見出し画像

OWVというグループの話(4)

(※埋め込まれた動画の自動再生が始まる場合があります。音量などに充分ご注意ください)


「OWV」というグループ名に込められた想い

OWVというグループ名には「Our only Way to get Victory(勝利を掴む僕たちだけの道) 」という意味が込められている。

その頭文字を取って「OWV(オウブ)」と名付けられた。

結成が決まったときにスタッフさんからグループ名は大事だから自分たちで考えた方がいいと言われ、4人でいろいろとアイディアを出して決めたそうだ。

「誰にも真似することのできない唯一無二のグループとなり、この世界で勝利を掴む」という彼らの願いと意志がこの「OWV」という3文字にこもっている。



OWVというグループをどこかのジャンルに当てはめて呼ぶならば「若手ボーイズグループ」あたりになると思うのだが(アイドルorアーティスト論的な話は一旦横に置いておく)、デビュー時で25歳が1人、23歳が3人と10代やハタチそこそこの子がたくさんいるこの界隈では若干デビュー年齢が高めだ。

それもあってか、結成時のキービジュアルは4人ともがモノトーンの衣装に身を包んだ大人っぽさを打ち出したものだ。

OWVはメンバーカラーに加えてグループカラーがあるのだが、そのグループのイメージカラーである「黒」の持つ空気感を上手に使いこなしている。

全体的にモードな雰囲気のほぼ無地の衣装だが、本田だけが柄の入った“治安の悪い”デザインのセットアップなのが個性的でおもしろい。

(ちなみにこの場合に使う“治安が悪い”とはビジュアルやコンセプトなどが厳つそう、悪そう、怖そう、かっこいい、ワイルド、バチバチに決まっている、などの意があり悪口ではなく最高にイケているという褒め言葉です)



またデビュー曲「UBA UBA」のキービジュアルも黒一色のソリッドな衣装だ。

一見シンプルなようで、メンバーの個性や体格に合わせてデザインが画一的なものではなく違うものにそれぞれ変えてあるのがとても良い。


その一方、サブ衣装(初回限定盤・FC盤のジャケット写真などにも使われている)はヒョウ柄だらけの衣装に身を包んだ超ド派手なものだ。

まだ浦野(右)や中川(左)の衣装は他のアイテムで可愛らしくコーディネートされ“治安の悪さ”が若干緩和されてはいるが、それにしても真ん中の本田・佐野の衣装……髪色の派手さも相まってインパクトがすごい。

特に本田の上下真っ赤なヒョウ柄のセットアップ衣装なんて街で出会ったらダッシュで逃げ出してしまうレベルのインパクトの強さだ。(※本当はとっても優しく面白く涙脆い真面目なお兄さんです)

結成時、デビュー時でもう完全にOWVの「色」を打ち出している。

大人っぽさと色気、ワイルドさ、新人らしからぬ余裕感。

10代ばかりのグループでは逆にこうはいかなかっただろう。

新人ボーイズグループとしては少し大人なグループであることを逆手に取った、彼らの魅力を“わかっている”素晴らしいコンセプトだと思った。


以降もまた楽曲や衣装で大人っぽさや色気やワイルドさを打ち出しているが、その雰囲気は楽曲ごとにガラリと変わっている。

たとえば2ndシングルの「Ready Set Go」は恋愛系の曲というのもあり、光沢感のあるシャンパンピンクの衣装を着用している。

どこか甘さや気品もあるセットアップだが佐野のみジャケット+革のパンツだったり、ディテールでワイルドさやカジュアルさも加えられており、やはり「OWVらしさ」が演出されている。

サブ衣装はニットの衣装やFENDI一式で揃えているショットなど、品の良さや高級感が加わり「UBA UBA」とはまた違った印象だ。

OWV - 「Ready Set Go」Music Video


長くなるので3rd、4thシングルの話はここでは割愛するが(楽曲についてもいつか触れたい)、どれもまったく違う方向から、しかしどれもOWVの魅力が詰まった「OWVらしさ」を体現したコンセプトになっているのがすごい。


そして、今年2021年10月13日にリリースされた初めてのアルバム「CHASER」。

このキービジュアルに私は度肝を抜かれた。

デビュー1周年直後であることと、はじめてのアルバムという記念の意味も込めてタキシードを着ることになったらしいのだが、メイン衣装は「攻撃的タキシード」と名付けられ、正装でありながらあえて少し着崩して遊んでいるのが特徴だ。


タキシードという大人っぽくきちんとしたアイテムをそれぞれに違うデザインのシャツやアクセサリーでメンバーの個性を引き出し、首元の開いたシャツやボタンの開けられたままのジャケット、カマーバンド(ベルトのようなもの)はレザー風の素材をあえて綺麗に折り目を付けずくしゃりとさせて着用することで“治安の悪さ”を少し加えている。

別のショットではこの衣装にそれぞれのメンバーカラーであるビビットな色の花を持っており、“治安が悪い”のに耽美的でもある。



2ndシングルである「Ready Set Go」のときにジャケット撮影のメイキング(ビハインド)映像が出ているのだが、そのときに中川が衣装について触れているシーンがある。(以下の動画の1:04あたり)

OWV 2nd Single 「Ready Set Go」ージャケット撮影ー


中川「スタイリストさんがたくさん用意してくれたリストの中で、襟が太いのが可愛いと思いこれを選びました」


それを聞いて私は「えっ、衣装って選べるの?」と少し驚いた。

事務所やレーベルやスタイリストが決めたものを「はい、これを着てね」と渡されるものじゃないの?と。

他にも後々になって「他にブルー系の衣装もあり最後までそちらと悩んだ」とか「こういう衣装が着たいというのを毎回伝えている」などのエピソードも出てきたりした。

CDジャケットの衣装となるとその楽曲、グループのイメージを左右する大きなポイントだ。

それこそセールスの命運が懸かっていると言っても過言ではないと思うのだが、そこを着る本人たちとは言え新人の判断任せてくれるのは驚きだった。


しかしもっと驚くのは「楽曲選び」に関してもOWVたちが参加しているということだ。

デビュー曲の「UBA UBA」に関しても、候補が色々ある中からキャッチーなこの曲を選んだ。とか、

デビューのカップリングもバラード系を入れるか迷ったがここはOWVらしさを出したくてあえてバラードを入れなかった。とか、

表題曲をどれにするかギリギリまで悩んでいた。とか、

「What you waitin' for」という楽曲に関して実はデビュー曲のときから候補にあったがこれはライブでやりたいね、と取っておいた。とか。

様々なエピソードが出てくる。

もちろんレーベルの方たちの意見も大いに入っていると思う。

OWVたちだけで何もかも決められるほどの権限はさすがにないだろうが、しかし自分たちで楽曲を作るバンドやシンガーソングライターや自主レーベルならともかく、新人でここまで意見を取り入れてもらえるのは滅多にないことなのではないかと思う。

コレオグラファー(振付師)も自分たちでお願いしたい方をスタッフさんに告げるとそのまま通ることが多いようで、kazuki(s**t kingz)、Team LOOK、ReiNa、Keone Madridなど世界で活躍する錚々たるダンサー/コレオグラファーにコレオ(振付)を付けてもらっている。

またメンバーの本田、佐野自身も楽曲のコレオをいくつか作っている。


これは別に「色々やらせてもらっててすごいでしょ!?」という話をしたいわけではなく、「僕たちだけの道」と言うだけあって自分たちで自分たちの色を見つけ、鮮やかに際立たせ、ときには「この判断はちょっと違ってたね」と反省することもあるかもしれないが、そうやって再び学ぶことでまた「OWVらしさとは?」「そのためにやるべきこととは?」を改めて自身で見極めていくために必要な作業のひとつなのだろうと感じた。

また「新人は運営の言うことを聞いていればいいんだよ」ではなく彼らを信頼し、そういう学ぶ場所・機会を積極的に与え意見を取り入れてくれる運営の方たちの「OWVをしっかり育てたい」という熱意と愛も強く感じる。


「来年も同じ話をしていたくない」

GYAO!で配信されているOWV道(オウブロード)という彼らの冠番組がある。

そのシーズン2である「OWV道 弐(オウブロード2)」は今年2021年のお正月にロケをしているのだが、第3話で結成・デビューからの振り返りとこれからの話をしている。

-----

浦野「まだグループ的には若いけど、しっかりしなきゃいけない年齢でもある。(撮影当時、本田25歳、中川・浦野・佐野23歳)

(新人なので)分からないことが多かったけど、今年からはもうそんなことも言ってられないかな」

本田「若干俺らもまだデビューして〇ヶ月というところに甘えていた部分もある」

浦野「来年の今ごろ、同じ話をしていたくない」

-----

まだこの時デビューから3ヶ月である。

たった3ヶ月で「デビュー間もないから」という便利な言い訳のカードを捨てている。

OWVの4人はファンが驚くほど仕事もプライベートも仲が良いのだが、仲が良いゆえの仕事に対する緩みのようなものはない。

プロだから当然なのだろうけれど、仲が良いからといってなあなあにならず、仕事に対しては研鑽しあえる関係性なのが良い。

私は浦野の「来年の今ごろ同じ話をしていたくない」という言葉がとても印象的だった。


OWV道 弐 #3 #GYAO


2021年9月にOWVが参加したKCON(ケーコン)というイベントについて過去の記事でも触れたことがあるが、同じイベントに出演したJO1、円神(エンジン)とOWVのメンバーは元々全員が同じオーディション番組の練習生だった縁がある。

コロナ禍ということもあり同じイベントとは言っても共演することはなかったが、楽屋ではそれぞれのグループとも久しぶりに挨拶を交わしたようだ。

イベント後、OWVのファンクラブ内でのコンテンツ(ほなうさラジオ #22)でそのKCONのことをメンバーが振り返るのだが、「またこういう機会があればいいね」という話の中でやはり

「またデカくなってから一緒にやりたい」(佐野)

「仲間(JO1、円神)に“パフォーマンスが変わってない”ところを見せたくない」(浦野)

と語るところが印象的だった。


若手だからと甘んじることなく、常に上を見続けている彼らのこの世界にかけるストイックさの片鱗がそこかしこで見えるし、私はそんな彼らを尊敬している。


決して楽な道ではないだろうが、OWVが「僕たちだけの道」を切り拓いていることは間違いないし、いつか彼らの思う「勝利」が手に入れられることを彼らの真摯さを見るたびに願うばかりだ。


【4K】OWV - 「CHASER」Music Video


「OWV LIVE TOUR 2021 -CHASER-」 配信視聴チケット発売のお知らせ

【配信日時】
【公演名】OWV LIVE TOUR 2021 -CHASER-
【日程】2021年11月27日(土)
[第1部] Talk & Live 15:15配信開始
[第2部] Live Stage 18:15配信開始

【アーカイブ配信】
各公演配信終了後~2021年11月30日(火)23:59

【チケット料金】
[第1部視聴券] 3,000円(税込)
[第2部視聴券] 3,000円(税込)
[第1部&第2部通し券] 5,500円(税込)
※ご購入時に別途手数料がかかります。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?