク気分だったのかもしれない。でも、言われた方は不快だ。幸運だったのは、無事に寮まで送り届けてくれたこと。私たちはウイルスじゃない。

こんなふうに、留学をすると「マイノリティ」になるので、良くも悪くも日本にいたらできない経験ができる。色んな人が生きる社会は時々辛いこともある。だけど、日本人としてじゃなくて「地球人」として考えれば、どこに住んでいようがそのような色んな人と一緒に生きている。それを実感し、「地球規模の問題」も自分ごと化して考えることができるのならば、このような苦い経験も良い経験なのかもしれない。

#留学 #ロンドン #女子大生 #カフェ #コーヒー #エッセイ





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