【詩】「ねぇ神様」
跪いて祈るフリをした
ねぇ神様 騙されてくれるかな
あなたが造った泥人形は
こんなに病んでいる
疲れた心でここからの景色を見た
あらゆるグラデーションがぼやけて見える
それなりに生きた結果が今の僕の全て
通り過ぎていくだけの日常の中
僕は誰かに優しくできたかな
僕は誰かを見つめることができたかな
満ち欠けを繰り返す星に問いかけた夜がある
いつか見失うのに
誰かの思い出の中で過ごすのはごめんだ
不恰好なこの姿でこの現実の中もがいてあがいていたい
この願いはいつまで叶えられるだろう
跪いて祈るフリをした
ねぇ神様
天邪鬼な僕の呟きでも聞いてくれるかな
あなたが背負った罪のささやかなひとつが
いまここにいる
掌に刻まれた皺は僕だけの年輪
無垢な笑顔を見つめながら少し胸が痛む
残された時間で僕はその笑顔に何ができるだろう
ただ明け暮れるだけの毎日の中
僕のこの歩みは何かを遺せてるかな
僕のつたない言葉は誰かに届いてるかな
静かにだけど力強く昇る陽に尋ねる朝がある
いつかは見失うけど
この生の果てがどんな形になるのか
少しだけ分かることがある
だから僕は静かに叫ぶ
そしてもがきながらもあがきながらも願う
青い空を見上げて祈った
ねぇ神様 叶えてくれるかな
あなたが儚さを付け加えた分身が
その儚さを思い知りながらも望んでる
僕の大切なひとたちがいつまでも幸せでありますように