【詩】「僕だけでいい」
灰色の雲のヴェールにぼやける月を
ちらと見上げながら問いかけた
あなたは今日も元気ですか?
鏡に映す笑顔であなた自身が元気になれますか?
いつかじゃれあうように抱きしめたときに感じた
温もりはもうどこにもなくて
雨に濡れたアスファルトの坂道を上りながら
記憶にしかない誰かの笑顔を思い出そうとした
今宵の月のようにぼやけてた
寂しさがその微笑みを縁取っていたけど
君は今も元気ですか?
混じりけない微笑みを贈る好きな人が今はいますか?
いつか繋いだ手を離してしまった誰かさんのことなど
忘れていてくれればいい
ふと思い出すのは僕の方だけでいい
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