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【詩】「Nothing Here」

どしゃ降りの雨にずぶ濡れになりながら街を歩く
部屋にたどり着いても熱いシャワーを浴びられるわけじゃない
言うことを聞かないボイラーは安い家賃の代償
そんなの分かってる始めから分かってる
でも気分が収まらない

突然のアクシデントにオロオロしながら電話をかける
ベストを尽くしても彼は僕の答に肯きはしないだろう
切り口が見えないエンドレスが僕の人生の象徴
そんなの分かってる多分分かってたはず
でも気分は収まらない

きっとどれだけ僕が「ここ」にいて
何もかも知っちゃったとしてもここには何もない
無意味な構築だと思ってる
たとえそういうものは本当はないものだとしても

不意のキスに目を白黒させながら君の笑顔をみつめる
どんなに諭しても君は僕に抱きついてくるのをやめない
ちょっとずれたようなピッチが僕の得る「正確さ」
そんなの分かってる始めから分かってる
でも気分は冴えないまま

慌てて僕は自分の人生を洗い出す
取り出せる限りの心のネガを探し出すけれど
気付くのはたった一つのアンサー
全てボロボロに消え去っていく

きっといつまで僕が「ここ」にいて
何もかも知っちゃったとしてもここでは何もない
無意味な構築だと分かってるそう決め付けてる
たとえそういうことじゃ本当はないのだとしても

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