【詩?】「蒼海」
うずくまって目の前の人の流れを見ていた
この世界は今日も雨だ
悲しい出来事がずっと降っている
誰かが驚きの声を上げて僕を見た
僕も驚いた表情で見返す
連鎖は止まらない
止めるためにはこの生のすべてが代償だ
なぜか
もう何年も前に命を絶った人の姿が
おぼろげに浮かんだ
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景色が流れていく車窓に自分の姿が薄く映る
だんだんと痩せてきたな
そうなることを望んだのは確かに僕
反動に怯えながらも
その反動を抑えつけるという
倒錯が僕は好きみたいだ
だからといってどんな風景の中ででも
笑えるわけじゃない
「笑え」と強制する理性に
「笑えない」と抵抗する感情
強く生きていくためにはどっちを選べばいいのか
分かっていたはずなのに
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誰かが見せたその薄ら笑いを
誰かが見せたその無関心を
いつかは忘れてしまうだろう
人は残酷なほど薄情になれる
それが人間の性根かもしれない
だから優しくなりたいと思うのか
・・・その「だから」の理由は何だろう?
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悲しいニュースが降り続けてる
悲しみに打たれて
涙があふれるのか
どこかから潮騒が聴こえる
耳を塞いで体を曲げる
歯を食いしばり目を閉じる
でも潮騒は聴こえつづける
海が僕のどこかにある
もう涸れたはずだと思ってたのに
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