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【詩】「rainy blue」

窓の外では雨が降る
ぽつぽつと

壁に留めていたメモが落ちた
ひらり はらり

この心の中で 誰かが泣いてる
その横顔が似てる
少しだけ ほんの少しだけ

「ごめんね」と言うために
この声があるなら いっそどこかへ消えたい

静かに
目の前に見える その海へ飛び込んで
底まで 溺れていきたい

この身を包む 哀しみの中で
いきがとまるなら 
それもまた 一つの生

窓の外では雨が降る
やむのは 少し先

この瞳の内で 誰かが鳴いてる
どこかに隠した
忘れたい それを忘れたい

この心の中で 誰かがささやいてる
「いつかは消える」
忘れたい それを忘れたい

「ごめんね」と言うためだけに
この声があるなら そっとどこかへ旅立とう

独りで
いつかあこがれた その空を目指して
果てまで たどり着きたい

この身を焦がす 渇きを抱いて
くちていくのなら
それもまた たった一つの生

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